住宅土地購入・敷地に対する考え方の要所①

これから住宅を建てよう、家を建て替えようとお考えの方は敷地の特性よりも建物そのもののことばかり頭にあるのではないでしょうか。

特に、土地を探してる方は「南側に開けた土地」を探している方がほとんどで、南向きの土地をゲットして、さぁどういう家にしようかなと、土地についてはあまり深く考えていないことが多いのではないかと思います。

それは確かにそうなのですが、限られた住宅地の敷地等の場合、南側に開ける=南側道路で北側に寄せて建てれば南側が広く確保できるではないか、というパターンが多くないでしょうか?広大な敷地でない限りは、このパターンだと南側の窓の先には道路があり車が通行し、窓の目前まで自家用車が迫っていたり、カーポートなんか設置した際には更に屋根までかぶさってきて、果たしてそれがよい敷地であったのであろうか、ということにもなりかねません。最悪、1年中、自分の車のお尻を眺めて過ごすことになります。

土地の条件は様々ありますが、無条件に南側を意識せずに、最低2点、考えてみて欲しいと思います。

■道路はどちら側なのか

■景色のいい方角、人目を気にしなくてよさそうな方角はどちらか

次に方角の特性を挙げます。日射もですが、家の中から外を見たときのことも想像してみてください。

■東
朝日が低い角度で差し込み、午前中は陽が差すが午後は日が当たらない。午前中は東よりからの日射となるため、家の中から見た場合、東の景色は影となり西の景色は明るい。

■西
東とは逆で、夕方にかけて低い角度からいわゆる西日が差す、午後は西寄りの日射となるため陽が差す、家の中から見た場合、午後の西寄りの日射によって東の景色が照らされて明るくなる。

■南
東から登って西に沈む太陽ですが、南側経由で移動するので一日中日が当たる。言い換えれば、家の中から見た南側の景色は、背後から照らされたシルエットのように影となる。庭や地面は照らされるが景色は明るくない。

■北
北側から陽が差すことはない、が、南と真逆で、一日中照らされた明るい景色が広がり、一日を通して、また、一年を通して安定した明るさ(環境光や景色の視覚的な明るさ)を得られる

実際は方角に対してまっすぐ真南向き等の土地はほとんどないので、各方角に対して角度がついているし、高低差や道路がどちら側か、隣地の状況などで、どの方角を活かすかはシステマティックに決められることではないですが、基本的な考え方として上記の4点は頭に置いておいてください。

北側に公園や自然が広がる敷地なんかは大化けする可能性があります。素晴らしい眺望の家になる可能性もありますので、北向きだからダメと頭ごなしに決めつけない方がいいです。

土地を探すときは、日当たりももちろんですが、自分が家の中から外を眺めたときにどのような景色がどのように見えるのかを想像しながら検討してみてください。現地で、いろんな時間帯にそこに立って各方角の景色を実際に見てみるといいですよ。土地の値段には入っていないプライスレスな価値を得られるかもしれません。

建て替えの方も、今の立っている住宅のプランが本当に最良なのか、上記の考え方を持って再考してみると新たな価値観が芽生えてくるかもしれませんよ!(本来は設計者が考えてあげるのがプロというものですが、全く意識していない設計者がかなり多いのが実情だと思います)

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