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『コロナ禍の下での文化芸術』 2章「リモート演奏が突如、絶対的な決まりになった日」 その3 コロナ渦で、コーラスをどうやって再開するか?


『コロナ禍の下での文化芸術』
2章「リモート演奏が突如、絶対的な決まりになった日」
その3 コロナ渦で、コーラスをどうやって再開するか?


※前段の記事へのリンク
『コロナ禍の下での文化芸術』2章「リモート演奏が突如、絶対的な決まりになった日」その2「2020年6月中旬、再開されたフル編成オケ演奏会を聴いて」
https://ameblo.jp/takashihara/entry-12606552183.html

https://note.com/doiyutaka/n/nd6a806309aa1



本稿では前段まで、オーケストラのコロナ後の再開について書いてきたが、一方で、音楽活動としてオーケストラや吹奏楽よりもっと国民的に根付いているコーラスについてはどうだろうか。

歌うことによる「飛沫」の飛散は、コロナ感染の原因の1つに挙げられている。本稿1章に書いたように、すでにカラオケや合唱団での感染例が報告されており、楽器演奏やスポーツの場合より、現実に感染が起きてしまった分だけ、コーラスの活動再開へのハードルは高い。
実際、以下の参考記事のように、コロナ後への動きは見られるものの、十分な理解が得られるかどうか、活動再開が根付くかどうかはまだまだ不透明だ。


※参考記事1
https://news.yahoo.co.jp/articles/9465f3c35f47c0846bf4b86d34d45e12ea626026

《オペラ歌手「マスク呼吸しにくい、フェイスシールドは声が反響」 コンサート再開へ実験
(6/12(金)沖縄タイムズ)

新型コロナウイルスの影響が文化芸術活動に及ぶ中、クラシックの演奏活動再開を目指す音楽団体の有志らがソーシャルディスタンスなどの実証実験を始めた。10日は浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで合唱の実験があった。ロビーでの受け付けやオーケストラの演奏なども検証し、医療関係者や研究者と協議していく予定だ。
合唱では歌唱時の飛沫(ひまつ)感染などが問題となることから、十分な間隔をとることやマスク着用など、全国公立文化施設協会の指針や海外の研究に準拠して実験。声楽家ら16人が3列に並び、マスクやフェースシールドの有無、歌い手の距離などを基準に計6パターンを検証した。
オペラ歌手の喜納響さんは「マスクは呼吸がしにくく、フェースシールドは自分の声が反響し歌いにくい」と感想を話した。客席で聞いた沖縄オペラアカデミーの黒島舞季子代表理事は「マスクがあるのとないのでは響きが明らかに違う」と講評し、「一日も早く安全な状態でよい演奏をしたい」と希望した。》


以上のように、マスクやフェイスシールドをつけて歌う試みがなされているが、スポーツの場合と同じでマスクやシールドによる酸欠の問題があり、熱中症の危険もある。マスクやシールド着用のまま長時間歌い続けると、コロナ感染以前に身体を壊してしまいかねない。
歌の場合、マスクやシールド越しでは声の響き方が変わってしまう。もちろん、マイクを使えばなんとかなるのだろう。だが、ポピュラー系の歌やカラオケならそれでいいかもしれないが、クラシックや合唱曲の場合は、基本、マイクは使わない。だから、合唱曲の演奏会をやるという場合、マイクで全て解決というわけにはいかない。オペラの場合も、もちろん、マイクで歌を響かせる、というわけにはいかないだろう。


※参考記事2
https://www.chunichi.co.jp/article/82879
《「歌えるマスク」で観客公演
(2020年7月4日 中日新聞)
「合唱することの一つの形にたどり着けた」長く日本合唱界をリードしてきたプロの東京混声合唱団の村上満志事務局長は悩んだ末の結論をこう言い表す。メンバーも開発に加わった布製の「歌える」マスクが六月下旬に完成し、活動休止後初めてとなる観客を入れての公演が七月三十一日に東京芸術劇場で決まった。一般的なイメージではマスクをすると声がこもって聞き取りにくくなりそうだが、布が口に触れないようにすればほとんど影響がないことが分かったという。音響学で著名な山崎芳男・早稲田大名誉教授の研究グループに録音の分析を依頼し、マスクをしてもしなくても「音響的に聴衆が知覚できる差は非常にわずか」との結果を得た。》



https://news.yahoo.co.jp/articles/1eab68556158b4c8dbe70b3e3c8bc6e9c6ac254e

《コロナに負けるな! さだまさし「合唱は絶対に消えない」―コーラス専用マスクも開発進む
(7/1(水) 16:00配信)》



このように、「歌えるマスク」なるものが開発され、この製品を使えば、前述のようなオペラや合唱での声の響きの変化は避けられるのかもしれない。
だが、その一方で、コロナ感染防止には布マスクは効果が少ないこともわかってきている。マスクで飛沫を防ぐことができれば問題は解決する、といえるならいいのだが、ことはそれほど簡単ではないのだ。マスクの効果も、コロナ感染防止にどこまで有効かというと、布マスクの場合は非常に心もとない。
以下の記事にあるように、布のマスクではウィルスの侵入を防ぐことはほぼ無理なのだ。不織布マスクであっても、装着の仕方が悪いと、コロナウィルスを侵入させてしまう。


※参考記事3
https://www.asahi.com/articles/ASN7430PVN72UBQU00B.html?ref=tw_asahi

《布マスクの「漏れ率」100% すきまからウイルス侵入
2020年7月6日 朝日)

布マスクは空気中のウイルスをどこまで防げるのか。聖路加国際大学の大西一成准教授(環境疫学)が布マスクと顔面のすきまなどから出入りする空気中の粒子の「漏れ率」を調べたところ、100%だったことがわかった。フィルターの性能試験を通った不織布マスクも、着け方が悪いと100%だったが、正しく着けると約50%まで下がった。「マスクは選び方と着け方が大事」という。》


こうなると、前述の「歌えるマスク」をしていても、コロナ感染を防ぐ役には立たないらしい。歌う本人の飛沫を防止する効果ならあるだろうが、歌い手が他の歌い手を感染させてしまうのをどこまで防げるのか、確実な効果はわからない。また、観客やスタッフなど、他の人がコロナ感染源だった場合に、歌い手は布マスクでは感染を防ぐことはできないということになる。
そもそも合唱の場合は、歌い手の人数が少ないポピュラー系やオペラなどのステージと違い、かなり「密」状態になることがコロナ感染の原因でもあった。ソーシャルディスタンスをとって合唱をステージに並べるとしたら、一体何人までのコーラス団が演奏可能だろうか? 少なくとも、以前のような大人数のコーラスは実現が難しい。しかも少人数のコーラスで、相互の間隔が広い場合、コーラスの歌声がどこまでホールに響かせられるのか? 本来の合唱の響きが得られるのだろうか? 合唱の演奏には、ソロの歌手や少人数の歌声をマイクで拡張して鳴らす系統の音楽とは、根本的に異なる問題が立ちはだかっている。
合唱のコロナ感染リスクについて、専門家の意見はどうなのだろうか。
以下、医師の意見を引用しよう。


※参考記事4

https://news.yahoo.co.jp/byline/takayamayoshihiro/20200622-00184414/

《イベントにおける感染対策 その特性に応じた考え方
高山義浩 沖縄県立中部病院感染症内科・日本医師会総合政策研究機構
6/22(月)

問「大規模イベントにおける感染対策はどう考えればよい?」

高山「まず、大前提として、最善の感染対策というのは人が集まらないことなんです。ただ、やっぱり私たちが生きていく以上は、そうしたイベントが必要なんだと思います。
日本では、4月にロックダウンに近いことが行われたわけですが、今後、これを緩めていくためには、どのような場所で、どのような行為が、どのような人たちによって、どれくらいの時間にわたって行われるかを分けて考えていく必要があると思います。
感染対策は論理的にやらないと、的外れで負担ばかり増していきます。むやみやたらに対策を行っていて、プライオリティが見えなくなっている現場を見かけることがあります。ほとんど意味のない感染対策に力を入れすぎて、やるべき感染対策が疎かになっていることも、しばしば見かけます。
イベントの特性を認識することが大切です。高齢者などハイリスク者が集まるのか? みんなで歌ったりするのか? コンタクトスポーツをするのか? アスリートと観衆の距離はどうか? 単に人が集まるというだけでなく、その特性に応じて対策のとりかたを検討したり、あるいは自粛するかどうかを判断する必要があります。(後段略)

問「音楽イベントでは、エアロゾル感染が起きるか? どう対策すべきか?」

高山「エアロゾル感染を防ぐには、換気すること、風の流れを作ることが大切です。とくに、観客も含めて大声を出すようなイベントでは要注意です。野外イベントにできるものは、できるだけ野外でやったほうがいいです。
なお、いつも観客が大声を出しているようなイベントなら、それをやめさせるのは困難だと私は思っています。とくにアルコールが入れば… ですね。破綻することが自明の対策に拘泥せず、別の方法を考えましょう。
たとえば、サザンのライブで観客が歌わないなんて、それはありえないですから、当面は野外でやるしかないのかもしれません。しかも、風が比較的強いビーチサイドでやっていただければと。
合唱団が参加するイベントでは、何を目標とするかによって感染対策の取りようが変わります。不特定多数である観客をリスクにさらさないのであれば、合唱団から客席に風の流れを作らないような制御を考えていただければと思います。
一方、団員同士の感染を防ぐのであれば、相互に衝立てをしたり、マスクをつけて歌わせたりということになります。でも、現実的ではないでしょうね。やはり、その場での感染対策ではなく、イベント前2週間の感染予防を徹底することになるでしょう。可能ならば、自己隔離になると思います。もちろん、そこに目標を設定するのなら… ですよ。(後段略)》



以上のように、会場が野外なら可能だが、音楽ホールで合唱をする場合、感染の防止策はなかなか難しいということがいえるだろう。

日本において、合唱活動は学校教育の場でも広く行われている。そのため本来なら、オーケストラやライブ活動の場合よりもっと早く、文科省や大学の研究所などを総動員して、感染リスクを検証しなければならなかったはずなのだ。だが日本では、合唱の感染リスクについてなぜかきちんとした検証が行われていない。それどころか、小中学校の音楽授業で、合唱の授業の代わりに「心で歌う」などという世迷い言が語られている体たらくだ。
多くの小中学校では、音楽授業だけでなく「合唱コンクール」など行事での合唱が広く行われていて、学校行事の呼び物の1つに位置付けられる。それだけに、何も検証しないまま放置していては、今後、正しい根拠もなく合唱活動が再開されてしまったり、逆に偏見だけで合唱が禁止されてしまったり、学校教育の上でも非常にダメージが大きい事態が予想される。
そこで、以下、合唱のコロナ対策について、アメリカでのシンポジウムの事例を紹介する。ここでの合唱関係者と医療関係者の意見は、日本での合唱活動再開への大きなヒントを与えてくれる。このようなまとまった議論の場が、日本でも必要不可欠だと思えるので、少し長い引用だが、ぜひお読みいただきたい。


※参考資料1

https://note.com/takahirofujimura/n/nf0019a479e86

《・多くの生物学的な理由から、歌い手はスーパー・スプレッダー(超感染拡大者)とみなされています。練習中に深く息を吸い大きな声で歌うことは、話すことよりも遙かに高いレートで感染粒子を放出します。たった1回の練習で大量の感染者が出るような怖い話を多く聞くのはこのためです。データによると「多くの深刻な感染は教会、練習室、ホールからのものです」となっています。6フィートの物理的な距離を保っていても、歌うことでそれは意味がなくなり、部屋中がウイルスの粒子ですぐに埋め尽くされます。
・新しい研究結果によると、COVID-19は症状を呈する「前に」「最も」感染力が強くなるとされています。歌い手や観客に対し、気分が悪かったら自分の判断で練習や演奏会に来ないでくださいということは、感染したことにすら気付いていないときに最も感染力が強いのだとしたら、おそらく役に立ちません。
・歌のために安全とされるバリアのような方法(マスク、防護服)は今のところありません。N95マスクは可能性がありそうですが、それでも現実的な解決策ではありません。理由は以下の通りです。
1.マスクを有効に使うためにはフィットテストされていなければなりません。
2.医療関係者ですら十分な量のN95マスクを入手できていません。コーラスが必要な量確保できることはなさそうです。
3.歌っている最中にマスクをするのは酸素の吸入を妨げるので危険です。このマスクは二酸化炭素を鼻の付近に留めます。誰にとってもそれを長い間吸っているのは望ましくありません。喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、心疾患を患っていたり、単純にお年を召していたりする場合は特にそうです。我々のコーラスの話のようじゃありませんか?
4.ほとんどの医療プロフェッショナルはN95マスク装着後数時間で頭がクラクラしたり頭痛がすると言っています。彼らは歌っているのではなく単に話しているだけです。》


《コーラス・アメリカはマーケティング会社に相談し、状況が許せば、人々は特定の活動に戻ってくる意思があるかどうかについて調査しました。回答された多くの活動の中で、閉鎖空間での演奏会はリストの最下位でした。
データによると、人々がコンサートに戻っても良いと考える条件は以下の通りです:
1.ワクチン
2.観客数の限定
3.行列がないこと
4.会場全体で手指の消毒薬が使えること
5.現地での健康調査
6.屋外の会場が望ましい》


※参考資料2

https://note.com/takahirofujimura/n/n59bf462802ab

《ルシンダ・ハルステッド博士:科学とデータは合唱の未来をどう予測するか

ウェストミンスターのコーラスの写真もありますが、どうやって彼らの間に6フィートの距離があるように配置すればいのでしょうか。フットボールスタジアムが必要になります。
このように演奏者にとっては、距離と隔離というチャレンジがある中でどうやって芸術のメッセージを伝えるかという技術的な課題があるのです。
これはある日のニューヨークタイムズに掲載されていたもので、まさにミルトン博士が話してくださった飛沫の危険性を象徴しているといえます。ある患者が発端となって感染を広げています。距離が読み取れますね。16フィートも飛んでいるということです。
仮にウエストミンスターのコーラスを離して配置したとして、それほど離れているとしたら果たして観客に届く音響はどうなるでしょうか? これは本当に問題なのです。
さて、どうやったらグループ活動に戻れるか、どのようにしたらリスクを最小化できるかということについての私のアイデアをお話しします。しかしまず始めに、リスクをゼロにすることは不可能だということに同意してもらわねばなりません。3~5%のリスクを許容する必要があります。
まずドア前でスクリーニングを受けます。もし例の家庭用PCRテストが使えるようになっているのであれば素晴らしいと思いますが、今はまだ開発中の段階です。メンバーが部屋に入ってくるとき、合唱団の副団長か合唱団員ではない関係者が、プライベートな空間で小さなテストをします。陰性の場合は問診があります。体温のチェックもあります。非常に感度の高いものとしては パルスオキシメーターを使って酸素飽和度を調べることもできるでしょう。
(中略)
多くの人が、マスクをしたら歌えるんじゃないかとか、何かのバリアのようなものがあれば歌えるんじゃないかと話しているのを知っています。
N95マスクは魅力的に見えるかもしれません。何も通れず、何も入ってきませんし何も出て行きません。ただし、完全にフィットテストされていればの話です。
誰か他の人にマスクを着けてもらわなければなりません。その人は確認のためあなたに息を吸ったり吐いたりさせます。そして次に、苦い匂いのするエアゾールを吹きかけ、その味が分かるかどうかテストします。分かったらフィットしていないということです。こうしてテストは行われます。とても多くの人がN95マスクをフィットテストせずに歩き回っています。
呼気の循環の問題もあります。2014年あたりの研究でN95マスクで普通に呼吸するとどうなるかが調査されました。歌ではないですよ、もちろん。単に普通に喋ったり動き回ったりするということです。1時間のうちに、酸素レベルが下がり、二酸化炭素を再吸入してしまうのでそのレベルが上がります。一日の終わりには酷い頭痛でしょう。
先に申し上げたように多くの人はこの装いを暑いと感じるでしょう。私にとっては暑めよりの暖かいという感じですがそれは私が冷え性だからです。ただ、ほとんどの皆さんと同じように私は健康ですが、集まる人の中にはそうでない人がいます。私たちの合唱団には必ずしも健康とは言えない人たちが、喘息だったりCOPDだったり心疾患があったりする人たちがいます。もしN95マスクのようなものを着けさせるとしたら、肺や心臓に重度の身体的負担を与えることになり非常に危険です。》


※参考資料3

https://note.com/takahirofujimura/n/n9b7696e5ca4e

《ハルステッド博士、ミルトン博士との質疑応答セッション

質問:エアロゾル化したコロナウイルスはどの程度の時間空気中で活性を保ちますか?
ミルトン「生存期間については、ウイルスが半減するのが ―私が見た研究では30分と言っていましたが別の研究ではそれよりもずっと長いと言っていました。
1時間に5回、いや6回換気するとすれば、10分程度の換気時間になり、エアロゾルの半減期はおよそ約7分半になります。
換気をすることで、自然に活性を失うよりもはるかに早く半減期を下げることができるということがわかります。」

質問:健康リスクが少ない活動はあるのでしょうか?
「リスクが少ない活動というのは思いつくことが難しいです。かなり距離を空けられるとか、本当に安全な環境を用意できるとかでなければ…。
日曜日に話したことですが、大学教授として、入学してくる新入生たちをどう評価して、どう最初の基礎レッスンをどう行うのかが話題になりました。バーチャル環境で行うことはおそらく難しいです。というのも、リモート環境特有の問題で、音がフィルタされてしまい音響的に違いが出てきてしまうからです。
生徒に会う前の日に検査を徹底すること、それ以上はありません。健康であることが確認できていれば、リスクは3%から5%と小さいものにできます。」

質問:「安全」な合唱団の練習やボイスレッスンというものはあるのでしょうか。またどのようにすれば合唱団のメンバーや生徒を守れるでしょうか。
ハルステッド「少人数で、屋外で、風が背中側から吹いていないのでなければ、答えはノーでしょう。
現時点では完全に安全な方法はないと思います。合唱団の全員が24時間以内にPCRテストを受けているのでない限り。それでも5~6%のリスクはあります。

質問:人前でハミングすることは歌うよりもリスクが低いといえますか?
ハルステッド「普通に喋る人と大きな声で喋る人の間には差がありますが、桁が違うというほどではありません。なので、ハミングは答えにはならないと思います。
ハミングならOKとは思えません。
あなたの隣にいる人は感染力が非常に強いうちの一人かもしれませんし、その人のハミングはあなたのハミングとは全く意味が違います。
私は思うのは、あなたが訓練された歌手であればあるほど、肺の容量を多く使って、そうすることで気道が狭くなり、次に大きなブレスを吸うことで気道が開かれ、そして非常に効果的にエアロゾルが空気中に放たれることになります。
そして声を飛ばそうとするとき―私は訓練されたクラシックのソリストについての研究は何も見たことはありませんが、おそらく大きな声で歌えるでしょう。」》


※参考資料4

https://note.com/takahirofujimura/n/n2c427f800e82

《これからどうなるのか? 合唱の近い将来について

ACDA(American Choral Directors Assosiation アメリカ合唱指揮者協会)の使命は、人を感激させるレベルの卓越性を追求することです。
よく聞く「解決策」のほとんどは、卓越性の追求には向いていません。
リハーサルのためにローマの円形劇場に行ったり、古い野外映画館に行って、駐車場全体に歌手を配置したりするのは、私たちが目指す卓越性のようには思えませんし、もしそうなら、私たちはすでにそうしているはずです。それは卓越性から遠ざかっています。
合唱の練習のためには見過ごしてもいいというような、そんな犠牲はありません。
理解しなければならないのは、長距離走が必要だと言うことです。また次の日を戦い生きるために。
なので、私はみなさんに、私たちが聞いたエアロゾルについての話をすることを勧めたいのです。同じ部屋にいて、同じものを吸い込まないということはほとんど不可能であるということ、誰もそんなことをお互いにしたくはないだろうということです。私たちは美しいもののために生きているのですから。》



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