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土居豊の文芸批評

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土居豊の文芸批評 作家・土居豊が「文芸批評」として各種ジャンルの作品を批評します。 不定期に掲載し、公開後しばらく無料公開したのち、有料とします。 マガジンとしてまとめる記事は… もっと読む
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土居豊の文芸批評・映画編 『THE DAYS』(2023年 Netflix)をみて、東電福島第一原発事故について改めて考える

『THE DAYS』(2023年 Netflix)をみて、東電福島第一原発事故について改めて考える (1)なんだ、門田本原作かー 話題のこのドラマをみ始めたが、さっそく違和感がある。それもそのはず、よく見ると、原案:門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」とある。なんだ、門田本が原作なのか。この本、事実を誇張して描いており、同じこの本を原案にした映画『FUKUSHIMA 50』の出来の酷さの原因は、原作の責任でもあった。 それでも、海外向け配信も含んだネトフリド

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土居豊の文芸批評 ドストエフスキー『罪と罰』 ラスコーリニコフの老婆殺しは、妹推しの兄が切羽詰まってやっちまったこと

土居豊の文芸批評 ドストエフスキー『罪と罰』 ラスコーリニコフの老婆殺しは、妹推しの兄が切羽詰まってやっちまったこと (1)なぜ、いま、ドストエフスキー? 唐突だが、ドストエフスキーを語ることにする。 それというのも、筆者は長らく村上春樹作品を批評してきたが、村上作品の根底には、ドストエフスキーからの影響が色濃いからだ。 村上自身、中学時代からドストエフスキーを読んでいたし、英語で米国ハードボイルドのペイパーバックを読むようになってからも、ドストエフスキーの長編を愛読して

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(緊急寄稿)京アニ事件のきっかけが「涼宮ハルヒ」?「AIR」? だがその動機づけは間違っていると言いたい

(緊急寄稿)京アニ事件のきっかけが「涼宮ハルヒ」?「AIR」? だがその動機づけは間違っていると言いたい 《青葉被告は被告人質問で、京都アニメーションの存在は、同社がアニメ化した「AIR」という作品を通じて知った、と明らかにした》 と、以下の記事にある。 ※参考記事 【京アニと青葉被告の最初の接点は「AIR」 知らなければ「小説も書いていなかった」京アニ公判速報】(京都新聞2023年9月7日) https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1

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土居豊の文芸批評アニメ・ラノベ編 《「涼宮ハルヒ」エンドレスエイトのアニメは8回も繰り返す必要なかったのでは?》

土居豊の文芸批評 アニメ・ラノベ編《「涼宮ハルヒ」エンドレスエイトのアニメは8回も繰り返す必要なかったのでは?》 1 「涼宮ハルヒ」エンドレスエイトのアニメ化への賛否 ゼロ年代を代表するアニメ・ラノベの『涼宮ハルヒ』シリーズ、その中でも、賛否両論なのが、京都アニメーションによるアニメ化の「エンドレスエイト」の8回繰り返しの試みだ。 実際に、いくら深夜アニメだといっても、同じエピソードをちょっとずつ細部を変えながら8回繰り返したことは、最初の放映時からネットで物議を醸した。

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土居豊の文芸批評 高村薫『レディ・ジョーカー』その1 平成日本を代表する小説 

土居豊の文芸批評 高村薫『レディ・ジョーカー』その1 ※写真は全て土居豊の撮影 (1)平成日本を代表する小説 現代のドストエフスキー、と呼ばれることもある作家の高村薫、その作品中でも人気の高い「合田雄一郎」シリーズの3作目『レディ・ジョーカー』は、平成日本を代表する文学作品だ。 物語はグリコ・森永事件をモチーフとしていながら、時代背景を1995年前後として、平成日本の虚実を描く。 時代がまだバブル崩壊後の予熱を保っていた時期、バブルの象徴のような日之出ビール(キリン、が

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土居豊の文芸批評・アニメ編 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は21世紀の混迷を先取りしたアニメ

土居豊の文芸批評・アニメ編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は21世紀の混迷を先取りしたアニメ  ※写真は全て土居豊の撮影 (1)「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」を2周、通して観た 「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」、この長いアニメを最近、2周通して観た。最初は地上波テレビの再放送枠でなんとなくみはじめて、だんだんと引き込まれていくうちに、最初の方のあれこれが実は伏線だったことがわかってきて、もう一度最初から見返したくなったのだ。 前作の

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連載更新!文芸批評4(続き)村上春樹『街とその不確かな壁』の原点は、忘れられた傑作『1973年のピンボール』である 2  

連載更新!文芸批評4(続き)村上春樹『街とその不確かな壁』の原点は、忘れられた傑作『1973年のピンボール』である 2 ※写真は全て土居豊の撮影 ※前回まで 土居豊の文芸批評その4 村上春樹『街とその不確かな壁』の原点は、忘れられた傑作『1973年のピンボール』である https://note.com/doiyutaka/n/n496a4b188cfa (4)ピンボールの主役・鼠の故郷、西宮と芦屋 本作は、前作『風』でもう一人の主人公だった語り手「僕」の親友「鼠」に

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連載更新! 土居豊の文芸批評その4 村上春樹『街とその不確かな壁』の原点は、忘れられた傑作『1973年のピンボール』である 

連載更新! 土居豊の文芸批評その4 村上春樹『街とその不確かな壁』の原点は、忘れられた傑作『1973年のピンボール』である ※写真は全て土居豊の撮影 ※前回まで 土居豊の文芸批評その1 村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作1 https://note.com/doiyutaka/n/nc68693cc0b25 (続き)村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作2 https://note.com/doiyutaka/n/nec4c3577cf8d

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土居豊の文芸批評その3 村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版中編「街と、その不確かな壁」を読んで、「街」のモデルを特定した

土居豊の文芸批評その3 村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版中編「街と、その不確かな壁」を読んで、「街」のモデルを特定した ※写真は土居豊の撮影です(一部除く) ※前段まで 土居豊の文芸批評その1 村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作1 https://note.com/doiyutaka/n/nc68693cc0b25 (続き)村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作2 https://note.com/doiyutaka/n/ne

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土居豊の文芸批評その2 村上春樹『街とその不確かな壁』の彼女の正体は?

土居豊の文芸批評その2 村上春樹『街とその不確かな壁』の彼女の正体は? ※写真は全て土居豊の撮影です ※前段まで 土居豊の文芸批評その1 村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作 1 (続き)村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作 2 土居豊の文芸批評その3 村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版中編「街と、その不確かな壁」を読んで、「街」のモデルを特定した! 土居豊の文芸批評その2 村上春樹『街とその不確かな壁』の彼女の正体は? (1)

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(続き)文芸批評1《村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作》その2

(続き)文芸批評その1《村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作》その2 ※ヘッダーは、明治神宮外苑の絵画館。村上春樹は小説デビューの前、この外苑近くの千駄ヶ谷でジャズバーを経営していた。 ※写真は全て、土居豊撮影のものです 土居豊の文芸批評その1 村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作1 土居豊の文芸批評その3 村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版中編「街と、その不確かな壁」を読んで、「街」のモデルを特定した! 土居豊の文芸批評その4

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土居豊の文芸批評その1 村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作

村上春樹『街とその不確かな壁』評 ※ヘッダー写真「芦屋川河口付近から六甲山を望む」 ※写真は全て、土居豊撮影のものです (続き)村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版と新作2 土居豊の文芸批評その2 村上春樹『街とその不確かな壁』の彼女の正体は? 土居豊の文芸批評その3 村上春樹『街とその不確かな壁』のオリジナル版中編「街と、その不確かな壁」を読んで、「街」のモデルを特定した! 土居豊の文芸批評その4 村上春樹『街とその不確かな壁』の原点は、忘れられた傑作『1

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