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【文字起こし】新型コロナの影響を受けて帰国ができなくなった留学生への対応

今日(2020年5月12日)の朝10:00からの参議院厚生労働委員会で、愛知県選出の田島麻衣子議員(立憲民主党)が、新型コロナウイルスの影響で帰国ができず、公的な支援制度からも対象外となってしまっている留学生への対応について質問されました。昨今、各地の支援者の間で話題となっているこの課題について、どのような答弁がなされたのかを記録しておきます。

田島麻衣子議員

新型コロナの影響で帰国ができなくなった留学生に対する支援制度について政府の対応を伺いたいと思います。
3月に日本語学校や大学等を卒業して帰国予定だった留学生は、このコロナの対策によって帰国ができなくなっています。
帰国ができない外国人に対しては在留資格を「留学」から「短期滞在」に変えて日本に残るということが、法務省から通知されていると伺っております。
短期滞在になりますと、就労ができません。仕事ができません。
短期滞在になると、今、議論されている10万円の特別定額給付金の「対象外」にもなります。
母国にも帰れない、仕事もできない、10万円の給付も受けられない、これではやはり食べる物も食べられない状況になっている人たちがいるんじゃないかと思います。
こうした母国に帰れないでいる外国人留学生に対する支援について法務省の方に伺いたいと思います。

出入国在留管理庁 佐藤審議官

お答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして、本国に帰国困難となっている留学生が存在することは承知しております。まず現状のご説明でございますけれども、ご指摘の通り出入国在留管理庁としては、まず留学生が教育機関において引き続き教育を受けられる場合、これにおきましては在留資格「留学」に係る在留期間の更新許可を受けまして、引き続き教育を受ける活動を行うことを柔軟に認めるようにしているところでございます。この場合におきましては、資格外活動許可に基づきましてアルバイトを行うことも可能となっております。

また、教育を受ける活動を行わない場合であっても、在留資格「短期滞在」を許可いたしまして、引き続き本邦に正規に在留することを可能としているところでございます。本年4月27日時点におきまして、住民基本台帳に記録されていた留学生につきましては、特別定額給付金の支給対象となるものというふうに承知しております。

出入国在留管理庁といたしましては、議員のご指摘も踏まえまして、今後とも留学生の置かれた状況、それから各国における感染拡大の状況なども踏まえつつ、取りうる方策について引き続き柔軟に検討して参りたいというふうに考えているところでございます。

田島麻衣子議員

前向きな答弁ありがとうございます。食べられない、仕事もできない、母国にも帰れないっていう人たちをやっぱりどうにかしなきゃいけないと思うので、これに対する対処をよろしくお願いいたします。


上記のやり取りは、参議院インターネット審議中継(録画)でご覧いただけます。開始1時間8分56秒から1時間11分29秒です。


個人的に気になったのは、佐藤審議官の「本年4月27日時点におきまして、住民基本台帳に記録されていた留学生につきましては、特別定額給付金の支給対象となる」というご発言です。

例えば4月20日時点で「留学」での在留期間が終わり、法務省通知に従って4月21日からは「短期滞在」に資格変更した場合、4月27日時点では住民基本台帳に記録されていないケースがあります。

そうなると、現在も日本で生活していたとしても、特別定額給付金の「対象外」になるのではないでしょうか。これでは、問題解決になりません。

佐藤審議官の最後の「取りうる方策について引き続き柔軟に検討して参りたい」というご発言に一縷の望みをかけ、こうした制度の不備によって支援から抜け落ちてしまう人がいなくなることを切に願います。


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