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土井畑は、トランポリンというスポーツを行うクラブを運営しています。トランポリンというと、ぴょんぴょん跳ぶ遊具的な立ち位置ですが、実はオリンピック・スポーツでもあったりします。ご存知でしたでしょうか。

さて、トランポリンというスポーツは、ぴょんぴょん飛び跳ねるだけで楽しい、であるとか、体の色んな部位で跳べる、とか、言われますが、個人的にはトランポリンというスポーツの魅力は、

1.感覚的な面白さ・非日常感

2.ナルシシズム的な面白さ

3.仮説検証型の面白さ

の3つが主にあると感じています。


1.感覚的な面白さ・非日常感

ジェットコースターに乗ると楽しいですよね。あの上下左右に高速で動く体験は、他ではできない非日常感を与えてくれます。ロジェ・カイヨワのいう”めまい”のような、感覚統合療法でいう前庭感覚や固有受容覚といった原始系の感覚で楽しむ面白さがあります。

しかも、ただ跳ぶだけではなく、高い位置からうつ伏せや仰向けで落ちることもできるし、宙返りをすることもできます。着地姿勢や回転・ひねりのコントロールができること、その時の感覚的な面白さは、地に足の着いたスポーツでは楽しめない、トランポリン固有の魅力です。


2.ナルシシズム的な面白さ

トランポリンを跳ぶ面白さから、今度は少し競技チックな話になります。トランポリン競技は採点競技ですが、この採点競技には、それぞれに一般化された「美」のモデルがあります。トランポリンの場合は、

・気を付け姿勢が最も美しい姿勢であること。

・頂点(上下方向の速度が0になった瞬間)で体が美しい気を付け姿勢になっていること。

・美しい姿勢とは、体幹は腰が限界まで伸展し、しかし胸は反らず、足は閉じて手は体側に添え、一本の棒になっている状態を指すこと。

・頂点から下るときは、気を付け姿勢をできるだけキープすること。

・メリハリのある動きが良い。

などがあげられます。トランポリンを練習するにあたり、これらの美しさを自分で理解して、自分の動きをより美しく完成させるために、ひたすら反復練習をします。

そのため、できたときは自分の動きや体のラインを見て、「なかなかに美しい」なんて思ったりします。そうやってうぬぼれます。

このうぬぼれが、トランポリンというスポーツの魅力の1つです。


3.仮説検証型の面白さ

最後に、トランポリンは仮説検証型のスポーツです。個人種目であり、同じ技を極めるために、何度も反復します。ゴールはトランポリン界隈で「美しい」とされている身体の動きが、自分でも再現できることで、これを達成するために日々の練習があります。

そのために、どういった練習をするかというと、自分の体の動きを動画や人から聞いて評価し、目的とする動きとの差分を明らかにして、その差を埋めるための体の動かし方の仮説を立てます。この仮説に沿って技をトライし、その結果を評価して差分を見つけ、仮説を再設定します。

この繰り返しです。つまり、個人内でPDCAをひたすら回し続けるスポーツなんです。相手がいるスポーツではないので、外部変数はほとんどありません。自分の責任の中で、色々チャレンジしていきます。

そして、仮説がバチっとハマり、うまくできたときが一番楽しいんです。


このあたり、ルール理解の必要ない感覚的な部分から、仮説検証型の、PDCAをひたすら回し続ける認知的な部分まで、連続的に移り変われるのがトランポリンというスポーツの面白さだと感じています。

でも、これを子どもたちに伝えるのは、とても難しい。仮説検証型思考を、トランポリンを通して伝えられたら・・・と考えているのですが、そもそも不可能なのでは?とも感じています。まぁ、あきらめずのんびり挑戦してきたいと思っています。

それでは。

どいちゃん

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