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UFOキャッチャーで100円を入れてもらうために

※この記事は3,470文字、約7分で読むことができます

UFOキャッチャー、やったことありますか?

100円を入れて景品を取る、あれです。

昔、ゲームセンター店員をしていた頃、私はUFOキャッチャーコーナーの売上責任をもっていました。

今日はその時の苦悩や考えていたことを晒していきたいと思います。

未経験のアミューズメント業界

私は1年だけゲームセンターで働いていたことがあります。
その時はUFOキャッチャーコーナーの売上責任を持っており、どういう景品をいれて、どうやって年間の売上計画を達成するかを考える役割でした。

この当時、ゲームセンターどころかアミューズメント系の業界で働いたことが無かったので、右も左もわからないところからスタートしました。

メダルゲームの遊び方も知らなければ、UFOキャッチャーもほとんどやったことないレベル。

お客さんがなんでゲームにお金を払うのかもわからない状態。

そこから年間売上4,000万くらいのUFOキャッチャーコーナーを任されるのは、個人的になかなかのチャレンジでした。

とりあえず情報収集

とりあえず何もわからないので、最初に2つのことをやりました。

1つは過去5年分くらいの売上データを眺めてみること。
このお店は何で売上が立っていて、何が売れてないのかを知る為。

もう1つはお客さんとたくさんしゃべること。
何でうちのお店に来てくれたのか、どんなことが楽しいのか、など。
お店にきている人たちがどんな人なのか知りたかったんです。

ここで意識したのは、お店のメンバーの意見ではなく、自分で情報を集めるということ。

人の意見ももちろん重要なんですが、どうしてもバイアスがかかってしまったり、長くいればいるほど偏った考えになってしまっている可能性もあると思ったからです。

お店の特徴を掴む

私のいたお店は、映画館隣接店だったので、映画の波にお客さんの数が左右されます。

売上を見ると、月によって大きな波があって、夏休みやクリスマス、GWなどの子供のお休み期間で映画も大きなタイトルが増えるシーズンにドカッと上がっていました。

そのタイミングでメダルゲームもUFOキャッチャーも上がっていたので、過去にやったキャンペーンなどを店長に聞いてみると、その時期に集中してイベントを打っていたとのこと。

なるほど、映画に売上も左右されるのかと考えたのを覚えています。

売れるもののカテゴリーがあるのに気付いた

UFOキャッチャーの売上の内訳が知りたく、当時の入荷履歴なども見ました。

すると、どうやら大きく2つ売れるカテゴリーがあるのを見つけました。

1つは映画関連のグッズ。
もう1つはスヌーピーやことり隊などのいつでも人気が高い大型ぬいぐるみ。

私は前者を瞬間グッズ、後者をいつでもグッズとカテゴライズしました。

瞬間グッズは、その期間にしか売れないので、大体のお客さんの入り具合を前年度の映画館の来場者数とお店の客数などから予測し、その数に事足りる数だけ入荷すると決めました。

理由としては、映画来場者の波が収まると途端に売れなくなると考えたからです。
これは過去売上の推移からも明らかだったので、恐らくズレはないだろうと思っていました。

そして、売れ残りそうだと感じた場合は、売れているお店に回して原価を付け替える、もっと売れると初日に感じた場合は、売れ残りそうなお店に先に回してもらうように連絡しておく、という形で在庫コントロールをしていました。

いつでもグッズは、瞬間グッズと違っていつでも売れるので、常に在庫を持っておいていいもの。逆に言えば店頭から切らしてはいけないグッズです。

なので、常に新しいシリーズとのバランスを見ながら、数をコントロールすることでお店から無くならないようにしました。

どうしても読み切れなかったアニメグッズ

こうして2つのカテゴリーを見つけ、何となくいい具合で売り上げを立てていたんですが、どうしても読み切れないものがありました。

アニメ系のグッズです。

私がいた当時は「ラブライブ」「アイドルマスター」などのタイトルが爆発的な人気となっており、映画館で映画も上映されていました。

映画上映まで、ラブライブグッズは私のいたお店ではなかなか売れなくて悩みの種でした。

他の店では売れるけどうちでは売れない。となると、基本の考え方としては他店に送ってしまうべきものです。

でも映画もあるしなー、と思い、新たな入荷もかなり悩んでいたところでした。

最終的に、ある程度入れて売れなければ他店に回そうと考え、2ロット(箱単位の入荷なので)くらいで入荷して、前日に仕込みをしておきました。

そして映画上映日。
蓋を開けてみたら爆発的に売れてしまいました。

入れていた在庫は初日でなくなり、慌てて他店に取り寄せするなどでかき集めました。

この時の売上は凄まじく、その分機会損失も大きかったなーととても反省しました。
次回以降、アニメ系グッズは大量に入荷するようになったのは言うまでもありません。

今までやらなかったことにも挑戦する

そのお店では、私が担当してからはキレイに展示してしっかり適正価格で獲得してもらうことを徹底していました。

高く売りつけることは、短期的な売上は上がるが長期的には顧客を手放すことになるからです。だって全然取れない店でまた遊びたいとは思わないですもん。

でも、それでもハードルを感じるお客さんの層がいました。
それが100円もちょっと惜しい、と考える人達です。

来店客数と売上比率で言えば、この層は数は多いが売上は少ない。
なので、ここを取り込めれば売上上げられるなーと思ってました。

そこで、私の中で「100円すら惜しい人達」「自分の中に金額の基準がある人達」「欲しいものにはお金を惜しまない人達」という、3つのお客さんグループを作り、それぞれに向けた台を用意するようにしました

後者2つのグループは、価値さえ感じればしっかりお金を入れてくれるので、その人たちのニーズを外さない台をしっかり作ることが大事でした。

しかし、100円すら惜しい人たちは、100円かけたことで何も返ってこないことが悔しいんです。だから何も取れなさそうな台にはお金を入れないんです。逆に言えば、取れそうに見えたり実際に取れる台を用意してあげればいくらでも100円を入れてくれます。

そこで、他店舗の倉庫に眠っているいらない景品を(タダで)もらい受け、「100円激取れ台」というのを作りました。
その名の通り、100円で絶対取れる盛り方をして、100円で1つ以上の景品を持って帰ってもらう台です。

これがハマり、その台の売上がグッと上がったことで全体の売上が底上げされ、客単価が向上しました。(原価は0なので全部利益w)

特に映画シーズンは、子供たちが面白がってたくさんやってくれたので、子供がUFOキャッチャーで景品をゲットする体験を積み、お金を入れてくれるという理想的なモデルが回せました。

結果的には目標達成できた

こんな感じのことを悩みながら、もがきながら、楽しみながらやっていたら、気付けば年間の目標は達成できていました。

入った当初は右も左もわからない状態でしたが、1年でなんとなく「UFOキャッチャーで100円を入れてもらう方法」がわかった気がしました。

それまでの会社のやり方とは違うやり方も結構やったので、だいぶ本部から目をつけられたり怒られそうになったりしましたが、何とかかんとかやり切ることができました。

これは、あくまで当時の店長が「やりたいようにやらせてくれたこと」「周りのスタッフが協力してくれたこと」が最大のポイントです。

普通に考えて、何も知らないペーペーに好き勝手やられて気持ちのいい古参スタッフや店長はいません。
その人たちに協力してもらうために、自分の考えをしっかり作り、それを伝えて、協力して欲しいと頼み込む。これが大事だったなと今になって思います。

わずかでも私の経験が、今後店舗で働く方や売上作りに悩んでいる方にとってヒントや気付きがあればと思い、書き並べてみました。


少しでも、あなたの参考になれば幸いです。

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