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「スキルアップしたいから転職」は正しいのか

「3ヶ月でWEBデザイナーに!」みたいな広告をよく見るようになりましたね。

こういったサービスが流行るということは、ビジネスマンのスキルアップ意識がいままで以上に高まっているんだと思います。

ここ最近面接でも「スキルアップしたいので転職を考えています」という方に出会うことが増えました。正確には前からいたんだけどその比率が上がった印象です。

なので今日は、「スキルアップしたいから転職」は正しいのかを考えてみます。

何のためにスキルアップしたいのか

まず結論から言えば、転職でスキルアップはできる場合もあればできない場合もある、というふんわりした答えになると思います。

私は「目的のあるスキルアップ思考」と「目的の無いスキルアップ思考」に分けられると考えています。これは目的からの逆算なのか、なんとなく必要だからという積み上げの発想なのか、という違いです。

例えば「陸上短距離で日本一になる」という目的に向けてスタートの切り方のスキルを上げておきたい、というのは目的に向かって意識的に必要なスキルを伸ばしにいくスタンスですね。

一方、目的が無い場合の思考は「今後足が速いほうがいい気がするので、とりあえず早く走れるようになりたい」という考え方。

では、転職でスキルアップできるのはどちらかと言えば、圧倒的前者でしょう。そもそも、目的や伸ばすべきポイントが明確であるため、このタイプの方は転職しようがしまいが成長していくと思います。

逆に後者は、どんなスキルを伸ばすのか・何を目指しているのかが不明確なため、自分のやるべきことを定められず、結局は何も得られないという結果になりがちです。

つまり、目的の無いスキルアップ思考では、転職という手段を使ったとてスキルアップすることはないと思います。

転職でスキルアップに成功できる例

では、どうすれば転職でスキルアップができるのでしょうか。

これを考えるうえでは、先にお伝えした「目的の設定」と「経験値の高さ」「既存環境での成長余地」が関わってくると思っています。

目標設定は前述の通り「何を目的としてそのスキルを伸ばしたいのか」が明確であればあるほど、スキルの向上は実現しやすいでしょう。具体的にどんなスキルを伸ばしたいかが決まっていれば、何をすればいいのかという具体のアクションまで落とし込めます。

後の2つ、「経験値の高さ」と「既存環境での成長余地」はマトリクスにしてみます。

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例えば①と③のように、現在の環境でも成長余地がある場合、「スキルアップ」を目的として転職って意味無いですよね。成長余地は、業務上で該当スキルを使うことがあったり、その領域のプロフェッショナルがいる、などです。

つまり、前提として転職は、現在の環境で成長余地が無い場合に出てくる選択肢だと思います。

更に、既に一定以上のスキルがある場合に、更に伸ばそうと思うと環境がかなり重要になってくると思います。いまの環境にスキルを伸ばせる余地、例えば自分よりも詳しい人がいたり、その業務をおこなえる余地がある。そんな場合は転職の必要はありませんが、そうでなければ場所を変えるのはひとつの策になります。

ということは、②の場合は転職先にプロフェッショナルがいたりより修練できる環境があること、④の場合はそもそもその業務に触れられることが転職の前提になります。

ここで、採用する企業側の目線で見てみましょう。

中途採用において、該当ポジションの業務経験が無く未知数な人に、そのポジションを任せたいと思うのか。

これはNoという企業のほうが多いのではないでしょうか。中途採用では、よほど教育制度が整っている企業でない限りは、即戦力を求めるケースが多いと思います。

つまり、中途採用で希望の業務に対して経験が無い場合は、そのポジションにつくことは無いということです。

ここまでをまとめると、転職でスキルアップを目指せるのは、②の「既に該当スキルやポジションの経験や能力が一定あり、自身よりも優れたメンバーと関われたり業務レベルが高い環境に入れる人」だけという結論になります

となると、「スキルアップしたいから転職で」というのは、なかなかハードルの高い選択ですね。

転職はあくまで手段のひとつである

ここで私が言いたいのは、「転職はあくまで手段のひとつである」ということです。

先のマトリクスにもありますが、今いる環境でスキルアップできる余地があるなら、そこでやったほうが絶対効率がいいです。

転職は意外とコストが高く、職務経歴書を作ったり面接を受けたり、入社できたとしてもその会社内でパフォーマンスを発揮できるようになるまで時間がかかります。

しかし、今の環境はそういった時間をすべてスキルアップなどに利用することができます。そう考えれば、圧倒的に現在環境で頑張るほうが理にかなっています。

ここでよく「今の環境ではチャレンジする機会がない」というご意見や「この領域について詳しい人がいない」というお話をよく耳にします。

でも、本当にそうなんでしょうか。

チャレンジの機会は、能動的に動いた人や常に準備を怠らない人の元に訪れます。

何度も諦めずに上司やマネジメント層に提案したり、社外の有識者と交流を持ったり、自分の目的に向けて行動をやめない人に与えられるものなんです。

なので、「チャンスが欲しい」と思ったら、まずはできることを全部やってみると良いと思います。その上で、どうしても構造上難しかったり、チャンスの芽も見えないようであれば、転職という選択肢も視野にいれて行動してみる。

スキルアップや成長は一朝一夕ではいきません。でもゆっくりでも前に進む。それでいいのではないでしょうか。

転職を検討されている方は、ぜひ一度振り返って考えてみて頂くと、色んな気付きがあると思います。


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