イベントは旅行。モデレーターはガイド。
※この記事は2,817文字、約5分で読むことができます
イベントは有名人を呼んでおけばOK。
昔そういう風に言っているイベントオーガナイザーがいました。
本当にそうなんでしょうか?
今回はビジネス向けのいいイベント企画とはなんなのかを考えてみます。
イベントってどんなもの?
一口にイベントといっても色んな種類があります。
・講師などがいる一方向発信型
・複数人が話すトークセッション型
・参加者も巻き込んだ双方向型
・セッションとブースが両方存在するカンファレンス型
などなど、、、
それぞれの良さや特徴がありますが、共通するのは「提供者」と「参加者」が存在することです。
そして、開催者の提供したものを参加者が「面白かった」「参加してよかった」と感じられれば成功なのではないでしょうか。
いいイベントってどんなもの?
ではいいイベントとはどんなものなのか。
私は「開催の目的が達成され、参加者が一歩前に進める状態なれた場」だと思っています。
開催側の目的、これは様々ですが、ビジネス系イベントの場合は「集客(リード集め)」か「マネタイズ」かのいずれかが大半ではないでしょうか。
そして大事なのが、参加者のイベント終了後の状態。
参加者が「参加してよかった」と感じ、一歩前に進める状態になっているか。それが大事です。
この満足感とその後の状態変化を促すイベントというのは、果たして「有名人が出ればOK」なんでしょうか?
私はこれに関してはNOだと思います。
練られた企画があってこその面白いイベント
イベントに有名人や有識者が出ることは多いです。
何故かと言えば、「皆が知らないことを知っていたり考えており、大体の事柄に自分なりに解を持っているから」だと思います。
どんな話になってもその人が何とか形にしてくれるから、結果として面白いように見える。という感じです。
つまり、そのイベントが面白いのではなく、その人が面白いんです。
私は、イベントとは参加者の状態変化を考え抜いて計算された企画と、当日におこる偶発的な何かが合わさることで面白いイベントになると考えています。
登壇者も、フワフワしたテーマや場を与えれてもうわべのことしか話せません。登壇者が一番味を出せるのは、その人が一番得意・好きな領域の話です。参加者もその話が聞きたいんです。
その得意・好きな領域を語りやすくするイベントの主軸とストーリー、そして場の雰囲気。それらが一体となって起きるその場限りの偶発的な出来事。
それがイベントの本質的な面白さではないでしょうか。
どうやって企画するのか
ここまで言って企画の方法を語るのは自らハードルを上げてる感がありますが、、、
私はイベントを企画するときは「旅行」だと思って考えます。
例えば、1泊2日で北海道に旅行に行こうと考えると、小樽も函館も札幌も旭川も回るのは難しいですよね。
なので、最も重要な目的をひとつ決めて、それを一番満喫できる場所とルートを選びます。
雪まつりをメインにするなら、札幌以外の地域は捨てて札幌でどう楽しむかを考えますよね。
すると札幌の良いところを調べたり考えたりします。
そして、札幌を堪能できるプランを練ると思います。
そして、実際に行った現地で出会った人や物事によって、最高の体験が作られていきますよね。
イベントも同じで、そのイベントの最も重要なテーマをひとつ決め、参加者に一番味わってもらえる方法を考えるんです。
例えば以前に企画した『HRテックバトル「人材採用 VS 外部人材活用 VS RPA」~次世代に勝ち残る企業組織とは~』では、人事の方々に様々な手法や考え方を提案し、自社の採用をより強化する気づきを持って帰ってほしいと考えました。
そこで、一見競合するサービスを提供する企業を3社集め、「バトル」という少し過激な謡い文句をつけ、実際どれがいいのか、と参加者にも頭をひねってもらおうと考えました。
そして最終的な着地は、フェーズによって使い分けたり組み合わせながら使う、という今まであまり考えられていなかった提案をする。それが私の想い描いたストーリーでした。
当日は登壇者もバトルを繰り広げながらも共存する可能性を提案し、結果的には大成功に終わりました。(モデレーターのPeatix藤田さんが上手すぎた)
ガイドの存在が大事
イベントはどんな形であれ、旗を振ってその場の流れを司る人が必要です。
先に例に挙げたHRテックバトルでは、モデレーターだった藤田さんが神がかりな場まわしをしたことで、皆が聞きたいことを知るだけでなく、更に踏み込んだ話も聞くことができました。
3つの異なる、ともすれば競合し合ってしまうサービスを並べた会で、話の流れを分断することなく、参加者が迷子になることもなく、それでいて気付きあるまとめ方をする。
こういう、場の流れをしっかりコントロールできる人がいるイベントは、登壇者も参加者も満足度が高いケースが多いです。
逆を言えば、流れをコントロールできない会は、着地が読めない為失敗に終わるケースも多々あります。
言い換えれば、流れをコントロールする人は旅先のガイドさんやガイドマップです。
最悪いなくてもなんとなくは味わえますが、最大限に楽しんでもらうためには、魅力を詰め込んだ冊子やウェブページを作ったり、ガイドさんの存在が重要です。
ちなみに、私はモデレーターの腕の見せ所は、あまり話が上手くない登壇者よりも、どんな話でも面白く話せる人が登壇する場合だと思っています。(自分ができるとは言っていない)
もちろん話が上手くない人とやりながら場を盛り上げるのは大変です。
これはこれでテクニックが必要です。
しかし、何を話してもうまい人とやる場合、どこが一番おいしいところなのか、参加者がどの話が聞けると最高の場になるのか。こういったことを状況を見ながら判断し、話の方向を決めていく必要があります。
その為に、著書や取材記事、ツイートやブログなど、あらゆるところから登壇者の考え方や発言を必死にかき集め、自分の中で人物像をクリアに作り上げ、一番おいしいところを探す。
そして、素知らぬ顔で、美味しいところを引き出していく。
そんなモデレーターに、ワタシモナリタイ。
少しでも、あなたの参考になれば幸いです。
ー ー ー
いつもコメントやスキを頂き本当にありがとうございます!
皆さんのコメントやスキが励みとなり、モチベーションとなっています。
これからも、共感できるな、参考になったなと感じて頂けましたら、スキやコメント、シェア、フォローを頂けるととても嬉しいです。
私も、スキ・コメント・フォローをして頂いたかたの投稿を読んでみたいので、ページを拝見させて頂きます。
ー ー ー
*Twitter
https://twitter.com/hiromu_1123
*プロフィール
https://docs.google.com/presentation/u/1/d/16YkaM7-13_tx9eHXSq_7U-zg2TOeU4p4/edit
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?