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70年代 各年で一番好きな洋ロックアルバム紹介

洋ロックという観点から見れば70年代に好きなアルバムが集中しています。

ディスコグラフィ全部網羅して毎日欠かさず聴いてるくらい大好きな洋ロックのアーティストはオアシスとビートルズで彼らのメインのフィールドはそれぞれ90年代、60年代なのですが「全部しっかり聴いてるわけじゃないけどこのアルバムは好きだなあ」くらいの距離感のアーティストは70年代が一番多いです。(もちろんその中には年代を跨いで活躍する方もいる)

というわけでそんな大好きな70年代の各年で一番好きなアルバムを紹介していきます。(正直別にどの年代も好きなので余力があればシリーズ化していきます。)

縛りとして同じアーティストは禁止にします。


1970年 「Plastic Ono Band」 -John Lennon & Plastic Ono Band

他候補
「Atom Heart Mother」 -Pink Floyd
「The Man Who Sold the World」-David Bowie


初めて聴いたとき、そのあまりのスケールの大きさに圧倒されてしまいました。ここまでエゴにまみれたアルバムを作り、それが「名盤」として受け入れられることが出来たのは、あとにも先にもジョンレノン以外に存在するのでしょうか。
歌詞の内容は告白と自戒、そしてヨーコ、母への愛。しかしそんなスケールの大きな歌詞を美しく、しかしジョンらしい変態的なコード進行、変拍子を織り交ぜたメロディに乗せ華麗に、感情的に歌い上げていて、流石だとしか言いようがありません。リンゴの寄り添うようなドラムも最高です。



1971年 「Led Zeppelin Ⅳ」-Led Zeppelin

他候補
「Sticky Fingers」-The Rolling Stones
「Electric Warrior」-T-Rex
「Master Of Reality」-Black Sabbath

逆張りは一切抜きでツェッペリンで一番好き。フィジカルグラフィティ、Ⅱもよく聴きますがこれは別格です。初め二曲の流れはロック史において一番レベルのアルバムの滑り出しと言えるのではないでしょうか。
「Stairway To Heaven」はもちろんですが一番好きなのは「Misty Mountain Hop」。特徴的なイントロと民謡的なメロディが最高です。
そして「When The Levee Breaks」のボーナムの力強いドラミング。このバンドが唯一無二の存在であることを表しています。



1972年 「Exile On Main Street」-The Rolling Stones

他候補
「Honky Château」-Elton John
「Music Of My Mind」-Stevie Wonder
「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders From Mars」
-David Bowie


ストーンズの所謂黄金期の四枚の中で一番好きなアルバム。「Beggars Banquet」で彼らが「自分たちにしか出来ない音楽」を確信し、それがより猥雑に、ルーズに、気だるくなった傑作。
一曲目の「Rocks Off」はストーンズの曲の中で一番好きな曲で、ブラスの合いの手がノレる最高の一曲。Cメロの"The sunshine bores the daylight out of me. Chasing shadows moonlight mystery"はマジで好きな歌詞です。
ストーンズにはこの方向性をもっと極めてほしかったですが、そういうわけにもいかないのが音楽業界の難しいところなんでしょうね。逆に言えばより貪欲に新しい音楽性を追求したからこそ、彼らはまだ現役バリバリに活躍してるということ。



1973年 「Band On The Run」-Wings

他候補 
「Larks' Tongues in Aspic」-King Crimson
「The Dark Side Of The Moon」-Pink Floyd
「Sabbath Bloody Sabbath」-Black Sabbath


ジョンになくてポールにないもの(というかジョンがありすぎている)の一つにセルフプロデュース力があると僕は確信していて、僕がビートルズのメンバーのソロで一番聴くのがジョンなのは「ジョンレノンにしか作れない世界を聴く」という他のメンバーのソロに対してはない明確な理由があるからです。
ポールの場合、「McCartony」「Ram」も好きなんですけど、やはりビートルズでやってたらもっといい曲になってたんだろうな・・・と思ってしまう。そう、恐らくこれこそがジョンが「God」で激白した元ビートルズであることの苦悩なのでしょう。ジョンはそれを見事に克服した。
しかしこの「Band On The Run」はビートルズの陰を一切感じない僕の考える限りは唯一のポールの作品であり、多くの人が最高傑作と言うのも納得。表題曲はもちろん、最初から最後まで名曲揃いですね。



1974年 「Red」-King Crimson

他候補 
「Queen Ⅱ」-Queen
「Burn」-Deep Purple
「The Lamb Lies Down On Broadway」-Genesis


はい、かっこいい。本当にただそれだけ。
どうやったらこんなにかっこいい音楽を作れるんだ?と聴くたびに惚れ惚れします。表題曲と「Starless」が有名ですし僕もこの2曲は大好きなのですが、案外「One More Red Nightmare」の少しポップな感じも好きだったり。
フリップのギターはもちろん神ですが、ジョンウェットンの声ももっと評価されるべき。静と動を上手く使い分ける最高のプログレシンガー。
かっこよさという点において本当に最強なんですよねキングクリムゾンは。
厨二病がこのバンドのせいで一生治らない。



1975年 「Wish You Were Here」-Pink Floyd

他候補
「A Night At The Opera」-Queen
「Physical Graffiti」-Led Zeppelin
「One Of These Night」-Eagles


昔はピンクフロイドと言えば「狂気」が一番好きだったんですけど、最近になって本作が追い上げてきました。
お前がここにいてくれたらな・・・としみじみ歌う表題曲。本当にたまらない。歳を重ねるほどよさがわかる一曲。シドバレットが彼らにとってどれだけ大きな存在だったのか伺えますし、実際シドが本格的に参加している最初で最後のアルバムであるファーストは大好きな名盤です。
「Shine On You Crazy Diamond」は壮大でギルモアのギターが覚醒してて、プログレ全体の長尺の曲の中でもかなり好きな曲。「Welcome To The Machine」「Have a Cigar」の取っつきやすい二曲ももちろん名曲です。



1976年 「A Day At The Race」-Queen

他候補
「Hotel California」-Eagles
「Black And Blue」-The Rolling Stones
「Rocks」-Aerosmith


1975年の「A Night At The Opera」も好きなので非常に悩みましたが、「Somebody To Love」「Good Old Fashioned Loverboy」が双璧を為すクイーンの大好きな曲ということでこっち。特に後者の「Good Old Fashioned Loverboy」は最近サッカリン氏がこちらの動画で詳しく解説していたのを見てこの曲のポップな雰囲気に隠れた異常性に気付き、さらに好き度が増しました。

一曲目の「Tie Your Mother Down」もブライアンのロック節がぐいぐい出てて好きですし、もちろん「Teo Torriatte」も日本人として好きにならざるを得ません。やっぱ日本人はクイーンが好き



1977年 「Heroes」-David Bowie

他候補
「Rumours」-Fleetwood Mac
「Aja」-Steely Dan
「Trans Europe Express」-Kraftwerk

ボウイは特に70年代のアルバムは全部好きなのですが、やはり最高傑作はこれ。どの曲も洗練されていて引き締まっていてほどよく緊張する。この緊張感の正体はなんなんだろうかと調べてみた結果、あのキングクリムゾンのロバートフリップが参加していることを知り、そのことを知ったうえで改めて聴くと、「いやなんで気づかなかったんだ?」と自分のクリムゾンフリークぶりに疑惑がかかるほどフリップ感全開で大活躍していて笑ってしまいました。そしてもちろんブライアンイーノの活躍も見逃せません。素晴らしいシンセサイザーです。
ボウイ、イーノ、フリップとアートロックの重鎮が集結し作られ、同ジャンルの最高傑作の一つとも言える本作ですが翌年の1978年にはセックスピストルズの登場を皮切りにパンクが席巻してロックは一旦解体され、また再構築されていきます。そう考えたら、本作は「アートロックのフィナーレ」とも言えるのではないでしょうか。



1978年 「The Man Machine」-Kraftwerk

他候補
「Some Girls」-The Rolling Stones
「Give 'Em Enough Rope」-The Clash
「Van Haren」-Van Haren


デヴィッドボウイ、レディオヘッド、ナインインチネイルズ、ダフトパンク、そしてYMOと後世に多大な影響を与えたクラフトワークですが、僕の彼らの好きな点はフローレンスの「僕らはバンドではなく、コンセプト」という言葉から分かるように自分たちの確かな世界観を確立している点。所謂テクノカットと呼ばれるキリっとした髪型、微動だにせず涼しい顔で演奏する様子はまさにロボット。
ロックというものの行く先が不明瞭になっていった70年代という時代に、彼らが現れた意味はリアルタイム世代ではない僕では想像も付かないほど大きかったはずです。それを窺い知れる一枚。
肝心の中身ですが、音数少ない故に洗練されているメロディと緊張感が心を掴みます。聴けば聴くほど好きになるポストパンクの傑作。



1979年 「Highway To Hell」-AC/DC

他候補 「The Wall」-Pink Floyd
「Unknown Pleasures」-Joy Division
「London Calling」-The Clash

清々しいくらい激しい曲しか入っていない彼らの代表作。ボンスコットはこのアルバムを最後に惜しくも亡くなってしまいます。
「俺たちはこういうバンドです」という自己紹介アルバムとしてここまで適したアルバムはないでしょう。AC/DCの入門としてはもちろん、洋ロックの入門としても申し分ない傑作です。
特に一曲目の表題曲から三曲目の「Walk All Over You」までの流れが大好きで、似てるようで違うバラエティ豊かなギターリフは聴いてて全く飽きません。本作から「For Those About To Rock」までの三作はまさに彼らの全盛期。誰も太刀打ちできません。




まとめ
ほぼ英ロックやんけ・・・と書いてみて笑ってしまいました。
個人的なイメージとして70年代は英ロック、80年代は米ロックが強いというものがあるのと、そもそも僕自身が英ロックのほうが肌に合ってる気がしているというのはあります。
とはいえやはり70年代はアートロックの全盛期からそれに嫌気が刺したパンク勢の台頭、両方の特性を吸収したニューウェーブの登場と、名盤揃いなのはもちろんストーリー性という点から見ても一番面白い。今回は紹介出来ませんでしたが僕は70年代のパンクバンドの中ではクラッシュが一番好きで、また別で紹介出来たらなと思います。

次は80年代か60年代ですね。どっちになるかは気分次第です。

では、よい音楽ライフを!

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