「ジョン・レノン 失われた週末」良かった点、残念だった点を挙げていく
ビートルズファン、とりわけジョン・レノンのファンはもう記事タイトルの映画を観た、とまではいかなくてもそういう映画があるんだ〜と小耳に挟んではいることでしょう。
かくいう僕も漏れなくビートルズのファン、さらにジョンのファンでございまして、今週末は今住んでる大阪から東京まで行ってレッチリのライブを観るついでにジョンが訪れたという喫茶店を幾つか巡る計画を立てています。本当に楽しみです。
というわけでその計画を遂行するまでにさらにジョンへの理解を深めたい、だからなんとかしてその目的にはうってつけとしか思えないこの映画を観たいと思い、なんとか時間を作って観た訳でございます。(大阪が思ったより上映館多くて助かった)
感想。結論を言いますと、
「絶対観ろまでは言わないけど観たら楽しめると思う」
といったところでしょうか。
非常に面白い内容ではありましたが、ビートルズファン自称するならそのファン度合いの深さに関係なく絶対観なさい!と声を上げて勧められる神ドキュメンタリー、「Get Back」ほどの魅力は無いです。
良かった点も多かったですが、うーん…となってしまった点もいくつかあります。
良かった点を紹介する前に、まずその残念だった、惜しかった点をいくつか挙げてみます。
ネタバレ注意ですが、予習をしてから観る、というのも全然ありだと思います。
残念ポイントその① 曲が全然流れない
これは大分残念でしたね。やはり権利が厳しいのか。ジョンのソロの代表曲がいくつか、それもほんの数秒流れただけで、ビートルズの曲は一曲も流れませんでした。うーん残念。曲は流れなくてもスクリーンで動く彼らが見られるだけでファンは幸せなんですけど(笑)
残念ポイントその②主役はジョンじゃない
前情報全く見ないで観に行ったので本当に序盤は困惑した。この映画の主役はメイ・パンです。誰?という方は…まあいないと思いますが簡単に言うとジョンとヨーコの秘書です。ヨーコから「どこの馬の骨か分からんやつと浮気されるよりは優秀な部下に浮気される方がマシだし、監視できるから一石二鳥や。お前ジョンと付き合えよ(要約)」と言われ、ジョンと同棲することになりました。
このメイと同棲していた18ヶ月のことを「失われた週末」と呼びます。
終始彼女の語りで映画は進行します。映画の題名「メイ・パン」とかに変えて欲しかった(笑)。シンプルに数字の問題でしょうね。
僕が見たかったのはそれこそGet Backのような、色んな貴重映像を繋ぎ合わせ、解説は字幕のみの余計な情報が一切ないドキュメンタリーだったんですよ。そしてこの「終始メイの視点で語られる」ことは次の残念ポイントその③に繋がります。
残念ポイントその③内容がメイ・パンのポジショントーク
先述の「オノ・ヨーコはジョンを監視するためにジョンとメイ・パンと付き合わせた」ということを初めて知った僕は「オノ・ヨーコやばすぎだろ」と絶句したものです。
だってメイにその気はなく、嫌々付き合われたものだと思っていたから。
メイは「失われた週末の被害者」だと思っていました。
ですが!
この映画で「いやメイもメイやんけ!w」と観ながら笑いそうになってしまいました。
メイとジョンは僕が思ってた以上にラブラブでした。
いくら経緯が経緯とはいえジョンとメイが不倫をしたのは事実です。そこに関しては絶対にメイにも非はあります。
にも関わらず、映画ではメイはヨーコを完全に悪者扱い。それはもう悪魔のように。
しかも元気にご健在の現在のヨーコ側の弁解を一切聞いていない。こんなんメイの言いたい放題じゃないですか。あまりその点に関しては観終わったあといい気分ではなかったです。これって普通にドキュメンタリーとしてどうなんだよって思います。
とにかくここで僕が言いたいのは
「ヨーコ側の弁解も聞いてみんと分からん」
ということ。その試みが一切されてなかったのはかなり残念です。
さっきの残念ポイント②とも繋がりますが、僕は「当時のジョン・レノンの映像、資料、記録」が観たかったのであって、「メイとヨーコどっちが悪か」ということを白黒はっきりさせたくてこの映画を観たわけではありません。
ここまでメイ側の視点に立たれた映像を見せられても反応に困ってしまいます。別にヨーコのことはヤバいとは思うけど嫌いじゃないし。
逆に考えて欲しいんですけど、こんな映画作られたら普通反論したくなりません?
それでも何も言わないヨーコの懐の深さ。そこにメイは気づいているのか?と言いたい。
そろそろ酷評してると勘違いされそうなので、残念ポイントはこのくらいにして良かった点を挙げていきます。
良かった点その①出来事の時系列が整理出来た
90分という時間をたっぷり使ってこの濃密な18ヶ月の出来事を時系列順に紹介してくれたのはジョンのファンとして非常に嬉しかったです。
Youtubeの転載で「見たことあるけどいつのものかは分からない映像」が時系列順に沢山出てきて、「あ、この出来事はあの出来事のあとだったんだな〜」って感じで整理出来ました。これだけでも見る価値はあります。
良かった点その②ジョンとポールが思ったよりちゃんと仲直りしてたことが分かった
いやーこれは本当に感動しました。まさかジャムまで行っていたとは。で、ポールがジョンに会いに行った理由が「ヨーコからの伝言を伝えるため」だったのは初めて知りました。多分初出情報なんじゃないかな?僕はポールはジョンに会いに行く理由が欲しかっただけだと睨んでいます。だとしたら人間味があって可愛いですよね。
良かった点その③なんだかんだメイは有能
残念だった点でメイのことを悪く言っていますが、お騒がせ夫婦のジョンとヨーコの秘書という当時なら誰もやりたがらなかっただろう役職をなんだかんだ彼女はよーやってたと思います。彼女が秘書じゃなかったらもっとめちゃくちゃになってたでしょう。
そんな彼女の一番の功績は、彼女曰くジョンとジュリアン(前妻シンシアとの長男)を出逢わせたこと。みんな揃ってディズニーランドに行くシーンはとても和やかな映像で良かったです。
ジョンが生きてたらヨーコ、メイ、ジョンの三人の関係はどうなっていたか気になります。もしかしたら三人でアルバムを作っていたかも?ポールやジョージ、リンゴも参加したりなんかして?なんて思いを馳せる度に、絶対に彼はあんなところで死ぬべき人間じゃなかったと悲しくなります。本当に無意味で酷い出来事です。
ラストは現代のジュリアンとメイが出会うシーンで終わります。感動的なシーンでした。
というわけで「ジョン・レノン 失われた週末」の感想でした。少しでも参考になればと思います。
総合的に見ればかなり見応えのある作品です。
見て損は無いと思います。
東京に向かう夜行バスで書いてます。スマホだと書きにくい。もう寝ます。
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