白い犬、東の都へ行く
数年振りに飛行機に乗ったら、一座席に一つスマホの充電ができるようになっていて、たまげたワン。
羽田空港から浜松町へのモノレールに、直通特急ができていて、たまげたツー。
いつから乗っていないのだろう。
スーツを着て東京の街を歩くと、パンプスのカツカツという音が行進曲のように聴こえて奮い立っていた頃があった。
そう、むかし、キャバリア・ウーマン。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。
かわいいですね。でも、お犬は立ち耳でマズル(口から鼻にかけての部位)がシュッと尖っているのが好き。オオカミ、日本犬。パピヨンもこっち。
もとい。
色んなものを脱ぎ捨てたから、noteにたどりつけたと思うわけです。
そうして素敵なnoterさんたちと交流させてもらうようになって。
わたくし白い犬、渋谷で三毛猫さんと待ち合わせ。
三毛猫さんは文章も絵もソーイングも歌も多彩な、ほっこり系。
でもただのほっこりと思うなよ。
こちらの、水野うたさん企画への参加作品を拝見したとき、ものすごい気づきがあって、そして救われました。
本当のわたし、演じていたわたし。
白い犬のわたし、鎧で身を固めヒールで地面を突き刺していたキャバリア・ウーマンのわたし。
あの頃、変身しないと働けないと思っていました。でも変身できなくなって働けなくなり。そこを抜けて、いまは変身しないで働くことができるとわかりました。
だから、変身していた、演じていたあれは、わたしじゃない。
そう思ってきたけれど。
ちがうよ、あれもわたしだったよ。
だからいま、このわたしがいるんだよ。
三毛猫さん作のブックカバー。お犬の位置どりが絶妙です。見てたの? お手紙は無くさないよう、いただいたもう一枚の絵の額の中にしまって棚に飾りました。
渋谷は、猫の国から割と近いから気をつけて。
ハチワレ猫さんからの通信には、たしかにそう書いてございました。
有名なラブレターシリーズ、あったかい系。
でもただあったかいと思うなよ。
文章も絵も突き抜けた独特の世界。猫の国シリーズも、ミフネさんシリーズも、現在連載中の「からふりぃ」も。世のあわい、というものが見え隠れして。「温ったかい」と「有ったかい」の狭間に何があるでしょう。
こちらのエッセイにもお出汁のような、何かをくぐり抜けて身についた成分。行間からたちのぼる湯気の向こう。
ハチワレ猫さんの奥様、桃色猫さんからいただいた手ぬぐい。あ、あのね、男性諸君よく聞きたまへ。ハチワレ猫さんもマスターも、奥様のことすごい大切にしているのね、それを隠さないのね。そして奥様は素敵だって堂々と書くのね。それってすごい好感度高いです。
タイトル画像はBar Bossa。
もとはといえば、noteを回遊していて、パピヨンのアイコンに吸い寄せられ林さんの記事を拝見するようになったのでした。パピヨン男子のなっちゃん。うちのパピヨン女子は先日11歳になりましたけれど、なっちゃんはもっと先輩です。
いまでは、朝はこれを読まないと始まりません。
読みたくなったでしょう?
ちなみに、夜はこれを読まないと終わりません。
今夜の最新作こちらです。
もとい。
照明を控えたお洒落なお店。
マスターは白いシャツに、黒のベストとズボンでピシっ。
人間の名前で予約していましたので、わたし実は白い犬なんですとご挨拶いたしましたところ。
流れでる名曲「moon river」。そのお心遣いに感激。
林さんのご著書「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる」にも、ヘンリー・マンシーニの話が出てきますね。
林さん達が「新しいお月見」の企画をなさったときに「三日月賞」を頂戴しました作品タイトルでもあります「moon river」(ちゃっかり)。ハチワレ猫さんと白い犬のユニット「ほのラジ」渾身の一作でございます。作品の最後に、ドビュッシーの「月の光」「moon river」「かごめかごめ」をミックスしたBGM入りの動画をつけました。アドリブで弾いたものを合成しましたので、もう二度と同じ演奏はできません。
<文:ほのラジ イラスト:ぼんやりRADIO ピアノ:穂音>
ワインもお料理もカクテルも大変に美味しくて、心地良い店内で、時間の経つのも忘れて語り合いましたことは、三毛猫さんが素敵にまとめてくださいました。注意されていたにもかかわらず、猫の国に行っていたらしいこともね。
そうそう、三毛猫さんたら、白い犬のことを褒めてくださるんですけど、美しくて花のようで妖精みたいって三毛猫さんのことですから! 10倍くらい!
ここまで誰も色んな経験をして、それを咀嚼してきたんだよね。
ハチワレ猫さんがのんぼりと、でも深くおっしゃいました。
ここでも色んな出逢いがあって、励まされて勇気が湧くよね。
三毛猫さんは優しく、でも強くおっしゃいました。
これからも色んなことがあって、好きなものが見えたらいいよね。
白い犬も言いました。
ご本にサインしていただきました。
「サインが入っていると売る時安くなっちゃいますよ」
お茶目なマスター。
売りませんわよ、棺桶まで持って行くんですから。
そうお応えしたとき、黒いズボンの向こう側で、パピヨンのふさふさしっぽが揺れた、ような、よく晴れた師走の夜更け。
三毛猫さん、ハチワレ猫さん、マスター、本当にありがとうございました。
是非、また、Bar Bossaで。
じゅんみはさんから始まり、わたし中継、ぼんラジさんのサビと、三つ合わせて「一個の完成されたメロディ(by ぼんやりRADIO)」になりました。
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