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85万匹の野良犬、何故タイから野良犬は消えないのか
こんばんは、今日もお疲れ様です!
突然ですが、、、皆さんは日本で野良犬を見たことがありますか?
私は人生で一度も日本で野良犬を見たことがありませんでしたが、
両親曰く幼少期は良く道で何匹もの野良犬を見て、
気づい時には一匹もいなくなっていたと聞きました。
タイに一度でも訪れた方はわかると思うのですが、現地には
うじゃうじゃと野良犬がいます。
日本出国前に、狂犬病の予防接種を受けた方も
多いのではないでしょうか、、、
私がタイに初めて訪れた時はありとあらゆる場所に野良犬がいて、
触ろうとしたら現地の方に怒られたのを、覚えています。
(狂犬病の犬もいるため絶対マネしないでください)
今回の記事では、野良犬がタイから消えない理由についてシェアさせて頂きます。
![](https://assets.st-note.com/img/1681459565454-2TTtpna1jC.jpg?width=1200)
2022年の調査によると、タイではなんと850万匹の犬が存在し、
そのうちの10%つまりは85万匹が野良犬だと言われています。
正直私は85万という数字が非現実的すぎて想像もできません、、、
また2014年に比べ野良犬の数が四倍にもなっているも調査もあります。
仏教と野良犬の密接な関係
タイといえば仏教国として有名で、なんと人口の95%が仏教を
信仰しているんです!(ピカピカなお寺がたくさんあるので
タイに訪れた際は是非観光をお勧めします)
何故仏教と野良犬が密接に関わっているの!?
って思った方も多いと思います
私も最初は想像もしていなかったのでびっくりしました。
タイの仏教には五戒の中では不殺生教えがあり、生き物を
殺すことを禁じられています。
タイの地獄思想が仏教に基づいていることは前回ご紹介しましたが、そのなかでも特に基本となる教えがあります。「五戒(ごかい)」というものです。
五戒とは、犯してはいけない5つの教えであり、①不殺生(ふせっしょう) ②不偸盗(ふちゅうとう) ③不邪淫(ふじゃいん) ④不妄語(ふもうご) ⑤不飲酒(ふおんじゅ)、です。簡単に言うと、①生き物を殺さない ②盗みをしない ③浮気をしない ④嘘を吐かない ⑤お酒を飲みすぎない、ということになります。
そのため殺処分という仕組みが存在せず、悪い言い方をしてしまうと
野良犬は完全放置されている状態です。
現状は動物保護団体が主になって去勢手術や里親の譲渡会などを
行っています。
また地方自治体と動物保護団体が共に「コミュニティドッグ」という
プロジェクトを設置し野良犬問題を減らすため取り組んでいます。
(プロジェクトの詳しい内容は次回の記事で紹介します~!)
しかし悲しいことに、今ある動物保護団体の数では去勢手術や
保護が間に合わず年々野良犬が増えています。
殺処分自体が無いことは素晴らしい事だと思いますが
仕組みがない事がかえって野良犬の繁殖を引き起こしている
とも考えられます。
日本もタイも仏教国であるにも関わらず、宗教を信仰してる割合が違うと
こういった動物愛護法にも影響してくることを知ったときは衝撃でした。
野良犬の繁殖
野良犬同士の繁殖は野良犬がタイから消えない
一番の理由だとも言えるでしょう。
仮にほとんどの野良犬を去勢手術を行ったとしても
少しでも野良犬が存在すれば、繁殖し続ける可能性は十分にあります。
そのため徹底的な去勢手術をすることが解決のカギになります。
また八年間で野良犬の数が四倍になってしまうという現状を考えると、
現状のまま放置すれば何十倍にもなって取り返しがつかなくなります。
そのため、多くの動物保護団体は野良犬を保護し去勢手術を行うことで
この問題にアプローチしています。
去勢手術後は新しい飼い主に譲渡したり、元の場所に戻したり(TNR)してタイの野良犬の数の減少に貢献しています。
TNRとは、Trap・Neuter・Return(トラップ・ニューター・リターン)を略した言葉で、捕獲器などで野良猫を 捕獲(Trap) し、 不妊・去勢手術(Neuter) を行い、 元の場所に戻す(Return) ことです。
タイの記事を見て知ったのですが、タイの犬は3グループに分かれていて、
1.地域犬
飼い主はいないが地域の人に世話を見てもらっている犬です。
地域の人と友好関係を築いているので、ご飯をもらったり、キレイにしてもらえることが多く公共の場によくいるため可愛がられています。
またこういった犬の多くはすでに去勢手術を受けていることが多いです。
2.飼い主がいない犬
飼い主もおらず、地域犬でもない犬です。しかし、中には特定の人に餌をもらっている犬もいるみたいです。
こういった犬は人に対し恐怖心や警戒心が強く捕まえることが困難なため
去勢手術が終わっていない犬も多数います。
3.野良犬
地域犬と比べ人間たちの生活に馴染むことができず、野良犬同士で群れて
暮らしている犬です。郊外に行けば行くほど気性が荒い野良犬が多く
時には追いかけてくることもあるそうです。
(都心に馴染めず、人間が郊外に追いやるみたいです。)
このようなグループが存在する事を踏まえると、まずはグループ2の飼い主がいない犬を中心に保護、去勢、譲渡していくことで野良犬自体の数は
国内からだいぶ減りそうですよね。
無責任な飼い主による不法投棄
無責任な飼い主による不法投棄も野良犬が減らない
もう一つの大きな要因です。
また日本同様、タイでも特にコロナ中はペットブームで
一時期的な感情でペットを飼う方も多く、金銭的や精神的に限界を感じ
飼育放棄や不法投棄が急増したそうです。
しかしここで日本と大きく違う点は、
日本はすぐ保健所に送還され飼い主が申し出なければ
殺処分されてしまうのに比べタイでは地域犬になったり
お寺で育てられることも多々あります。
私は地域の人々で動物を可愛がる事やむやみに命を奪わない
タイの人々の考え方が大好きです
ですが、最近僧侶が犬を邪険に扱えないのを
良いことにお寺に犬を捨てる飼い主が多く、
僧侶側も世話が追い付かない為とても困っているみたいです。
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野良犬によって引き起こされる問題
また野良犬が多く存在するにつれ、動物福祉の問題では収まらず
様々な問題を引き起こしています。
一番大きな問題といっても過言ではないのが狂犬病による人々の死亡です。
2018年のデータによると、年間タイで死亡した数は
18人に達したそうです。
狂犬病をもっている犬にかまれてしまったり傷口をなめられてしまった
場合は直ちに病院へ行かないと最終的には亡くなる可能性も大いにあるため、すぐに行くことを強く推奨されています。
またアンケート調査によると、アンケート回答者の76%が
野良犬は自分の家族や自分にとって危険だと回答しました。
野良犬は危険だという認識はあるものの、タイの人々は狂犬病の予防接種を受けてないことが多いため狂犬病の予防と治療について、国民に対し意識を向上するキャンペーンや教育をする必要性も見受けられます。
ここまで記事を見ていただきありがとうございました!
野良犬の増殖は社会問題となっており、様々な観点からの
アプローチが必要となるでしょう。
特に一番の課題は、数多くの野良犬を去勢したとしても、少しでも野良犬が存在する限り繁殖し続けるということです。
このような課題を解決するには、動物保護団体を増やすなど一時期的な
解決法ではなく、地域の人々との協力し野良犬を減少させる持続可能な
システムを構築することが必須だと感じました
次回はコミュニティドッグプロジェクトについて記事を書こうと思います!
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