「2年分の甲子園」と選手宣誓=センバツが開幕―高校野球 そして予想してみた
第93回選抜高校野球大会は19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で午前9時から開会式が行われて開幕した。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止されており、2年ぶりの開催。令和最初となる大会は、全国から選抜された32校が出場し、準々決勝翌日と準決勝翌日の休養日2日を含めた13日間の日程で実施する。
開会式は感染予防対策のために簡素化され、第1日に試合がある6校だけが参加した。中止となった昨年の第92回大会の行進曲で、引き続き選ばれた米津玄師さんが作詞作曲の「パプリカ」のメロディーに合わせて行進。この日参加する6校以外については、選手が行進するビデオ映像が大型ビジョンに流れた。
2011年の東日本大震災から10年たった被災地、宮城県代表の仙台育英の島貫丞主将が「これからの10年、私たちが新しい日本の力になれるように歩み続けます。2年分の甲子園。一投一打に多くの思いを込めてプレーすることを誓います」と選手宣誓した。
北海 10年ぶり13回目
仙台育英 2年連続14回目
柴田(宮城)初出場
健大高崎 2年連続5回目
常総学院 5年ぶり10回目
専大松戸 初出場
東海大甲府 5年ぶり6回目
東海大菅生 6年ぶり4回目
東海大相模 2年連続12回目
中京大中京 2年連続32回目
県立岐阜商業 2年連続30回目
敦賀気比 5年ぶり8回目
上田西 初出場
智辯学園 2年連続14回目
大阪桐蔭 2年連続12回目
市立和歌山 2年ぶり7回目
京都国際 初出場
神戸国際大付 4年ぶり5回目
天理 2年連続25回目
広島新庄 2年連続3回目
下関国際 3年ぶり2回目
明徳義塾 2年連続20回目
聖カタリナ学園 初出場
鳥取城北 2年連続3回目
大崎 初出場
福岡大大濠 4年ぶり5回目
明豊 3年連続5回目
宮崎商業 52年ぶり3回目
八戸西(21世紀枠)初出場
三島南(21世紀枠)初出場
東播磨(21世紀枠)初出場
具志川商業(21世紀枠)初出場
✍️高い総合力を誇る優勝候補筆頭:大阪桐蔭・智辯学園・仙台育英・東海大菅生
◆優勝候補の筆頭格は、大阪桐蔭だ。U15代表主将も務めた池田陵真主将のほか、最速150キロを誇る世代No.1 サウスポー松浦慶斗、最速154キロ右腕の関戸康介などドラフト候補がずらりと揃う。秋のチーム成績は、投打ともにトップクラスだ。
◆近畿大会王者・智辯学園は、初戦で大阪桐蔭と激突する。スター性溢れる左腕・西村王雅と右腕・小畠一心のダブルエースは安定感あり。高校通算32本塁打を誇る前川右京のほか、山下陽輔主将や三垣飛馬など好打者が揃い、攻撃は勢いに乗ると手がつけられない。
◆東海大菅生は、U15日本代表を経験した本田峻也と福原聖矢のバッテリーを中心に、1試合平均失点は1.3点(5位)と相手打線を最小失点に抑える。打率.389(2位)、平均得点11.6点(1位)、平均盗塁数6.6個(1位)と、機動力を絡めた攻撃力も極めて高い。
◆仙台育英は、防御率0.94(3位)、打率.370(5位)、平均得点9.1点(3位)と、投打でトップレベルの力を持つ。エース伊藤樹、古川翼、松田隆之介ら最速140キロ超えで安定感のある投手陣が揃うほか、東北大会の決勝・柴田戦で共に満塁弾を放った吉野蓮や秋山俊などの強打者も揃う。
✍️投手力・打撃力・組織力の高さで上位進出狙う:北海・健大高崎・県立岐阜商業・中京大中京・市立和歌山・天理・広島新庄・大崎
◆北海は、最速145キロ左腕・木村大成を中心に投手力の高さが自慢だ。チーム防御率は0.53を記録し、出場校1位。チーム成績は、打率.357(7位)、平均得点数9.1点(3位)、平均失策数0.4個(2位)と、打撃・守備もハイレベル。1年夏から4番を任される宮下朝陽主将にも注目だ。打率.559・3本塁打・17打点と、出場校の打者ではトップレベルの成績を持つ。
◆健大高崎は、圧倒的な破壊力を持つ打撃力が自慢。秋は合計15本塁打を記録し、2年生の合計通算本塁打数は230本を超える。盗塁は1試合平均3個(5位)と「機動破壊」も健在。出場選手で1位の打率.639を持つする櫻井歩夢や高校通算37本の小澤周平は、大会注目の強打者だ。投手陣は継投が基本で、打線が大量得点で援護する。
◆県立岐阜商業は、躍進を予感させる。過去、鍛治舎監督が「この代で日本一をとる」と語るなど、投打に力のある選手が揃う。左腕・野崎慎裕と右腕・松野匠馬のダブルエースが軸。高木翔斗は、主将・捕手・4番を任されるドラフト候補で、高校通算17本塁打を誇る。
◆中京大中京は、最速151キロ右腕の畔柳亨丞に熱い視線が送られる。秋は49回2/3を投げ、防御率0.72、奪三振60を記録。愛知大会では決勝で東邦を7-1、東海大会では海星・三重戦をともに7-0(7回コールド)で撃破。決勝・県立岐阜商戦は、最大6点差を逆転し、9回サヨナラで逆転優勝するなど粘り強さもある。
◆市立和歌山は、最速152キロを持つ世代No.1右腕の小園健太に注目だ。秋は、計11試合・68回1/3を投げ、奪三振80、与死四球13、失点8、防御率は0.79と、圧倒的な成績を残した。小園と中学1年からバッテリーを組み、中学3年時にともに全国制覇を果たした松川虎生捕手は、高校通算31本塁打のドラフト候補。また、最速146キロ右腕の米田天翼(1年)にも注目だ。ロースコアの接戦に持ち込み、上位進出を狙う。
◆天理は、ドラフト候補の長身右腕・達孝太に注目だ。秋は7試合52回を投げ、奪三振67、15失点、防御率2.60を記録。奈良大会では、近畿大会優勝校・智辯学園に勝利し、優勝。近畿大会では、準優勝校の大阪桐蔭に敗れたが、近畿大会の優勝/準優勝校に一勝一敗と力がある。メガネがトレードマークの瀬千皓は、大舞台に強い好打者だ。甲子園でもブレイクを予感させる。
◆広島新庄のダブルエースに注目。エースで4番の花田侑樹とU15日本代表の秋山恭平の継投が勝利の方程式。チーム防御率は1.37(7位)と抜群の安定感がある。広島大会ではセンバツ常連の市立呉、広陵を撃破。中国大会では、初戦以外は1点差の接戦をものにするなど、粘り強さもある。新チームは練習試合も含めて負けなしの39連勝中だ。
◆長崎の離島にある大崎高校は、旋風を予感させる。秋は、長崎大会・九州大会で優勝し、春夏初の甲子園出場を決めた。エース坂本安司は、8試合59回を投げて防御率1.53と抜群の安定感がある。2018年、存続の危機にあった野球部に清水監督が就任、時を同じくして入部した3年生とともに野球部を再生。この春卒業する3年生は、19年秋季長崎大会で優勝、20年夏の長崎独自大会でも優勝を果たしている。地域の支えと3年生への想いを力に、上位進出を狙う。
✍️大会屈指の好投手を擁し上位進出狙う:東海大相模、常総学院、神戸国際大付、明徳義塾、明豊、福岡大大濠
◆東海大相模は、高速テンポ投球で打者を翻弄する左腕・石田隼都を中心に投打で高い総合力を持つ。4番の柴田疾(2年)は、打率.471、本塁打4本(出場選手中=1位)、打点15(出場選手中=7位)を記録するなど、出場選手でトップクラスの成績を持つ。また、常総学院は、最速145キロの秋本璃空と最速146キロの大川慈英のダブルエースに安定感があり、打撃力も高い。
◆神戸国際大付属は、最速145キロ・高校通算20本塁打を誇る二刀流・阪上翔也の活躍が上位進出の鍵を握る。また、明徳義塾は、左腕エースの代木大和(2年)が大黒柱だ。秋7試合62回を投げ、奪三振54、与死四球12、失点4点、防御率.058を記録するなど、安定感は抜群だ。県大会では、森木大智を擁する高知高校と決勝・決勝再試合の2試合で完投し、失点はわずか1点と好投した。
◆明豊は、持ち前の強打に加えて、身長189センチの右腕・京本眞と、巨人の太田龍を兄に持つ左腕・太田虎次朗の継投リレーに安定感がある。また、九州大会・準優勝の福岡大大濠は、エース左腕・毛利海大に注目したい。秋の公式戦では、8試合49回を投げて、防御率1.47、奪三振63を記録するなど、九州地区屈指の好投手だ。
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