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組織の雰囲気を変えるのは容易ではない

組織の雰囲気や、(古い言い方になるのかもしれませんが)風土・風習は、組織形態が長くなればなるほどに、容易に変容を起こせるものではありません。

立ち上げたばかりで人数も少数なのであれば、行動変容をすることは比較的に容易なのかもしれませんが、それでも自分以外の人間がいることは「自分以外の人格・意志を持った存在」の同意を経た上で変容を促さなければならないため、決して容易ではありません。強制力を働かせるにも限度があります。

例として身近なところでいえば、会社内の業務連絡用デバイスをスマートフォンをiPhoneにするのか、Androidにするのかといったことでも、どちらかに偏って抱いている認識や意識を変革させようとするだなんて容易ではないのです。

それが大人数で、それなりに結果や成果を出せている、そして、何よりも事業を継続できてきているような組織や集団なのであれば尚更。慣例や慣行なんて言葉があるように、それまでの慣れ親しんできた「経緯」や「流れ」、読み方によっては文脈といえるものがあるため、規模が大きく膨れれば膨れるほどに動かすことに対しての難易度が高くなってしまいます

こんなこと、改めて書かなくても理解と把握されている人は多いような気がしますが、多くはないような気もしていて、その理由は結婚生活をしていると、どうしても「理解できない行動を変容させよう」という心持ちになってくる時があるため、なんですね。

どうしてこんなことをするのか

なんでそんな態度なのか

などといった、明らかに不毛な議論にしかならない上に、議論をしたところで確実に関係性の悪化しか見えない過程を経ようと試みてしまうことがあるのは、自分の思う通りにことや生活を運びたいというエゴイスティックな欲望があるからなのですが、これは明らかに他責思考なので、コトがうまく運べるようになるわけがありません。

強制的に行動を強いるような態度や姿勢、モノの伝え方をしたところで「従うこと」はできるものの「自発的な行動」へと変化するのかといえば、決してそうではないでしょう。

自発的な行動を取るためには、内発的な動機と、それを発見する機会に恵まれた人にだけ与えられる特権を取得できる必要があり、「それを発見・自覚するコトが、自分の人生にとって明らかに有益」だ、とあくまでも自然と沸き起こってくるものがなければ辿り着けないのです。

じゃー、内発的動機が湧いてくるようにするためにはどうしたらいいのか、ですが、最終的には「自分に責任を持つ」こと以外にないだろう、というのがぼくの正直な雑感です。

自分の行動と態度で示しつつ、自分が「求める(やってもらいたい)こと」と相手の「やりたいこと」や「できること」が存分に発揮できるような環境を作っていることを指し示すこと、主張すること。

アドラー心理学を扱った『嫌われる勇気』の中で解かれていることは、摩擦を避けるな、というある意味では強者のメンタリティの話をされているように感じるのですが、決してそうではありません。アドラーが解いているのは「自らが決定できない、行動できないことを他人のせいにするな」ということです。

他人を傷つけたくない。嫌われたくない。これを言ったら相手が悲しむ。相手は「偉い立場だから」いうことを聞かなければならない。という他責思考で自分の人生を放棄する考え方になってしまっていると、永遠に個人としては愚か、組織としても行動を始めることはもちろん、継続することなどできるようにはなりません。

どちらが上でどちらかが下といった具合に、上下関係をつくろうとしてしまえば、その瞬間から個人対個人でも、個人対組織でも、組織対組織でもうまく運べるようなこともうまく運べなくなります。

なぜなら、そこに「対等な関係」が成立していないから。

上下関係を築くことで(結果や成果につなげて)継続してきた集団・組織は、人を管理することしかできませんし、フラットな関係を構築するように努めてきた集団・組織は、自由意志が高くなりすぎると統制が取れなくなります。

どちらがいい悪いと言いたいわけではないのですが、それらの集まりに対して、それまでに培ってきたものを全て破棄してまで組織変革をさせようと試みた場合、ほぼ間違いなく「ついていけない」と意思だけでなく、姿勢や態度で示す人が出てくるでしょうし、そうならざるを得ません。

結局、じゃー、ぼくは何が言いたいのかというと、どんな組織だったとしても対等な関係を築けていないのであれば、雰囲気を変えるとか、醸成するとかって話をする前に、そもそも人格を保有している存在を対等に扱えるようにならないとですよね!なんて至極当然といえば当然の話です。

そのためには、ぼく自身も自分以外の人に対しての態度を見つめ直しつつ、丁寧に振る舞いたいと思う次第なのです。


こんなことをぶつくさ述べてます。


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