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新卒学生が考えさせられる「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」の是非について

 どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

 「ガクチカ」と聞くと、就活戦線で必死に活動をしている人たちは戦々恐々とするかもしれませんね。「もう考えるの嫌だよ…疲れたよ…」みたいに投げ打ちたくなる気持ちを抱きながら、なんとかこうとかエントリーシートを仕上げる毎日なのでしょう。同情します。

 でも、がんばってください。

 そんな学生に無理やり自分の学生生活を振り返り、絶望させるための語句である「ガクチカ」。

 以下の記事によると、日立は聞かないそうですよ。

 まぁ、日立ぐらいの大手だと黙ってても応募してくるでしょうし、書類選考で篩にかけるのも大変な中で、それなりに優秀だと思われる人たちの「ガクチカ」を聞いたとしても判断ができないからってことなのだろうとは思います。

 果たしてガクチカってのは必要なんでしょうかね。

 転職活動はしたことはあっても就職活動をしたこともないけれど、今では転職相談や就職活動の相談に乗ることもあれば企業の採用部分の支援をする立場として考えてみようと思います。

「ガクチカ」とは何か

 おそらく、多くの企業で面接時に質問したり、そもそもエントリーシート内に記載する項目があるから考えることを強制されるような状態になっているのが「ガクチカ」なわけですが、そもそもガクチカってなんでしょうか。

 一般的な説明をしようとすると、学業以外の活動について深く考察してもらうことで学生の人物像を知るための情報だと言えます。

 単に活動内容を聞くだけでは不十分で、活動で得た学びや気づき、その経験から得た自己認識、失敗の経験やその乗り越え方などを企業の事業活動との共通点を見出しながら理路整然と語ることができるかどうか。

 それらを統合的に踏まえて、事業や業務との関連性を見出せるかどうかを採用側として判断する材料とするわけです。

 一般的にはね。

 別に「学生時代に力を入れたこと」でなくてもいいんですよ。

 結局は自己探求ができるかどうかを問われているだけであって、普段の業務内で問題や課題は何かを特定し、そこに向けて挑戦したり、他者との関わりを持って成長をしていけるかどうかを見られているだけですから。

 特別な活動をしなければいけないのではなく、普段の生活や行動の中に見出せるのであれば、それでいいんですよ。

 そこが勘違いされて「何か特別な活動をしなければならない」と焦燥感に駆られてしまうことは本質的ではありません。注意しましょう。

自分の興味とか関心はどこにあるのかを探ること

 学生時代ってのは、自らの興味や関心に向けてバカ正直に向き合える期間じゃないですか。

 おじさんになってみるとわかるんですよ。

 青い春は特別なんだと。

 スポーツに文化的な活動、ボランティアもやればいいし、アルバイトだって存分にすべきでしょう。金銭的に余裕がある人は海外に行くって経験をすることもいいでしょうよ。

 大事なのは、それらを漫然と消費するのではなく、自分という人間を吟味するための材料とすること

 活動を通じて、できる自分やできない自分、長所や短所、価値観、他者との関わり方の得手不得手など、いろいろな自分を見出すことができるでしょうから、それに向き合う。

 できることばかりじゃないから、失敗もするし、悔しい思いだってすることでしょうよ。それらの経験を踏まえて、自分って人間について深く考察すること。

 採用する側である企業が、どうしてそんなことを聞いてくるのか。

 採用で失敗したくないからですよ。

 人を一人採用するのにお金かかるんですよね。新卒だなんて言えば、即戦力じゃなくて潜在的に活躍してくれることを見越して採用内定を出すわけで、ある意味では博打です。

 博打に成功する可能性を少しでも高めていきたいから、いろんなことを聞いて、調べるためにお金を出すわけです。

 そこで何にも考えていない人間が採用試験の面接会場に現れたら困るんですよ。誰でもいいから採用したいのではなく、会社の事業を任せられる、会社を存続してくれるような存在を採用したいんです。

企業の採用基準と合致する価値観があるのか

 いくらガクチカで偉そうなことを書いたから、面接で話したからといっても、会社の中で仕事ができなければ困るし、文章が上手な人で終わってしまうことは双方にとって悲しいことです。

 先ほども書きましたが、企業からすると自社の理念や価値観に共感し、自社で活躍できるっぽい人像に合致する学生を採用することが重要な目標となります。

 学生が、その基準を理解し、そこに合わせてくるような態度は一見すると「良さそう」に見えますが、本質的にはそこで内定を出すべきでもないし、内定を受託すべきでもありません。

 新卒の学生に即戦力として期待することはありません。

 もし、期待している企業があるのだとしたら、それはよほど人材がいない企業なのでしょう。

 じゃー、新卒の学生に期待することは何か。

 その学生が自身の個性や価値観を理解し、それが企業側の求める人物像とマッチングできるかどうか。要は、自分の軸を持ちながら企業からの要請に応えられる人材であるかどうか

 だから、ガクチカで何かしらのアクティビティを羅列するような愚行を犯すことがないよう、また、そうやって勘違いして何でもかんでも手を出す人が減ることを祈念し、文章を終わりにしたいと思います。

おわりに

 うん、まぁ、こんなところでやめておきます。

 本当に学生時代にしかできないことがあるのか。学生の目線で「学生時代にしかできないこと」と「大人から見た学生時代にしかできないこと」には差異があります。

 この差異に気づくことができれば、きっといい考察ができそうなものなので、ぜひ、新卒学生のみなさんにはその点を考えてもらえればと思います。

 ではでは。

 ゑんどう(@ryosuke_endo)


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ゑんどう ≒ 遠藤 涼介
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