#スポーツの未来に僕たちができること 第三弾について(チーム編)
以前の記事では、街からみたスポーツへの期待することについて、書いてみました。
内容としては、街には目指すべき未来像があって、それをどうやって実現していくのか、ということに対しては多くの軸があり、どの軸を使って達成に向けて動いていくのか、ということを個人的な主観の元に。
今回はチームが「地域(街)に対して期待していること」や、前回書いた「街からの期待に応えられる部分」について考えてみたいと思います。
※ない頭で考えながら書くので、修正箇所等あれば言ってくださいね。
事業規模は大きくないスポーツチーム
まず、チームが街に対して抱く期待として重要なのが、活動するホームタウンとして活動できるような「場所の提供」です。ただ、場所を貸せばいいというのではないのですが、その説明は追い追いと。
日本のスポーツチームは押し並べてプロクラブといえども、事業規模は中小企業クラス。何百、何千億ものお金を動かせるスポーツチームは日本の中には存在しません。
Jリーグでもっとも多くの金額を動かす浦和レッズでさえ、100億円に届かない数字な訳で、少なくともJクラブの中では100億円を超えるような事業規模を持っているクラブは存在しないということです。
あ、ちなみに、カルビーのじゃがりこは350億を売り上げていますので、浦和レッズが5チーム買える分ぐらい売り上げてます。下の記事は2015年の記事ですが、現在の決算資料を見ても数字は変わりません。すごい。
これが意味するところは、何でもかんでも好き勝手にできるレベルの金額を保有していない、もしくは、好き勝手にできるレベルの金額を保有しているチームなど皆無である、ということです。
それはどの組織を探しても同様のことが言えるでしょう。
前回の記事では、街としての利用する軸をいくつ持つのか、持てるのか。そして、それをどう利用すべきなのか、ということを書きました。
東京のような大都市だとしても、ないものはたくさんあるはずで、他の都市を比較して明らかに大きいのは人の数である、ということも合わせて記載したように、人の数が多いのが特徴といえば特徴です。
それなだけに、企業の数も、数に伴って質も高くなっていきますので、行政体として抱える資金が多くなるのは当然といえば当然ともいえます。
だからと言って、際限なくお金を使えるわけではありませんし、そこは選択をして注力する部分を明確にしているのは間違いありません。
どんな規模の組織だろうと、際限のない活動はできるわけがないし、そこに付随する資金が無限供給されるなどということはありえません。それはスポーツチームであっても、全く同じことが言えるわけです。
地域や街の文脈上にスポーツがあるのか
スポーツの場合、地域を区切ることによって、それぞれのチーム・クラブが共存できるぐらいのちょうど良い距離感が生まれ、血みどろの争いになる、つまり、商圏の奪い合いになることを避けることに繋げています。
このことによって、該当地域の人たちにとっての代表という枠組みを確保することに繋がりますし、「地域の人たちの代表として」という方向性が決まることで、努力の方向性も決めることにも繋がります。
地域の人たちが応援したくなるようなチームになるためには、その街に「馴染んでいる」ことが必要条件であり、それを満たすことができなければ受け入れられる必要がありません。
そういう観点で考えてみると、スポーツチームが街に期待することとして考えられることはその街にスポーツチームが存在しても良い雰囲気があるかどうか、というところになります。
スポーツは感情を目一杯振り回してくれて、非日常へと誘ってくれるという特徴がありますが、その特徴を生み出すうえで大切になるのがストーリー。言い方を変えれば文脈ともいえます。
突発的ではなく、人々の思いを乗せた未来列車的な存在であるからこそ、そこに関わろうとする人たちが出てくるのであり、共感が生まれやすくなります。
しかし、資本的に大きな力を持ってオーナーシップを握る人が突発的に生まれたとしても、受け入れられるだけの土壌・雰囲気があるのかどうかが重要であり、それがなければ街自体が受け入れてくれません。
スポーツは感情を乗せて走る未来列車だからこそ、そこに人々の思いが乗れないのであれば、乗車客のいない荷物の運送列車と変わりませんから、そこに価値などあるわけがありません。
スポーツチームというのはその存在自体がそもそもストーリー性の塊なので、ある意味では諸刃の剣ではあるものの、街とチームの関係という歯車がガッチリとハマった時には大きな熱を生み出すことができます。
ただ、そのための大きな大きな前提条件として、文脈としてスポーツチームが存在する雰囲気があるのか、というのはチームにとって当たり前ながら重要な事柄となります。
街の期待に応える
逆に、スポーツチームが街からの期待に応えられるのかどうか、という点はどうでしょう。
例えば、Jリーグのクラブというのは2018年現在は54クラブ、プロ野球の球団数は12、B.LEAGUEは36クラブです。
いわゆるプロスポーツリーグとして数えるだけでも、100に満たしませんし、日本の区市町村数は1,741ですので、十分の一にもなりません。
ここから言えるのは、すべての区市町村でスポーツチームが持てるわけではなく、ある程度の人口があり、施設を保持でき、それなりに交通インフラが整備されている街に限定される、となります。
それぞれに商圏を保持できる状態をつくりだすことができる、と書きましたが、それはある一定以上の条件、つまり、上で書いているような最低限度の状態を保持しているような区市町村に限定されることに注意が必要です。
ただ、その条件を満たすことができれば、周辺地域を巻き込む必要はありますが、それをクリアできれば、10万単位、下手したら100万単位での見込み客の誕生と、いざなります。
それが現実的かどうか、というのは十分に可能性がある、というのが僕の考えです。
福岡ソフトバンクホークスはソフトバンクドームに通年で90%以上の集客動員率を誇るわけですが、ソフトバンクドームの収容キャパシティは38,585となっていますので、その90%は34,726。
つまり、年間で70日以上を、約35,000人もの人が動いてるわけです。固定的なお客さん(年間シートのお客さん)はいらっしゃるとは思いますが、それだけで席が埋まるわけではありません。
フラッと見る流動的な人だっているわけです。それらを含めて考ても、延べ人数は単純計算しただけで200万人以上となります。すごいですよね。
ここまで人を動かす力がスポーツにはあるのだということを認識することができます。また、それだけ実際に動く人がいるのであれば、その情報を取得する層、つまりリーチする層はさらに多いことが予想できます。
何がいいたいのかというと、広告塔としてのスポーツ利用が非常に期待値を高くすることができるということです。
多くのプロチームでは「地域名+チーム名」がセットになっていますが、これ割と大きなポイントです。
スポーツはその事業規模に似合わない露出の機会が多く、多くの話題を提供することができるニュースソース(出どころや源泉、など)なので、街としては何も動かずとも地域名を読んでもらえる機会に恵まれます。
ただ、それだけではさすがに価値があるようでないのと一緒ですから、そこから先をスポーツが何を提供できるのか、というところが肝心なわけですね。
広告以上の価値をスポーツが街に対して提供できるのかがスポーツが街(地域)に対して提供できる大切な芯の部分になる、と僕は考えているところです。
当日は、その辺りを聞いてみたいですね〜!
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