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就職内定の「オヤカク」は親の過度な介入なのか

どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

オヤカク、企業が内定を出した学生の親に対して入社の意向を確認する事をいいますが、これを浮く得た親が半数を超えたと紹介しつつ、企業だけでなく大学でも親向けの説明会を開くなどするようになっているそうです。

この話題は以前にも触れていて、そうやって親への確認という採用プロセスが増えることは、=企業にとってはコストが増大することであり、ひいては製品やサービスの金額に当てられることになることを踏まえると「オヤカクをすることの意義とは…」なんて思うばかりです。

いずれにしても、社会現象として「すでに常態化しつつある」といえるので、否定をしたところで仕方ありません。定着していることには何かしらの理由があるわけで、それってなんだろうって考えてみることにします。

オヤカクの実態

上記、時事通信の記事でも触れている通り、マイナビの調査によると50%以上の親が企業から「内定確認の連絡」を受けたとしており、2018年度の17.7%から5年間で大きく伸長しています。

・内定学生の親の52.4%が企業から「内定確認の連絡」を受けた
・18年度の17.7%から大幅に増加

2023年度就職活動に対する保護者の意識調査(マイナビ)

内定先の意思決定で「父親・母親」の意見を聞いた学生が61.9%で最多

2024年卒内定者意識調査(マイナビ)

企業側からしてみると、「親にまで確認することで内定辞退を防げるのであれば…」といった苦肉の策なのかもしれません。また、内定辞退の理由に「親から反対されて」などが上位項目として上がってきていた可能性もあります。

なぜ、そういった自体に陥っているのか。

おそらく少子化による人材獲得競争の激化なのでしょう。

優秀な人材を確保するために、企業は学生だけでなく親の理解も得ようと努めることは、新卒を対象とした採用活動においては当然のプロセスとなっており、オヤカクを通じて親の不安を取り除くことが内定辞退の防止につながると確信を得ているからこそのオヤカクなのだと言えます。

また、一人っ子が増加していることも親の就活関与を後押ししてるんでしょうね。

出生動向基本調査によると、一人っ子の割合は30年前の2倍に増え、全体の2割を占めるまでになっています。

子どもが一人しかいないのであれば、そこに意識と財力を全力で注入することができますし、できてしまいます。そうすれば、子どもの幸福を願う親としては進路にまで意識が引っ張られてしまうのも仕方がないのかもしれません。

親側の視点でオヤカクを捉えてみる

我が子の就職というか、あらゆる進路に関わりたい親の気持ちは理解できます。

我が家にも三名の子どもたちがおり、三者三様ではあるものの、彼らがどんな進路を選ぶのか、どんな人生を歩んでいくのかは非常に気になるところです。

彼らの将来を案じ、できる限りのサポートをしたいという親心は自然なものといえるでしょう。

ただ、冒頭で紹介した記事の中に大学の就職説明会に多くの親が詰めかける様子が紹介されており、参加した親から「就活情報を入手できるのはありがたい」「娘と積極的に会話して一緒に考えていきたい」といった声を記載していました。

いくら親とはいえ、子どもの就職活動に関する情報を入手してどうするのか、なんて気持ちが芽生えなくもありません。

子どもがかわいいのは同調できますし、彼らには幸福だったと思える最後を迎えてほしいとは思うものの、人生に親がどこまで責任を背負えるのかというと、成人以降はいうても大した影響を及ぼすことはできないでしょう。

そうやって行き過ぎた関与をすることは子どもとの関係が歪になっていくような気がしてなりません。

安易に大企業志向を勧めたり、知識不足から不適切な助言をしてしまうケースもあると記事で紹介されていましたが、親だからといって万能感をもって彼らに接することは絶対的に避けるべきで、それができないのなら口を挟まないようにする「大人な態度」を身につけるべきではないでしょうか。

子どもの自立とは

オヤカクが急速に広がっている自体を見ると、若者の自立を考える上で示唆に富む現象だなぁ…と、つい興味が湧いてきます。

過去に成人間近な学生たちを相手に教育業界で働いていた時期を振り返ると、アルバイトや実習等で社会を知る機会が増えている今の学生にとって、自分の意思で就職先を決めることは成長における必須プロセスです。

過度な親の関与は、かえってそのプロセスを阻害しかねないと断言できます。

あくまでも人生の主体は本人であり、その本人がどういう道であろうと決めたのであれば尊重すればいいんじゃないでしょうか。

もちろん、おかしな道に進もうとしているのであれば止めたり、助言を送ることはできるでしょうが、突き進もうとする子どもを止めるのは難しいもの。

どこまでがサポートでどこまでが干渉なのかは、それこそ子どもとの関係に由来するものです。

結局のところ、親が期待するのは本人が自分の人生を主体的に考え、判断する力を育くんでいくことでしょう。その環境が必要なことは理解できるのですが、彼らは彼らでそういう場所を見つけ、成長できそうな気がしたら勝手に邁進していくことでしょう。

過保護に陥ることなく、しかし無関心に陥ることもなく。

そんな態度でいることがいいんじゃないのかなぁ。ちがうのかなぁ。

おわりに

仮に、いま一緒に暮らしている子どもたちが内定を獲得した場合にオヤカクが来たとしたら、どうしたらいいのか悩みます。

「こんなものは不要です」とか書きつつ返したらいいのか、何も言わずに「許諾」したらいいのか。

正直、無駄なことやってんなぁ…とか思うのですが、そうやって無駄を無駄だと思わない時間を大事にしてきたから、いまの経済状況なんでしょうね。

ではでは。

ゑんどう(@ryosuke_endo)


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