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子どもの不登校のきっかけとなる不調が「気象病」の可能性

どうも、ゑんどうです。

気圧が急激に下がると頭痛がするといった具合に天候に体調が左右される体験をしている人は一定数はいるんじゃないですかね

ぼく自身、いまでは(なぜか)回数が減ったものの、ひどい頭痛を患うこともありました。自分に症状が現れるまで「気のせいだろう」とたかを括っていたので、当時のぼくを踏んづけてやりたい気分です。

病って、大人だからとか子どもだからって理由で罹患の有無ってないじゃないですか。子ども特有の疾病はあるかもしれないだろうし、年齢と体格によって症状には違いが出るでしょうが、基本的には個体差の話になります。

だから気圧の急激な変化に対して大人が症状を発するんだから子どもだってツラい子がいるんじゃないかって思うのは経験者としては存分に理解できるところなわけですが、それが原因で不登校になるってのも存分に考えられるものです。

と、いうのも我が家の長男くんがそれなのではないかって話なのです。彼はフリーランス小学生(不登校)でノマド的な生活を送っているのですが、冬の入り口から急激に表情が曇りがちになり、起床もできなくなってくるってことがありまして。

彼が通っている小学校でも、時期的に学校に通いづらくなる児童が多くなるってのも聞いていて、あるのかもなぁ…とか漠然と思っていたのですが、どうやら学術的にも証明されているっぽいことがわかったので、情報共有をかねて書いていきます。

■ 気象の影響を受けるものを総称して「気象病」と呼ぶ

気象変化による痛みや不調を研究する学問は環境生理学(環境が変化した際に起こる生体に備わった生理機能を理解する学問)と呼ばれ、気象要素から悪影響を受けるものを「気象病」と呼ぶそうです。

引用) 佐藤純 - 脊髄外科, 2015

この気象病に関して日本初の気象外来・天気痛外来を開設されているのが、佐藤 純さん(@tall_jun)ってドクターが第一人者らしいので、彼の出している論文等を読んでいくと、こんなアンケート調査が紹介されていました。

愛知県 O 市の住民を対象にしたアンケート調査(20 歳以上,回答数 2,628 名)に よれば,3ヵ月以上続く慢性の痛みをもつ人が約 39.3%存在したが,その約 25%が「天気が悪いとき,崩れるときに痛みが悪化する」と答えている1).

出典) 佐藤純 - 日本頭痛学会誌, 2022

また,約 47%が「低温で痛みが悪化する」と答えている.ウェザーニューズ社(W 社)とロート製薬が行った「天気痛調査 2020」(回答者数 16,482人)2)によれば,“天気痛をもっていますか?”という質問に対し,女性の 43%が“ある”,35%が“もっている気がする”と答えている.男性の場合も,それぞれ 20%と 27%であった.以上のように,気象の影響を受ける慢性痛をもっている人の割合はかなり高い可能性がある

出典) 佐藤純 - 日本頭痛学会誌, 2022

さすがに論文だと敷居が高いでしょうが、読売新聞の医療健康介護に関する情報を提供するヨミドクターでも連載を持たれている他、著書に『1万人を治療した天気痛ドクターが教える 「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』や『天気痛~つらい痛み・不安の原因と治療方法~ (光文社新書)』などがありますので、興味がある方は読んでみてください。

ちなみにロート製薬も1.6万人を対象にした調査を行なってたりします。

■ 悪天候による痛みの悪化や寒暖差による不調は「天気痛」

「気象変化による症状や痛みなんてものは証明のしようがないんじゃないの」って指摘はもっともだと思います。ぼくだってそう考えてましたから。

ただ、実際に症状として発露させてしまった経験からすると、冗談でもなんでもないんですよね。

悪天候の際に痛みや不調が発現することを「天気痛」と呼ぶらしいのですが、上の佐藤純さんはその原因についてラットを用いた研究と臨床研究から『内耳が影響してる』ってところまで当たりをつけたそう。

出典) 『気象変化による慢性痛悪化のメカニズム』佐藤純 - 日本生気象学会雑誌, 2003

要は、気圧を感じる仕組みが内耳にあって、天気痛を発症する患者は内耳が敏感になっているから、予測して予防することが可能なんだよと。

実際に臨床の現場で患者に向き合い続ける一方で、欧州では提供されている天気痛予報をウェザーニューズ社とともに開発しており、実際に公開されています。

我が家の長男くんも内耳が敏感だから冬の時期、特に秋から冬への天気がガラッと一変するような時期は苦手なのかもしれません。

これは医師の診療ともとに診断を受けたわけでもありませんから、各種情報と照らし合わせてみると、どうやらそうみたいだって程度のことなので、決めつけるわけではありませんよ。

それでも、こうやって情報を手にすることができただけでも我が家にとっては十分に価値があって、当人は苦しんでいるのに周りの家族は要因すらつかめなかったわけです。そこにこういった情報が入ってくるだけでも存分に救いになり、対策が講じられます。

いかに情報が大切なのかを身にしみる次第です

■ 決めつけず医師の診療を

とはいえ、ここに記載してあることは論文等を参照しているものの、それらを踏まえたぼくの意見でしかありませんし、ぼくは自分自身が気象病や天気痛を実体験として得ていたからこそ納得感のある情報だと理解しています。

仮に、まったく天気痛の体験がなく、急に子どもが天気による不調を訴えたり症状が出てるのを目の当たりにした人は「怠けてんじゃねえ!」みたいな反応になることも否定しません。

否定はしませんが、可能性として頭の片隅に入れておくだけでも対応や言動が変わってくるだろうとは思うのです。

毎年、この時期になると長男くんの表情は春や夏の頃に浮かべるそれとは大きく異なります。行きしぶりや不登校がはじまったのも冬の入り口でした。また前日から急激に気温が下がったり、天候が大きく変容するような日は頭痛を訴えて寝ていたりします。

不登校になることは、これだけが原因ではないでしょう。そんなことはわかっていますが、彼をはじめとした不登校になってしまった子の要因が理解され、彼ら彼女らの心持ちが少しでも安寧になることを期待するばかりです。
もちろん、各種医療機関を受診のうえ、医師の診断を仰ぐ必要はあろうかと思いますので、その点はご理解ください。

おわりに

気象病とか天気痛って冗談みたいに思えるものの、それを一笑に付すことは立ち止まりたいものです。

体験をしたことがないことや理解ができないことを精神論や経験則で片付けたり、押し込んだりすることは簡単ですが、大人として非常に情けない態度だということもできます。

目の前に現象があるのなら、その原因と理由を探って対策を講じるところまで付き添えるのが子どもって存在に対する大人の果たすべき役割だろうと、ぼくは考えているから。

冗談みたいなことだったとしても、一度真剣に向き合ってみると案外、ステキな情報に出会えるかもしれませんよね。

ではでは。

ゑんどう(@ryosuke_endo


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