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【イベントレポート】デザインのやり方~DODO DESIGN 堂々穣氏 舩田綾香氏トークショー

大胆なアイデアとユーモア溢れるクリエイティブで数々の広告を手掛けるDODO DESIGN。去る2017年8月18日(金)、同社の代表取締役社長 堂々穣氏と、入社2年目のデザイナー舩田彩加氏によるトークショーが開催されました。デザイナー志望の学生が集まる中、新アド事務局の太田をモデレーターに繰り広げられた、熱いデザイン談義。その様子をダイジェストでお届けします!

第1部 わかりにくいことをわかりやすく伝えるデザインとは


堂々氏、新アド太田の自己紹介から始まったこのイベント。「今日は、皆さんが抱えるデザインの疑問や広告業界に対して感じていることなどをいろいろとぶつけてください」という堂々氏の言葉とともに、まずは参加者同士のアイスブレイクを行いました。まずは隣同士2人1組みになって、自己紹介。皆さん一瞬戸惑った様子もうかがえましたが、やはり同じ領域に興味を抱く者同士、すぐに打ち解け合って楽しそうにお互いの話に耳を傾けていました。

アイスブレイク後は、さっそく今回のイベントテーマ「わかりにくいことをわかりやすく伝えるデザイン」の話へ。

「まず、美大出身でないとデザイナーになれない、っていうことはないですよね?」という太田の質問に対し、「もちろん、そんなことはない」という堂々氏。ただし、デザインは、できるようになるまですごく時間がかかる、とも言います。

「デザイナーとして一人前にデザインをつくれるようになるには10年はかかります。アートワークは思考だけでは形にならないから、やはりデッサンのスキルは必要だと思っています。そうであれば、できるだけ早いうちから取り組んでいた方が良いと思う。なんだかんだ言ってデッサン力がベースになっていると思っていますよ。もしかしたら『堂々さんそれ古いよ』という意見もあるかもしれませんが。」

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「デザインの基本的なことだと思いますが、1つの情報を店頭においたときに買ってもらえるようにするということは、いろんな情報を一つのパッケージに納めないといけない。でも世の中のほとんどの人は、デザインのことをそんなに気にしていません。だからこそ、“簡単”にする必要があるんです。」

と堂々氏は言います。

デザインにおいて大切なのは3つ。
・ゴールをイメージする
・似た要素はまとめる(情報をシンプルに)
・伝えることは1つにする

そのフローとして
情報を集める
最小に集約する
アイデアを拡げる
方向性を整理する
大量にデザインする
良いデザインを選ぶ

の順で取り組むのだそうです。今回は、このフローをこれまでの事例紹介ともに見せていただきました。たくさんのアイデア出し、ラフ、デザインに落とし込んだカンプ(クライアントに提出する形に整えられたもの)、クライアントとのやり取りの中でブラッシュアップされていく様子、そして成果物(完成した広告)までの一連の流れです。

「まず、とにかくアイデアをいっぱい出し合います。どんな仕事もそうですが、大量にアイデアを作ることができれば、あとはその中で良いものを選ぶ力があればいいんです。」

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JR東日本が駅のスペースを利用してつくった地産品の店「のもの」。
ロゴの開発からポスター、店内のデザインまで
すべてDODO DESIGNが担当。


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「のもの」で販売しているおやつのパッケージもDODO DESIGNが担当。
旅気分を想起させるもの、地域の情報を入れたいなどの
オーダーから導き出されたデザイン


本来、こうしたデザインの過程を見る機会はめったにありません。世の中に出ている広告だけを見ても、アイデアの作られ方まではわからないので、皆さん本当に真剣に聞き入っていました。

「いつも『悩む→決める』の繰り返し。諦めないで続けることが良いのだと思います。」

25年間デザインの仕事を続け、人の心を動かすクリエイティブを生み出し続ける堂々氏の言葉には、ずっしりとした重みが。皆さんも深くうなずいていました。


最初から「デザイナー」ではなく「アートディレクター」の意識を

続いては、社内の教育制度について。通常デザイン会社では入社してから日の浅い社員はデザイナーのアシスタントとして業務に就くことが多いのですが、DODO DESIGNでは入社したらすぐに、デザインはもちろん、アートディレクターとしてのスキルも磨きはじめるのだそうです。だから、仕事の幅も広い。デザインはもちろん、ロケ場所の下見、モデルの手配、クライアントとのやりとりなど、全て1人のデザイナーが担います。

「僕は、社員全員に、自分が個人で仕事を受けられるようなデザイナーになってほしいと思っています。大きな会社では、分業で行うことが多いのですが、弊社ではロケハンも撮影の香盤表づくりも、何から何まで全て自分でやってもらうんです。」

なんと、コピーライターがいない案件の場合は、ネーミングだって考えることもあるそうで、『のもの』はDODO DESIGNのアイデアなんだとか。

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さらに堂々氏は続けます。

「これからのデザイン界をつくっていくのは20代の人たち。できるだけ強いADになってもらいたいから、早いうちから実践でやってもらうんです。デザインが難航するときは、週末に時間をかけて私と一緒に取り組んだりもします。どんな人でも真面目さえやっていれば、必ず上達しますから。」


最初のうちは苦しいこともたくさんあるそうですが、それでも「諦めずに真面目にコツコツ続ければ必ず上達する」と言い切る堂々氏。社員に対する思いと、教育に対する熱意が強く伝わってきました。


参加学生からの質問タイム

ここからは参加者からの質問タイム。さまざまな質問が飛び交いました。今回はその中のいくつかをピックアップしましょう。


●デザイナーを目指す上でやっておいた方が良いことは?

とにかく見識を広げること。思いっきり遊んだりいろんなところに行ったり。誰よりもそのことに対する知識を深く持っておきたいですね。今世の中で何が起こっているかも知っておくべきです。あと私の場合は、ショッピングモールとか駅とか、新しいところは見に行ってみんながいいと思うところをチェックします。なんでいいのかを自分で見て確かめて、みんなと意識を合わせるんです。クライアントと話題を合わせるためにも。

●技術向上のために、社会人になる前に出来ることはありますか?

知り合いの人からデザインを頼まれたり、デザインの仕事するチャンスがあると良いですね。仕事のシミュレーションのつもりで。学校の課題ではなく、お客さんがいて真剣勝負でつくるということが良いんです。たとえば、知り合いに「デザイン必要じゃない?」と聞いたりして、自分でチャンスをつくるのも良いと思います。
さらに堂々氏は、尊敬しているクリエイターをきちんと考えておくことも大事だと言います。実際、DODO DESIGNでも採用の際は必ず「尊敬するクリエイター」について聞くそうです。もちろん、他社の採用でもこうした質問をされる可能性がありますから、デザイナーを目指している方は、自分が心を動かされたクリエイターを見つけて研究しておくと良いですね。


第2部 オリジナリティは武器になる


堂々氏のトークの後は、DODO DESIGN入社2年目のホープ、舩田綾香氏にバトンタッチ。舩田氏は、イラストレータ―も兼ねながらデザインの仕事もしています。

自身がこれまで手掛けてきた事例とともに、アイデアが生まれたきっかけやデザインがつくられていく過程を解説してくださったのですが、入社2年目とは思えないほどの落ち着いた様子とその実績に、デザイナー出身の新アド太田も驚きを隠せず(笑)。

先輩と一緒に担当している案件もあれば、すでに1人で冊子1冊のデザインを全て任されている案件もあるようです。

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舩田さんが1冊全てデザインを担当したアイセイ薬局の
ヘルスグラフィックマガジン 2017夏号

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JRウォータービジネス 10周年記念ボトル
イラストは全て、舩田さんが描いたもの。


そんな舩田さんに対し、

「自分にしかできないデザインは武器になる。だからこそ、オリジナリティを大事にしてほしい」

という堂々氏。イラストも書けてデザインもできる。

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Creative Direction, Art Direction, Graphic Design, Typography&Illustration. クリエイティブディレクターの堂々 穣が経営するデザイン会社。デザインで人を驚かせ心をつかみたいと思っています。
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