Naoto Okoshi

Dodo from the Utipiaという名前で、音楽を作ったり日記を書いたりして…

Naoto Okoshi

Dodo from the Utipiaという名前で、音楽を作ったり日記を書いたりしています。 https://lit.link/dodofromtheutopia

最近の記事

光は常に正しく在り その⑩:ただ、美しく

ぼくは今、空想の海を300ノットでバタフライしている。真っ黒な波濤の中を、小さくてボロボロのコンパスで軌道を確認しながら。心のリミッターは解除して。思い出を再生する装置をオンにして。 物心ついた頃から、自分の価値や能力はとても低いものだ、と決めつけてしまうクセがあってね。誰か他人と比べてるわけじゃなく、自分の理想に対して、今の自分とは圧倒的に距離があると思ってそうなっているから、余計性質が悪い。 ぼくには何もない。だから、誰にも気にされなくて当然だし、いつかは誰からも忘れ

    • 光は常に正しく在り その⑨:煌夜祭

      昔、とても好きなひとがいた。 ぼくより少し歳上で、喘息持ちで、冬とバラの花が好きで、ニンジンが嫌いで、イカした音楽の趣味をしていて、ママが信じている神様のせいでクリスマスを知らなくて、三日月みたいな目の笑顔が素敵な女の子だった。 そして、酷い男性恐怖症だった。 ある日、車に乗った男に道を聞かれて、応えようとしたら連れ込まれて攫われたんだって。途中でドアを開けて、なんとか逃げたらしいけど、打ち明けてくれたその話を聞いた時は、性別が男性のぼくからしてもあまりに生々しすぎた言

      • 光は常に正しく在り その⑧:ハートのかたちpart3

        ぷかぷかうかんでいる。 ただ、ただ、ただよっている。 ぷかぷかと、夜明け前の白い月のように。 遠くから見たら、月の表面がとてもまぁるくて、きれいに見えるのと同じように、なんとか外側だけでも美しくしようとした、いびつで、グチャグチャで、鉛みたいに灰色なトゲトゲ。限りなく黒に近いグレーなトゲトゲ。 それがぼくのハートのかたち。 こんなにトゲトゲだから、誰かといると、傷つけてしまうのではないかと思ってしまう。そして、それは、決して思いやりではなく、誰かを傷つける自分でいること

        • 光は常に正しく在り その⑦:ハートのかたちpart2

          「おれたち、ずっとこんな感じなんだろうね」 昨日、明け方までそんな話をしていたんだ。 「おおこしさんはきっと、他の人よりもだいぶ無邪気なんすよ。思考する時のやり方自体は深くても、考えていることそのものはだいぶ無邪気」 彼はぼくにそう言った。 そうか。ぼくは良く言えばとっても無邪気でイノセント。悪く言えば、すっごく子どもなんだね。 面白いとか楽しいって感じることが、みんなと少し違っている気がするのも、そのせいなのかしらね。って思ったよ。 誰がどんな車に乗ってるかとか

        光は常に正しく在り その⑩:ただ、美しく

          光は常に正しく在り その⑥:ハートのかたちpart1

          医者から散歩に行くことを禁じられてしまったので、空想の中を散歩している(犬の散歩だけこっそり行ってる、バレないように、バレないように)。 これまでぼくは、面白い人間だと思われたい、みんなに一目置かれたいってことばかり考えていたから、それがどうでもよくなると、途端に言いたいことがなくなってしまった。 なにもすることがないし、特に言うこともないから、せっかくなので、意味のないことをたくさん考えてみる。ぼくの想像の中だから、どこまでも自由に行ける。おろしたてのスニーカーで、心の

          光は常に正しく在り その⑥:ハートのかたちpart1

          光は常に正しく在り その⑤:ほんとのほんと

          誰かの1番になりたかった。 有名になんてなれなくていいから、誰かの1番に。 ただ、誰かに1番愛されていたかった。 思えば、ぼくはずっとそうだった。 幼少期からひとの顔色を伺うクセがあった。今のぼくを知ってるひとは驚くかもしれないけれど、中学生まではとても大人しく、人見知りで、大人の言うことを聞いて、ガリ勉で.....いわゆる典型的な優等生だった。 自分が思っていることを伝えるのは、とても怖いことだったし、誰も自分のことを理解してくれないって、この頃からずっと思っていた。

          光は常に正しく在り その⑤:ほんとのほんと

          光は常に正しく在り その④:約束をやぶることにした

          先週一週間、体調を崩していた。月曜日、急に嘔吐して、「あー、これはちょっとおかしいなぁ」と思って熱を測ったら、37.6度。それから38度まで上がったけど、朝起きたら35.7度まで下がっていたので会社に行った。だけど、18時くらいになったらまた熱が上がり始めた。フラフラと帰宅して、寝て、起きたらまた下がっている。そんなことを身体は繰り返していた。 原因は解っていた。最近、誰と何を話していても、何か一枚ヴェールに包まれているような感じがして、うまく会話ができない。もっと端的に言

          光は常に正しく在り その④:約束をやぶることにした

          光は常に正しく在り その③:星屑のようなメロディーを探している

          ぼくはいま、アルバムを作っている。アルバムのテーマは「全肯定」と決めた。再会と再開。迷いながら、彷徨いながら歩いていくこの路すらも肯定していく。そう決めた。 おそらく、アルバムは8曲入りになる。って、以前の日記で書いたのだけど、この間の打ち合わせで、どうしても追加で入れたい曲が話に出てきたから、9曲入りになるかもしれない。9曲入りになるとして考えると、完成している曲は8曲。あと1曲。これがまだまだ作れそうにない。 ぼくは曲を作る時、まず歌いたいことをなんとなく考えるところ

          光は常に正しく在り その③:星屑のようなメロディーを探している

          光は常に正しく在り その②:偽物の光、その共鳴

          誰かに対して共感するとき、ぼくのリアクションは、とっても安っぽいものだと感じてしまう。 先日、とてもイヤなことがあったので、プラネタリウムを見に行った。モヤモヤした気持ちになった時、何か美しいもので上書きをしたくなる。 それが音楽でも、映画でも、小説でも、お花畑でも、好きなひとの仕草や笑顔でも、なんでも良いんだけれど。今回選ばれたのはプラネタリウムだった。 愛媛県には新居浜に世界最大級のプラネタリウムがある。ぼくの調べ方が甘くて、嘘だったら申し訳ないんだけど、2009年

          光は常に正しく在り その②:偽物の光、その共鳴

          光は常に正しく在り その①:航星日誌

          【序文】 光があるとすれば、ぼくにとってそれは音楽。幼少期のぼくに対して、どんな厚い心の壁も超えて、ふっと寄り添ってくれたあのメロディーは、きっと魔法だった。さりげなく、でも、確実に。いまもまだ、あの光を追いかけている。 【本日のログ】 天気:b 重力0、風力0。 航星灯異常なし。巡検異常なし。 【出航準備について】 次の冬に向けてアルバムを作る。そう決めた。いままでも「作りたい」っていろんなところで言ってたけど、今回は「作る」なんだ。 理想の作品を作るためには、いまの

          光は常に正しく在り その①:航星日誌

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          これまで、はてなブログで日記を書いていたのだけど、この度noteに移行しました。 これまで書いていた記事も全てこちらに上げ直したので、おすすめ記事でも紹介しようかと。 1.祖父の死と親父について 初めて書いた日記。父親のことについて赤裸々に書き綴ったので、いま読んでも涙が出てしまう。原稿用紙10枚分くらいの超大作です。 2.Wくんの結婚式に添えて 当時、結婚した親友のことを書きました。彼とは「マグヌスの熊」というWEBラジオを週一でやっているので、ぜひそちらも聞いて

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          銀河漂流船団

          せっかく誰かがくれた言葉を「やっぱり嘘だったんだ」って思っちゃうのが、とっても嫌だなって、ここ最近考えている。 生きていれば、多かれ少なかれ、守ってもらえなかった約束や、忘れられていった言葉や、叶えられなかった指切りが、誰にだってあると思う。それらは結果としてそうなったかもしれないけれど、伝えてくれたものの根っこにあった気持ち自体は、少なくともその時点では絶対ホンモノで、嘘じゃなかったはず。誰も嘘にしようとなんて思っていなかったはず。 時が経てば、場面が違えば、人は変わる

          銀河漂流船団

          好奇心はアシカをも殺す

          先ほど、お風呂に入っていた。私は必ず湯船に浸からないと気が済まない人間だ。できれば2時間くらいは入っていたい。 ふと、湯船に浸かりながら、私は思いついてしまった。「いま、おれって、何分くらい顔を水につけていられるのかしら」と。思いついたらやらなくてはいられなくなる性分だ。ザブンッ、ブクブク、、、、ゲホッゲホッ!結果は1分6秒。タールでグズグズになった肺にしては、良いタイムを出せたと思う。結果がわかって、非常に良い気分になった。 自分で言うのもどうかと思うが、私は好奇心が強

          好奇心はアシカをも殺す

          Error

          しばらく、いろんなことと関わるのをやめていた。ぼくは孤独じゃないといけない、そうじゃないと魂は磨かれない。それができてないなら、無理矢理にでもやってしまえ!と半ば強引に実行したから、いろんなひとからお叱りを受けた。 独りになりたいって言ったとしても、昔っからの友人たちはそれを無視して連絡してくれたり、あるいは「前向きになるためにひとりになりたいなら、信頼してそっとしておく」ことを選んでくれるだろうなぁとは少し予想していたけれど、友達以外でぼくを怒ってくれるひとがいたのは、今

          顛末書

                        令和6年2月23日 関係者各位                 大越 尚斗         顛 末 書 この度発生いたしました、私のSNS全削除問題につきまして、経緯と今後の対策を下記のとおりご報告申し上げます。           記 1.問題の発生日時  発生日:令和6年2月19日  発生場所:自宅 問題:自暴自棄になり、インスタグラム、Xなど各SNSアカウントを削除し、連絡手段を放棄。精神的失踪未遂が発生。 2.問題が発覚した経緯

          ディア マイ マザー

          今日はぼくの母親の誕生日だ。何歳になるのかは知らない。21歳の頃にぼくを産んでいるから、計算すると52歳か53歳になる気がする。そうしないと年齢がわからない。 彼女はぼくの人格形成に大いなる影響をもたらしている。 だから今回は、誰にも話したことがないことも含めて、母親について、ぼくが思っていることを記録してみようと思う。すごく残念なことだけど、微笑ましさやユーモアの類は一切ない、憎悪と怨嗟にまみれた日記になる(ただ、未来にあるのは圧倒的な希望!それだけは約束するよ)。

          ディア マイ マザー