アメリカの暴動で思い出したハーレムの熱い日々という本。

黒人さんが白人さんの警察官に拘束され、
その場で首を圧迫され続けて亡くなったという
事件が発端とされるアメリカのデモ騒動。

デモではなく暴動になってしまっています。
大丈夫ですか?アメリカさーん。
本当は日本でも起こってもおかしくない
ご時世ですが、日本人はマスクが届かず、
お金も届かなくても口先で文句を言う程度。

亡くなった黒人さんの兄弟は、
デモは賛成だけど、暴動はいけないと
証言していて、全くその通りだと思います。

それにしても、人種差別というか、
白人至上主義が根深いことに驚きます。
学生時代に読んでびっくりした本のことを
この機会に思い出しました。

「ハーレムの熱い日々」
人種差別について全く無知だった
吉田ルイ子さんが、白人の人権活動を
していた、学生でもあるダンナさんと一緒に、
NYハーレムのアパートの治安安定のため、
ハーレムのアパートに移り住み、その生活を
振り返り綴ったノンフィクションの本のこと。

心に残った本の10本の指に入っているので、
ン10年たった今も手元に置いています。
捨てない女でよかった・・・たまにある
この瞬間のために捨てないのですけど。
只今私は断捨離中。矛盾を感じつつ
無性に読みたくなったので、本棚から
取り出して数日前から読みかえしました。

この話は私が生まれる前、なんとケネディ
大統領が暗殺される前とその後に起こる、
黒人さんの暴動の体験が書かれています。
1960年代。今2020年。だいたい60年前。

久しぶりに読んだ感想。
アメリカは60年で変わったのだろうか?
でも今回は、この問題とは根本的に関係ない
団体がついでのように暴れているような。

10年以上は読んでいなかったので、
その間に私もおばさんになって、思想は
フラットに保つように努力はしているものの、
しがらみやら、いろんな大人の汚い部分を
知ってしまった上で読むと、純粋に驚いて
いたあの頃とは全く違う感覚で読めます。

私は10代の時にこの本を読んで衝撃を
受けたのは、白人さんにとっては、
私も黒人さんと同じ立場であること。

本の中では黄色は客人という立場で
少し白人さんの中では位置はマシ
らしいけど、その当時はトイレもプールも
水飲み場も、レストランも当時生きていたら
黄色の立場の私は、白人さんと
一緒の場所に入ることはできない衝撃。

ホワイトか色つきか、肌の色でわけられて
いた当時のアメリカにびっくりしたのです。
同じような暮らしの人しか住んでいない、
団地が多い人種も差別も全く知らない
環境で育ってきた私には衝撃すぎでした。

この本を読んでいたので、オバマさんが
大統領になった時は革命だと震えました。
黒人の血が入った大統領の誕生に
驚きつつも、かっこいいなと思いました。

今は、トイレやレストランが別とか、
ゴルフ場に入れないとかあからさまな
区別はなくなっているんだろうけど、
結局、心の中にある、何かって、
そう簡単に変わらないんだなぁ。

この本で白人の差別をなくそうと
頑張って活動していた旦那さんが、
暴動が起こり、自分の持ち物に
危害がおよんだ瞬間から、
人権活動家とは思えない、黒人の
差別用語や、作者が聞いていないと
思っていたところで「イエローモンキー」
と、蔑んでいたことなども書かれいました。

白人が人種差別をなくそうと活動するのは、
差別をしている醜い心や歴史に自尊心が
耐えられずに活動する人も多いと
書かれていて、この部分は10代の私は
全く覚えていなかったけど、今なら少し、
わかるような気がして汚い大人に
なってしまったなぁと思ったりしました。

この本の感想文で、なんかで表彰された
ことも思いだし、苗字は忘れたけど
「りつこ」っていう英語の若めの先生に
廊下で呼び止められて、

「あんたアホそうやと思ってたけど、
ええ本読んでるなぁ、見直した」

って言われたなとか懐かしい。
でも、先生、今それ生徒に言ったら
厳重注意されるで。先生元気かな。
苗字忘れちゃったけど。いい先生だったな。

10代の読書が今でも心に残り、
ニュースで蘇るあの頃の不思議な感情。
長く生きていると面白いことがありますね。


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