見出し画像

1/10開催【ドコモベンチャーズピッチ】ついに復活!?大注目のトラベル業界~DXが実現する最高の旅行体験~ #3年ぶり

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2023年01月10日(火)に行ったイベント、

【ドコモベンチャーズピッチ】ついに復活!?大注目のトラベル業界~DXが実現する最高の旅行体験~ #3年ぶり

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、トラベル領域で新しい事業に取り組まれている注目のスタートアップ4社をお招きしピッチをしていただきました。

  • トラベル系のサービスや課題に興味のある方

  • トラベル関連の投資をご検討されている方

  • 旅行好きな方

  • 新規事業、オープンイノベーション等をご検討されている方

  • 最新のサービストレンド、テクノロジートレンドに興味のある方

にぜひお読みいただきたい内容となっております!

以下、各スタートアップにピッチをしていただいた内容をご紹介します!

■1社目:Kotozna株式会社

1社目は、Kotozna 後藤様にご登壇いただきました!

<Kotozna株式会社 Founder&CEO 後藤 玄利様>

Kotozna株式会社 後藤 玄利様

・Kotozna社の事業内容

Kotozna社は、コロナ禍が明けて回復し始めた外国人向け観光業において以下3つの課題にDXで解決に取り組む会社です。

課題1: 人手不足
観光は回復し始めたものの人手不足はますます深刻化
課題2: 言葉の壁
言葉がわからないことが旅行においてストレスに
課題3: 遅れるキャッシュレス
日本のキャッシュレス決済比率は諸外国に比べて低く、日本固有のキャッシュレスサービスは外国人観光客にとって使いにくい

・宿泊カードキーのQRコード

Kotozna社では、旅館・ホテルにおいて、個々のルームカードキーにおける宿泊者固有のQRコードという新たなソリューションを見出しました。サービスは以下の通りです。

[1] 多言語デジタルコンシェルジュ(2020年秋〜)

「Kotozna In-room」とは

Kotozna In-roomと呼ばれる、宿泊事業者向けの情報発信&コミュニケーションツールです。専用のアプリをダウンロードする必要はなく、ホテルの各部屋に置かれたQRコードをスキャンします。さまざまな情報を109言語で表示することができ、宿泊者の言語で情報収集が可能になります。同時翻訳付きチャットで、宿泊者と宿泊施設間のスムーズなコミュニケーションを実現します。

たとえば、従来受付で行っていた、施設などの利用方法の説明をする必要がなくなるため、チェックイン時間の短縮や紙資源の削減に繋がります。また、ルームサービスやアメニティのオーダー、PMS連携という宿泊事業者向けの業務管理システム(宿泊予約管理など)も搭載されています。2023年1月10日現在で、250以上の施設、35000室以上で利用されているとのことです。

[2] E-クーポン機能(2023年春予定)

朝食券の配布や管理をデジタル化する機能です。ホテルのスタッフが宿泊者のカードキーのQRコードをスキャンすることで、宿泊者の朝食券利用を自動管理することができます。

[3] キャッシュレス決済機能(2023年夏予定)

ホテル周辺のタクシーをキャッシュレス化する機能です。乗客のカードキーのQRコードをスキャンすることで、PMS連携を通して支払いが管理され、ルームチャージとしてタクシー利用料が請求される仕組みとなっています。宿泊施設でまとめて支払いができるので、PayPayなど日本固有のキャッシュレス決済システムに精通していない外国人旅行者でも、自国のカードで簡単にキャッシュレス決済をすることができます。

こういった取り組みにより、観光キャッシュレスのエコシステムを確立することがKotozna社の目標です。
Kotozna社は、観光地域全体におけるシームレスな観光消費を促すことで、地域経済に貢献していきます。

■2社目:TradFit株式会社

2社目は、TradFit 戸田様にご登壇いただきました!

<TradFit株式会社 代表取締役 戸田 良樹様>

TradFit株式会社 戸田 良樹様

・TradFit社の事業内容

TradFit社は、人手不足や業務効率化などの課題を抱える観光・宿泊業界に特化した、非接触・非対面でのサービスを提供する企業です。VoiceAIやIoTテクノロジー等を活用したスマートAIコンシェルジュという省人化ソリューションにより人手不足を解消し、業務効率化を目指しています。

宿泊業が抱える問題は、次のものがあります。

・宿泊施設従業員の離職率は高く、他産業の平均離職率の2.6倍
・求められるスキルは高いのに、低賃金である
・特に伝統業界でDXが進んでおらず、常に人手不足で、旅行者の要望に応えることが難しい

・スマートAIコンシェルジュ

TradFit社のスマートAIコンシェルジュにより、宿泊施設にて、Amazonが開発しているAmazon Echoのアレクサの利用が可能になります。スマートスピーカーに宿泊者が要望を口頭で伝えると、宿泊者の好みに応じたレストラン、観光地、アクティビティなどの情報が提供されます。

今後、Amazon Echoのみならず他のデバイスでもさまざまなシステムやサービスの利用が可能となる予定です。多言語対応、省人化、非接触・非対面が可能となり、このサービスの導入によって、たとえば、400室を持つホテルでは約5億円のコスト削減が可能となったそうです。

スマートAIコンシェルジュ導入によるコスト削減の例

・受電数半減
・一元管理・可視化
・データドリブン営業
・オペレーション改善

・基本特許技術の強み

特許・知財の強み

また、他社にはない特許・知財の強みとして、国内外取得特許数があります。宿泊者の好みに合わせてスマートスピーカーが旅行の情報提供をすることができるのも、TradFit社が取得した基本特許技術「スマート旅行」のおかげです。

また、基本特許技術「スマート旅行2」もリリースしています。この技術により、宿泊者好みの旅行の情報提供が、客室に設置してあるスマートスピーカーからだけでなく、宿泊者が所有するスマホやタブレットからも可能になります。

スマート旅行2について

PR TIMESより

TradFit社は、宿泊施設などの雇用を守り、人手不足の解消と効率性の解決や売上向上へ寄与することで、地方創生・少子高齢化・働き方改革などの社会課題の解決を目指しています。省人化ソリューションにより、年間6名の業務が3名で実施可能になり、年間1620万円の売上効果を想定しています。宿泊者と観光業で働く従業員の両者をより幸せにすることが、TradFit社の使命です。

■3社目:株式会社ルーラ

3社目は、ルーラ 田中様にご登壇いただきました!

<株式会社ルーラ Founder&CEO 田中 昌明様>

株式会社ルーラ 田中 昌明様

・ルーラ社の事業内容

ルーラ社は、web3の社会実装を実現する「ステーブルコイン」と「ローカルNFT」を提供する企業です。コンテンツ(IP)×Web3による新しい観光体験を通して、全国の観光地に人が溢れる世界を創ることをビジョンに活動をしています。

・ルーラコインとルーラNFT

ルーラ社では現在、ステーブル型(1コイン=1円)の「ルーラコイン」と観光体験型NFTの「ルーラNFT」と呼ばれる二つのプロダクトを提供しています。

・ルーラコイン

ルーラコインの拡大

1コイン=1円の前払い式のステーブルコインです。ユーザーがNFTを購入する際の通貨としてだけでなく、観光地のリアル店舗(旅館や土産店など)のQRコード決済として利用できます。

ルーラコインは、全国の温泉地・観光地で横断的に使えるデジタル通貨となっており、「コインの使用場所や用途の限界性」「観光客があまり利用しない」といった従来の地域通貨の問題を解決します。2022年2月に有馬温泉に導入されてから、観光地の旅館・飲食店・土産店などで拡大中です。2023年1月10日現在で、22地域135店舗に展開されています。

有馬温泉エリアとルーラコイン

「ルーラコイン」HPより

他の決済手段よりも手数料が低いこと、決済手数料の1%が自動的に地域に還元されることなどのメリットのほか、地方創生コンテンツ「温泉むすめ」のキャラクターとコラボレーションしたルーラコインのプリペイドカードの販売など、コンテンツファンをターゲットにした新規顧客の増加が見込めます。

温泉むすめ

「温泉むすめ」HPより

・ルーラNFT

全国の観光地で購入することができる、地域に最適化された日本初のローカルNFTです。観光地で様々な体験ができる現地ユーティリティ付きの観光体験型NFTとなっています。ルーラNFTは、現地ユーティリティ型NFTと、コレクティブ型NFTの2種類を提供しています。ルーラNFT発行累計枚数は、2023年1月10日時点で約2,700枚となっています。

[1] 現地ユーティリティ型NFT

現地ユーティリティ型NFTについて

「温泉むすめ」と有馬温泉「三ツ森Cafe」がコラボレーションした、現地ユーティリティ企画の例です。「温泉むすめ」のキャラクターが「三ツ森Cafe」の店員に扮し、スイーツメニューを運んでいるイラストのNFTを提供しています。イラストのスイーツは、ルーラ社がイラストを手掛けた際に開発したもので、2種類あるNFTの発行がそれぞれ50枚を超えると、「三ツ森Cafe」の実際のメニューとして販売されます。

[2] コレクティブNFT
「温泉むすめ」の123キャラの様々な衣装シリーズをコレクションできます。衣装シリーズのvotingやオフラインイベントへの参加など、インセンティブが権利として付与されていく予定です。

・これからについて

今後に向けて、前払い式であるルーラコインとは別に、暗号資産としてのルーラトークンを発行することで、全国の観光地で使える限定チケットが付与されるプロジェクトを開発しています。

プロジェクトについて

PR TIMESより

ルーラ社は、観光トークンエコノミーを構築し、ポストコロナで増えていくであろうインバウンドユーザーにも対応ができるプロジェクトを開発しています。

■4社目:WAmazing株式会社

4社目は、WAmazing 加藤様にご登壇いただきました!

<WAmazing株式会社 代表取締役CEO 加藤 史子様>

WAmazing株式会社 加藤 史子様

・WAmazing社の事業内容

WAmazing社は、スマホやPCから日本中の宿泊施設や飲食店、交通チケットの情報検索のみならず、予約や決済などを実現するサービス、いわゆる「手の中の旅行エージェント」として展開しています。

WAmazing社のメインターゲットは、2019年度における訪日外国人旅行のうち全体の過半数を占めた、中国・台湾・香港からの個人旅行者です。

・近年の日本のインバウンド旅行者の実態

日本では、2016年に「明日の日本を支える観光ビジョン」が策定され、戦略的なビザ緩和、免税制度の拡充、出入国管理体制の充実、航空ネットワーク拡大などが行われました。その結果、訪日外国人旅行者数・訪日外国人旅行消費額は大幅に向上し、2019年にはインバウンド旅行者が過去最高を記録しました。

また、「2030年にインバウンド旅行者の数6000万人、彼らによる旅行消費額15兆円(2019年は約5兆円)」という目標は、現・岸田内閣も堅持する目標です。この観光インバウンド消費15兆円が達成されれば、観光インバウンド消費が日本の最大の外貨獲得産業となるということで、大きな注目が集まっています。

2020年冬から始まり、947日に及んだインバウンド鎖国を経て、日本におけるインバウンド旅行者は再び回復しています。観光庁も「インバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージ」を決定するなど、国を挙げてインバウンド旅行者の獲得に取り組んでいます。

・観光業のDX化

観光DXの例

2022年9月にOTA事業を再開したWAmazing社ですが、日本の観光資源のDX化にも取り組んでいます。たとえば、アフターコロナ時代の観光DXとして、オンラインでの切符の購入サービスを提供しています。事前にオンラインで切符を購入し、日本に到着後、主要空港・駅に設置してあるオリジナルの機械で切符を受け取ることができます。これにより、鉄道のサービスカウンターにて長時間並ぶ必要がなくなり、時短かつ三密を避けることができます。

ポストコロナ戦略

また、アナログ手続きが主流だった免税商品をオンラインで購入(予約)できる免税ECサービスを展開するとともに、免税販売機能付き自動販売機の設置を行っています。購入者の本人確認やオンラインで事前に購入した商品の購入情報の記録を自動販売機で行い、店員を介すことなくデジタルに免税ショッピングが可能となります。国税庁指定第一号の免税販売機能付き自動販売機で、非対面非接触で消費税免税価格でお買い物を楽しめる日本初の免税オンラインショッピングサービスです。

また、15日間無料で使えるSIMカードの配布も、全国の空港で引き続き行っており、旅行者間で口コミで拡散され、サービス開始から会員数の総数は40万人です。(参考:台湾・香港年間訪日客698万人)。

WAmazing社は、観光業が復活する中、訪日外国人旅行消費額15兆円市場に挑むことで、日本を真の観光立国へすることを目指しています。

まとめ

今回は、トラベル領域関連の代表的な4社のお話をお聞きしました。

ポストコロナで急増するインバウンド旅行者への様々な新しい取り組みにワクワクしました!

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます。

引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!

>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベントはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?