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10/6開催【ドコモベンチャーズピッチ】ヘルスケア最前線~様々な切り口から挑むメンタルヘルス関連3社をご紹介~

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2022年10月6日(木)に行ったイベント、

【ドコモベンチャーズピッチ】ヘルスケア最前線
~様々な切り口から挑むメンタルヘルス関連3社をご紹介~

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、メンタルヘルス領域で新しい事業に取り組まれている注目のスタートアップ3社をお招きしピッチをしていただきました。

・新規事業開発を担当される大企業の皆様
・ヘルスケア事業動向に興味のある方
・スタートアップへの投資や事業連携をご検討されている方
・メンタルヘルスに興味のある方
・既存産業のアップデートを目指す皆様

ぜひお読みいただきたい内容となっております!

以下、各スタートアップにピッチをしていただいた内容をご紹介します!

■1社目:株式会社ソラハル

1社目は、ソラハル 北村 様にご登壇いただきました!

<株式会社ソラハル 代表取締役・CEO 北村 健 様>

株式会社ソラハル 北村 健 様

・ソラハル社の事業内容


ソラハル社は、「他者との交流を通じて自己の成長とWell-Beingを享受できる社会をつくる」をミッションとして掲げ、「ソラハルメンターギフト」というサービスを提供している企業です。
北村様はもともと大学や専門学校で、若者のキャリア支援に従事されていました。2020年に、「ソラハルBridge」という対人援助の専門職のためのコミュニティを作り、このコミュニティがこれから説明するソラハルメンターギフトの基盤となっています。

ソラハルメンターギフトとは?

既存のメンタルヘルスケアサービスは、何か悩み事などを抱えた本人がサービスを購入する形態が主流です。
一方、ソラハル社のサービスのコンセプトは「心の支援のギフト化」です。一言でいえば、専門家によるカウンセリングやコーチングを大切な人にプレゼントすることができるサービスとなっています。自ら支援を求めることができない身近な人や、心が元気なのか気になる大事な人に、ギフトとしてチケットを贈ることができます。

ソラハル社のポジショニングマップ~emol株式会社の資料に北村様が追記

事業の社会性と拡張性

ソラハル社がこのサービスに取り組む理由は3つあります。

1.社会的包摂によるウェルビーイング向上
2.「社会的資源」の活用による孤独・孤立対策
3.あらゆる「専門家支援」へのサービス拡大

ソラハルメンターギフトのビジネスモデル

ビジネスモデルとしては、サービスの寄贈者がギフトを購入し、手渡しもしくは郵送で受贈者にギフトを渡すことで、受け取った人がカウンセリングやコーチングセッションを受けることができるようになる、という形になっています。

2022年現在、BtoBのギフト型心理支援サービス「ソラハルメンターギフト for Teams」を提供しています。メインターゲットである中小企業がサービスを契約すると、職員は福利厚生のメニューとして活用できる仕組みです。職場では相談しづらい・できないプライベートな課題や困難に対して、カウンセラーやコーチが寄り添い、会社に相談相手や内容を知られることなくカウンセリングを受けることができます。

サービスの強みとしては、下記の2つが挙げられます。
 (職員の視点)会社に知られることのない秘匿性
 
(企業の視点)1チケットずつの購入による高いコストパフォーマンス

今後の展望

コーチングやカウンセリングの市場は約300億円と小規模ですが、ギフトは10兆円の市場規模となります。そこで、ソラハル社ではコーチングやカウンセリングのサービスをギフト化することによって、大きな市場の獲得を考えています。今後は、高い離職率に悩む企業やギフト関連の企業など、ソラハル社のサービスに賛同してくれる企業と積極的に協業し、さらなる売上拡大を目指します。ソラハル社は、心の支援が個々人に行き届くWell-Beingな社会の実現に向けて今後も活動していきます。

ギフト市場に関する調査を実施(2020年)

矢野経済研究所 2021年1月27日 プレスリリース

■2社目:emol株式会社

2社目は、emol 千頭 様にご登壇いただきました!

<株式会社emol 代表取締役 千頭 沙織 様>

株式会社emol 千頭 沙織 様

・emol社の事業内容


emol社は、AIを用いた精神傾向分析で、各個人にあった精神状態向上の為のコンテンツを提供するサービスの開発を行っている企業です。感情を記録してAIロボと会話することにより、自身の感情と向き合うことができるアプリ「emol(エモル)」、法人向け従業員のメンタルヘルスアプリ「emol for Employee」を提供しています。

現状の精神疾患治療の課題

精神疾患者の多くが適切な治療を受けられないという課題があります。その理由として、治療ガイドラインでは医師が「薬物療法」「認知行動療法」のどちらかを患者の状態に合わせて施すことが推奨されていますが、重症度にかかわらず薬物療法が施されている、といったことが挙げられます。

では、なぜ精神疾患者は適切な治療を受けられないのでしょうか。それは、これら3つの問題があるからです。

1.疾患に合わせた専門医が少ない:疾患により治療が異なる
2.認知行動療法は治療時間が長い:医師の時間確保が困難
3.医師の実施以外は保険診療適応外:心理職は保険適応されない

そこでemol社は、保険診療で受けられる「疾患に合わせた認知行動療法」をアプリで提供するという解決策を提案します。これによって、治療フローにおける「認知行動療法」をAIチャットボットが介入することで3つの問題を下記のように概ね解決したのです。

● 疾患別に対応できる
● 医師の時間を奪うことなく認知行動療法を実施できる
● 保険適用されるため、費用が抑えられる

精神疾患治療のための認知行動療法アプリ「emol」

「emol」によって、認知行動療法のプログラムをパッケージングし、人の介在なくAIチャットボットから介入を受けることができます。

アプリ「emol」のチャットボットイメージ

患者が病院に診察に行き、医師が「emol」の処方を提案することでemol社からアカウントを発行し、アプリの利用が可能になります。保険適用されるアプリなので、患者は3割負担でサービスを利用することができます。
現在、認知行動療法が保険適応されている精神疾患は指定されており、その中でもemol社は、強迫症・社交不安症などの「不安症関連」に注力して開発を進めています。

emol社の強み

emol社の強みは主に2つあります。

1.強迫症・不安症におけるKOL(キーオピニオンリーダー)である大学と
  共同研究により開発

  ● 医師への影響力(アプリガイドラインへの影響)
  ● 患者への影響力(最高峰の強迫症専門医の知見とノウハウをアプリ
    でDX化)

2.すでに利用者に愛用されているプラットフォーム
  ● 多方面への展開性(emolプログラムの完遂率は92%)
  ● 磨き込まれたUX(累計30万人以上の利用者)

今後の展望と実現のための競合優位性

emol社の競合優位性

また、上記のスライドのように、emol社と大学が協力することで簡単には覆せない競合優位性が生まれるのです。

emol社は、2025年に強迫症治療用アプリの薬事承認を目指しています。薬事承認された後は、どのくらい普及できるかが課題となります。実際に医師が利用してくれるか、患者が継続してくれるか不透明ですが、先に伝えた強みによって2つとも高レベルで実現できると考えています。

■3社目:株式会社メンヘラテクノロジー

3社目は、メンヘラテクノロジー 高桑 様にご登壇いただきました!

<株式会社メンヘラテクノロジー 代表取締役 高桑 蘭佳 様>

株式会社メンヘラテクノロジー  高桑 蘭佳 様

・メンヘラテクノロジー社の事業内容


メンヘラテクノロジー社は、「幸せに病める世界をつくる」という目標を掲げ、病んだとき気軽に安心して使える匿名チャット相談アプリ「メンヘラせんぱい」を提供している企業です。

現代では、病んだ時に気軽に安心して、すぐに話を聞いてくれる人がいない、という課題を持つ人が多くいます。相談先としては、友達や家族・ネットの繋がりなどが考えられますが、気軽に話せない、ネットで繋がった人では安心できないという場合があります。高桑様ご自身も、昼夜問わず相談をしたせいで友達に縁を切られてしまった経験があるそうです。

チャット相談アプリ「メンヘラせんぱい」

チャット相談アプリ「メンヘラせんぱい」のイメージ

上記のような課題を解決すべく、メンヘラテクノロジー社は、話を聞くのが得意な人と話を聞いて欲しい人を繋ぐプラットフォーム型のチャット相談アプリ「メンヘラせんぱい」を開発しました。相談ユーザーが話したい「せんぱい」を選び、空いた時間にアプリ内で相談することができます。

ビジネスモデルとしては、5分160円から相談ユーザーがアプリ内で課金し、相談料金の一部を報酬として「せんぱい」に、残りを手数料としてメンヘラテクノロジー社が得る仕組みになっています。
「せんぱい」は、通過率約20%の選考・育成を通して安心して相談できる方のみが選出されています。また、「せんぱい」に必要な資格などはなく、専門家ではないからこその気軽さや、個々人が経験してきた悩みに基づくヒアリング力が強みです。ランクを導入しており、ランクの高い先輩ほど相談料金は高くなります。現在ユーザー数は17,000人、「せんぱい」登録ユーザーは900人と順調に伸びています。

今後のユーザー層拡大戦略

相談の受け手を共通化し、異なるコンセプトの相談アプリを複数立ち上げることでターゲット層の拡大を考えています。アプリのベースとなる部分は共通であるため、新しい相談アプリの立ち上げにかかるコストは極めて少ない、という利点があります。現在は、匿名チャットアプリ「+ta(プラスタ)」というアプリの立ち上げを行っています。

匿名チャットアプリ「+ta(プラスタ)」のイメージ

+ta(プラスタ)

+taは、従業員の日常的なストレスを解消する匿名チャットアプリです。基本的な仕組みはメンヘラ先輩と同じです。今まで従業員同士であまり相談することができなかった悩みなどを「+taサポーター」が受け止めることによって解消します。また希望があれば、その相談内容は、その会社の管理職や人事担当者に共有することができます。
現在は大手企業での実証実験を進めており、社内の相談窓口よりも高い利用率が得られています。

メンヘラテクノロジー社は、+taの実証実験を行ってくれるトライアル導入企業を募集中です。トライアルプランは初期費用1円で導入可能ですので、興味のある方はぜひご連絡ください。
※本文に記載の各数値は2022年10月時点のものです。

まとめ

今回は、メンタルヘルス関連の代表的な3社のお話をお聞きしました。

メンタルヘルスサービスがどんどん手軽に受けられるようになっていることに驚きました。今回ご登壇していただいた皆さまのサービスがさらに普及することにより、1人でも多くの人の心の健康状態が改善されると良いですね!!

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!

引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!

>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベントはこちら


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