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10/12開催【スタートアップピッチ】「ヘルスケアスタートアップ特集~医療スタイルを改革する3社が登場!」イベントレポート

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2021年10月12日(火)に行われた、前回同様スタートアップや起業家の方々向けのイベント

「ヘルスケアスタートアップ特集 医療スタイルを改革する3社が登場!」

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、注目のヘルスケアスタートアップ3社をお招きし、1社ずつピッチをしていただきました。
オンライン化、DX化の流れの中医療スタイルがどのようになりつつあるのか等、今後のヘルスケア関連事業創造を模索する新規事業担当者の方々は特にお読みいただけると嬉しいです!

■1社目:スマートスキャン株式会社/濱野様

まずは、スマートスキャン株式会社 代表取締役 濱野様にご登壇いただきました!

<スマートスキャン株式会社 代表取締役:濱野 斗百礼 氏>

スマートスキャン濱野300

スマートスキャン株式会社は、2017年2月に創業しました。
理念として、
「Create a World Free of Disease ~病気のない世界をつくろう~」
を掲げています。
“病気のない世界”という非常に壮大で夢のある世界に、ワクワクするような理念ですね!

・スマートスキャン事業内容

元々は、「高度医療機器(MRIやCT)を誰でも受けれる環境を作ろう」という事業からスタート。
「"早い、安い、正確"にこだわった脳ドック「スマート脳ドック」を提供するクリニックのプロデュースです。」

”脳ドックって、時間もお金もかかってなんだか面倒そう…”
そう思う方もたくさんいるのではないでしょうか。

しかし、スマート脳ドックでは以下の3つのポイントを軸に、誰でも手軽に脳ドックを受けられるような環境を作っています。

①早い(受付からお帰りまで30分)
②正確(異なる専門家によるチェック)
③リーズナブル(一般の脳ドックの約半額)

濱野氏曰く、一度皆、脳ドックを受けるべきだということでした。
手軽なスマート脳ドックを受けようか考えてみても良いかもしれませんね!

この他にも、
「世界初のMRIシェアリングエコノミー事業の展開」も行っており、さらには、約4年間、5万5千件以上の脳ドックを行ったことによって、大量のデータが集積されています。

このデータを活用し、疾病の発症予測モデルの構築や適切な治療へと役立てる研究および分析をすすめるとのこと。
例えば、新型コロナウイルス感染症への感染が脳に与える影響やその治療、また、認知症になりやすい脳の特徴などを分析し対策を講じるなど、今後が期待できます。

このようにして取得出来る非常に重要な脳のデータが、世界で猛威を振るうコロナの状況を改善する手口となるかもしれません。

・スマートスキャン創立の背景

濱野氏は元々、楽天で執行役員をされていました。
およそ9年前、楽天トラベルのバスサービスで大事故が起きました。この事故の原因が運転手の脳にあったことが後に分かったそうです。
当時、バス従業員の健康診断は首から下しか行っておらず、頭の検査も必要だという話になったそうです。
しかし、脳ドックは非常に高価であり、なかなか従業員に定期的に受診させることは難しかったのです。

それでも、一般的には脳血管疾患は死因第3位。さらに要介護率第一位と、濱野氏は脳を検査することの重要性をますます感じていったそうです。

それに加えて、脳検査はライフタイムバリューが長く、ストック型のビジネスモデルであるため、非常に大きなビジネスチャンスを秘めていると濱野氏は感じました。

「誰もこの分野はやってない。自分でやってみよう。」
そう決断し、会社を辞め、自ら高価なMRIを購入したのが、創業の始まりです。

自費でとても高価なMRIを購入したという点で、本当に勇気ある一歩だと感嘆させられました。

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・スマートスキャンの新たな取組

最後に、スマートスキャン株式会社の新たな取り組みをご紹介します!
出光興産株式会社と連携し、各地で移動式MRIを使用した実証実験を行っています。
6月には三重県員弁郡東員町で、10月には静岡県島田市で「スマート脳ドック」を提供、先進的な予防医療を提供して各地域の皆様の健康と安全に貢献していくとのこと。
これまでは、受診することにハードルが高かった"脳ドック"ですが、スマートスキャンは、私たちが手軽に脳ドックを受診できる環境を作っているのです。

健康だと思っている方も、全員が脳ドックを受けることで病気が根絶するような世界が来るかもしれませんね!

■2社目:Holoeyes株式会社/谷口様

次に、Holoeyes株式会社代表取締役 谷口様にご登壇いただきました!

<Holoeyes株式会社 代表取締役:谷口 直嗣 氏>

holoeyes谷口300

Holoeyes(ホロアイズ)は、XR技術(VRやAR)をベースに医療向けのサービスを提供している会社です。

なぜXR技術を使っているのかというと、
2次元のCTスキャンから、3次元に表示することによって、2次元の画像からは読み取れなかった”奥行き”が認識できるようになるためです。奥行きが分かると、医師の方にとっては手術の時などにかなり有効です。
そのため、XR技術は現在特に医療分野で活躍が期待されます。

3次元の力というのは特に医療分野で力を発揮していますが、今後は他の分野にもどんどん応用できそうです。ますます将来が楽しみな領域です!

・Holoeyes事業内容

Holoeyesの事業内容は、大きく2つに分かれます。

1、手術支援サービス
医師に向けたサービスです。以下に具体的なサービス例を紹介します。

・手術の前に患者の3D解剖を確認。骨や動脈や静脈、気管支などの位置を正確に把握することが可能
・腎臓の結石治療のための手術シミュレーション
・肝臓、腎臓の中の血管の解剖を把握
・脳動脈瘤へのアプローチのシミュレーション
・VR空間にて、遠隔カンファレンス

医者と患者双方にとって、より正確に手術ができるようになるサービスです。
今後ますます高齢者が増え、手術を受ける方が増加する一方で、医者の数は減少していくと言われていますが、そんな日本の問題に一石を投じるサービスではないでしょうか。

2、教育サービス
主に学生や医療を学ぶ人たちに向けたサービスです。
具体的には
「スマートフォンアプリで3次元の解剖を学べる教育プラットフォーム」
を提供しています。

これまで学生は、解剖学を2次元である解剖の教科書を読んで学んでいました。
しかし、このサービスではスマートフォンアプリで三次元で立体的に解剖学を学ぶ事が出来るため、より分かりやすく、正確に体の構造を学ぶことができます。さらには、コロナ禍で病院での実習が満足にできない時でも、学生たちは非常に効果的に学ぶことが出来たそうです。

・Holoeyes創立の背景

谷口氏は元々3Dエンジニアとして3次元のゲームやロボットを制作していました。
そんな時、たまたまネット上で共同創業者の外科医と出会ったそうです。
彼が3Dプリンタを使って肝臓のモデル等を制作しており、谷口氏が他の解剖モデルも含めて3次元のデータを30分程度で作ってみたそうです。
すると、それが意外に面白かったことから事業がスタートしました!

谷口氏の専門性と、偶然な出会いが創立の背景にあったということで、自分の専門性という武器を磨くことがビジネスチャンスを生むということを、お話を聞いて感じられました!

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・Holoeyesの今後の取組

今後の取組としては、ズバリ「データのエコシステム構築」です。

臨床から生まれる3Dなどのデータを、教育から患者とのコミュニケーションまで使えるようにしていくことが、今後の事業展開で想定されています。

自分の内臓を3Dで確認する事が当たり前になる時代が来るかもしれませんね!

■3社目:ファストドクター株式会社/水野様

最後に、ファストドクター株式会社代表取締役 水野様にご登壇いただきました!

<ファストドクター株式会社 代表取締役:水野 敬志 氏>

FastDOCTOR水野300

ファストドクターはどの様な社会課題を解決する会社でしょうか?

現在の日本の医療問題として、
「救急車の出動回数が年々増えている」という問題があります。

この原因として、高齢化による”通院困難者が増加”しており、
緊急度が高くなくても、救急車に頼らなければいけない現状があります。

この問題を解決するためには「かかりつけ医の往診」が重要です。
しかし、”往診”は医師の負担が非常に大きいです。

そこで、ファストドクターでは、
夜間・休日の往診を代行する、分業体制」を構築しています。

これによって、かかりつけ医の負担を軽減し、救急搬送も減少させるということがファストドクターの行っている事業です。

・ファストドクターの事業内容

全国10都道府県において、「最短30分で医師が往診できる体制」を構築しています。

往診は、以下のようなステップによって、サービスを提供しています。

①150名の看護師が1日1500件の救急相談をトリアージ
(重傷度や治療緊急度に応じた「傷病者の振り分け」を意味します)
緊急かつすぐに往診が必要と判断する件数が、相談数の2割程度に絞り込まれる。
②1300人の医師(平均年齢35歳)が登録しており、1日に80台のドクターカーが出動
③初期救急として、必要十分な医療を在宅で提供
④往診後のフォローアップも充実しており、在宅医療に安心を届ける

上記のようなステップで、ファストドクターは、
「12の医療機関の夜間・休日診療をサポートする診療プラットフォーム」を提供しています。
さらには、レビュー評価も導入することで、医師の往診の改善も行っています。医師を評価するというのは、かなり新しく、医師にとっても非常に貴重なフィードバックになっているそうです。

・ファストドクター創立の背景

創業者であり、医師の菊池氏が、往診の問題を感じ、この事業をスタートさせました。
今回、ご登壇いただいた水野氏は、楽天時代に培った、ITとマーケティングの知見で支援できると思い、参画を決断したとお話されていました。

問題意識から、ビジネスがスタートするその事例を見ることができました!

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・ファストドクターの今後の取組

ファストドクターの現在の認知率は約14%です。
これを救急車の認知率100%に追いつくことが、今後の目標です。

これまでは、ファストドクター自らが認知度向上に向けてマーケティングをしていました。

しかし、全国10万のクリニックを巻き込んだ普及活動を行っていくによって、認知向上を目指しています。

ファストドクターが、徐々に認知されていき、社会インフラになる将来も近いかもしれません!

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!

次回は10月14日に実施した「若いスタートアップが意識すべき事業運営上の法務的留意点」についてお伝えする予定です!乞うご期待ください!!

>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベント開催情報はこちら

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