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セミナー:今取り組むべき在宅テレワークの「進め方」と「解決策」とは?―中小企業のお悩み解決事例特盛版―

新型コロナウィルスの影響により全国で緊急事態宣言が発令され「テレワーク」を導入する企業が増えました。
これから訪れる“withコロナ時代”に向け、中長期でテレワークの本格導入を検討中(または既に実施中)だけど、セキュリティ上の問題、オペレーションの問題、コストの兼ね合いなどもあり、具体的にどのようなICT(情報通信技術)を活用していけばいいのか、なかなかわかりにくいのが現状です。
そこで “withコロナ時代”に求められる「セキュアで働きやすいテレワーク環境」をどうやって実現したらいいのか? 企業様に向けて、具体的な事例やノウハウをお伝えするウェブセミナーを開催しました。
(主催:ドコデモ株式会社、共催:KaleSco.)

【登壇者のプロフィール】
●松本 国一氏
富士通株式会社シニアエバンジェリスト
1991年、富士通へ入社。情報・通信・モバイルの合計14部門37部署でソフト、ハードの設計から製品・事業企画、販売推進、営業まで様々な業務に従事。現在、多彩な業務経験を活かし、雑誌や新聞、Web、ラジオなど多くのメディア掲載や池上彰氏、八塩圭子氏、佐々木俊尚氏など著名人との対談、ほか学会誌の執筆、日本銀行のラウンドテーブルなど多くの活動を行っている。

●安達 徹也氏
株式会社Box Japan執行役員、アライアンス・事業開発部部長兼働き方改革推進担当
1995年から国内通信会社にて、ネットワークサービスに関する企画・開発・協業などに従事し、2009年よりシマンテックにてセキュリティ製品のプロダクトマーケティングなどを担当。2015年よりBox Japanの事業開発の責任者として、アライアンス、製品連携パートナーの開拓、パートナーシップの強化を担当。アライアンス推進という立場から他社の働き方に触れる機会が多く、他社との比較におけるBox社の働き方を紹介する役割を担う。

●野崎 友邦氏
株式会社ミナジン取締役COO
大学卒業後、株式会社京都銀行に入行し、約10年間、法人融資営業、新規顧客開拓を中心にを行う。その後、株式会社ミナジン入社。人材サービス営業部マネージャー、営業部部長、管理部部長などを歴任し、取締役就任。現在は、HRクラウドシステム部門、顧問サービス部門の事業部統括を行い、システムと人事のプロとを組み合わせたサービスの構築、事業提携などを推進している。

●柘植 信英氏
ドコデモ株式会社代表取締役
実家は400年程度続くお寺。大学院修士取得後、現在の事業を立ち上げた。大学院時代、先進国の問題を研究する傍らITベンチャーでインターン。そこのエンジニアメンバーと一緒に地域間の就労格差をなくすため、現在の事業を立ち上げる。現在、ビジネスサイドのフロント及び外部交渉に従事。

●西舘 聖哉氏(モデレーター)
KaleSco.代表、イベントアクセラレーター、ITエンジニア
大学卒業後、2015年に富士通ビーエス・シーに入社。セキュリティ製品のプロモーション活動、クラウド環境構築PJに従事。その後、システム開発会社にてシステムエンジニアとして経験を積み、独立。独立後は、エンジニアとイベント活動を両立したパラレルワーカーとして活動。現在はKaleSco.代表として、イベントの企画・運営・モデレーターをメインの活動にしつつ、1分で想いを伝えるピッチイベント「Talk Your Will」の事務局を運営し、人と人の繫がりを支援するサービス「Buddyup!」のエバンジェリスト、複業マッチングプラットフォーム「Another worls」のアンバサダー、一般社団法人ITC-Pro東京のテレワーク支援担当など幅広く活動中。


西舘)簡単に自己紹介をお願い致します。

柘植 )ドコデモ株式会社の拓植です。「SaaS型のVDI」というもので、テレワークのセキュリティー管理に役立つものを提供しています。
*SaaS型:Software as a Serviceの略、クラウド上で提供する定額課金のサービス/VDI:Virtual Desktop Infrastructureの略、デスクトップ仮想化

野崎)ミナジンの野崎です。当社は、勤怠管理や人事評価のクラウドのシステムを開発していて、それプラス、アウトソーシングや社労士の顧問、コンサルティングなどを中小企業やベンチャー企業向けに提供しています。

安達) ボックスジャパンの安達です。アライアンスの担当をしています。ボックスという会社は「クラウド・ストレージ」と言われがちですが、コンテンツ管理というサービスをクラウドで提供していて、添付ファイルも、ファイルサーバーも、25年間の古いアーキテクチャーもやめて「ボックスに移行しましょう」ということをやっています。

松本)富士通の松本です。シニアエバンジェリストをやっています。普段は「働き方改革」を中心に、今日のテーマでもある「在宅テレワーク」をどう進めればいいのか? という話を企業向けにさせていただいています。


◆予測できない時代の『働き方改革』

西舘)まずは最前線でテレワーク推進をバンバンやっている松本さんから、「今のテレワーク事情」についていろいろお話をお願いします。

松本) 国が法制度をいろいろ変えて「働き方改革関連法」が施行されました。大手企業は2019年4月から、中小企業も今年の4月から施行されて、取り組んでいる企業は大手が多く、従業員数2000人を超えるような企業においては9割以上になります。
でも、成功していれば、そろそろ「働き方改革」という言葉はいらなくなっていますよね? じつは、まだまだ成功に至っていないんです。
実際、現場の方々には「働き方改革されたと全く実感できない」という人たちが約7割いるんです。例えば「残業が減っていない」「休みがいまだに取りにくい」「無駄な仕事や会議が減っていない」と答えている方が非常に多いです。

働く時間を減らすために、残業の「45時間上限」や「勤務間インターバル制度」も設けられましたが、これらによって、じつは管理職にしわ寄せが行っています。
「働き方改革で改悪した」と言っている管理職は約6割もいます。部下が早く帰ってしまえば、当然ながら自分に仕事が回ってきて、さらには、自分がやらなければいけない付加価値の高い仕事に、なかなか手がつかなくなり、後継者を育てる時間もなくなります。

では、この「働き方改革」、なぜそもそも必要なんでしょうか?
理由は、今後、人材のリソースが大幅にいなくなるからです。
少子高齢化による労働力人口の減少や育児介護の問題。さらには、副業や兼業をする人も増えています。
このようなファクターから、40年後の未来には人材のリソースが今の約2割になってしまうと言われています。言い換えると、今の働き方をずっと続けていると「一人当たり5倍の仕事をしてください」という時代になります。

こういった状況の中、緊急事態宣言が発令されました。
全国的に「人と会う機会を8割減らしてください」、企業には「社会の機能維持に必要な方々以外は、原則在宅勤務をしてください」「出勤が必要なケースでも、最低7割減らしてください」「時差出勤して、人と充分な距離を取ってください」と国が言っています。
つまるところ、今までのオフィスに行って仕事をするというアナログな業務はもうできなくなりつつあり、「デジタルへの移行」が急務となってきています。

このデジタル化、すでにかなり先行している国があります。それは、「デジタル化先進国」とも言われる中国です。
中国は、今回の新型ウィルスでいろいろな取り組みをしました。
中国では1ヵ月近くの間、外出が禁止になり、家から一歩も出ずに生活をする人たちがたくさんいました。
中国のオフィスワーカーは4億人いると言われていますが、そのうちの2.5億人、全オフィスワーカーの6割が、完全在宅勤務に切り替えました。一部在宅勤務や、あちこち移動しながらテレワークする方も含めると、中国は8割超がすでにテレワークに切り替えています。

スターバックスは、場所を提供するサービスですが、中国では宅配のスターバックスも登場しました。さらには、パトロールはドローンを使って「密集しないでください」などと警告を出したり、病院の中では医薬品を運ぶロボットが活用されたり、無人消毒車が町中を走り回ったりしています。なかなか出掛けられない方には、無人販売車がやってきて、近場で物を買うことも可能になりました。
この無人配達車や無人消毒車は、在宅勤務の人間が5Gというネットワークを使ってコントロールしているのです。つまり、配送業の方々もテレワークができるんですね。

中国の対応スピードも素晴らしいです。ニュースにもありましたが、約1000床の病院が10日間でできあがりました。ネットワーク・インフラは、3日間で構築され、1週間後には、北京とリモートで結んだ遠隔医療がスタートしました。大きな病院ですから、中にスーパーマーケットもあります。これはわずか1日ででき、販売システムは、デジタルなので約5時間で完成したそうです。
このようにデジタルを使うと、対応速度が未知のスピードまで引き上げられていきます。
「日本はまだまだデジタル化していない」と思う方も多いかもしれませんが、もうすでにかなりデジタル化されています。それは仕事ではなくプライベートです。家族とのコミュニケーションの基盤は、LINEなどのSNSに変わりました。調べ物は、図書館で本を探すのではなく、ググったり、YouTubeで検索をするのが当たり前だと思います。

このデジタル化の目線を持つことが、今カギになっています。
「働き方改革」でも、デジタル活用が非常に重要になってきています。この話をすると、「いや……うちは機材や環境が整ってない」「制度が整っていない」「テレワークできる仕事じゃない」と答えられる方々が非常に多いです。
では、オフィスをそのままデジタル化すれば解決するのかというと、そうではありません。働き方を環境に対応させることが必要となってきます。
最近のスマホは、パソコンと比べても性能が高くなっていて、クラウドソリューションの多くがスマホに対応しています。それらをうまく活用すれば、今後、場所を選ばずに、非常に効率のよい働き方ができるのではないでしょうか。

変化はチャンスです。実際、私自身はスマホで仕事をすることが約7割。情報共有、会議、電話、資料作成、メール、スケジュール調整などもすべてスマホで行っています。残り3割はパソコンです。会社のサーバーにアクセスしたり、年間120回ほどある講演の資料も作ったりしていて、結果、4月1日以降は全くオフィスに行っていません。
時代は変わってきています。もうすでに、お客様はオフィスにいない時代に突入しかけています。そうなると、デジタルを活用した営業活動が必要になってきます。時間を決めて会議をするのもナンセンスになるでしょう。仕事の依頼先は、海外かもしれません。訪問して「契約書に印鑑をください」なんてこともできなくなります。
このように、物理オフィスで働くという常識が今後大きく変わっていくので、今日はこのへんを含めて「在宅テレワーク」について議論できればと思います。


◆テレワーク時代、もうメールや電話はいらない

西舘)参加者からは「アナログをデジタル化するテクニックについて、いろいろ聞きたい」という意見が多くありました。皆様の得意分野でもあるのでたくさんお聞きしたいと思います。

松本)「オフィスの中でスマホを使っていると怒られる」という人たちがいまだに多いのですが、今日参加されている方々がどうなのか聞いてみたいと思いました。
こういう古い考え方は、スマホ以外にも日本社会のどこかに残ってると思います。「会議は会議室にみんなで集まって、顔を合わせないとダメ」「雑談は自宅だとできない」「会社の書庫にいっぱい資料があって在宅勤務なんてできない」とか、さまざまな話を聞くんですね。ボックスさんは、当然ながら、仕事中にスマホをいじっていても問題ないですよね?

安達)そうですね。僕がボックスジャパンに入ったのは5年前ですが、前職で会社のスマホと、ライバル社を勉強するためにあえて個人携帯はガラケーを使っていました。ボックスに入ったとき、会社のスマホがなくなって「すいません僕、ガラケーしか持ってないんですけどいいですか?」と聞いたら、相手の目が点になって「すいません、うちの社員でガラケーしか持ってない人いないです」と言われました。
ボックスジャパンは今120人ぐらい社員がいますが、ガラケー1本で仕事をやっているのは、僕が最初で最後だと思います。それぐらい社員はスマホがないと仕事になりません。

松本)ボックスさんは、コンテンツ管理をされているから、それが普通だと思います。でも、なんとなくアナログからデジタルに移りたくない人には、いまだに「デジタルなんてなんとなくピコピコやるだけのもの」「スマホでどうやって仕事するんだよ」と思っている方々がまだまだ多い。

西舘)参加者の方からは「スマホは使えるけど、やっぱり人の目が気になる」というコメントが続いていますね。「タブレットだとスマホに見えないので、違和感なくバンバン使っています」とか。
出版社勤務の方。「自分は気にせず使っているけど、まわりの20代の人はみんな、40代50代の上司の目が怖くて使っていませんでした。会社でスマホの充電をしていたら注意された人もいます」とありますね。
でも、うちはそもそも固定電話がないです。

松本)テレワーク時代、通話は本当に必要ですか? という話が出てきます。私は、もうLINEなどのSNSでいいんじゃないかと思っています。

柘植 )私が大学時代に出会った留学生たちは、みんな文字打たないで、声を録音するボイスチャットは多かったですね。結局、文字すら打たないという。

松本)オンタイムじゃないという点で、電話とは違いますね。

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安達)過去から今にかけてコミュニケーションの手段を「距離、到達時間、タイミング、感情」の4つで評価して、「コミュニケーションテクノロジーの変遷」として簡単にまとめてみました。これは安達解釈なのでツッコミ大歓迎です。
古くは「面談」で、最初のテクノロジーの進化は「お手紙」です。お手紙は距離の壁を超えたけど、そのぶん数日かかるし、感情が乗せにくいと思います。その次は「電話」です。電話だと即時に伝わるし、感情もだいぶ乗せやすく、手紙よりはよくなりました。今度は「メール」です。メールは、見たい時に見られる、要は相手と時間を合わせなくて済むぶん、文字だけなので感情が伝達しづらくなりました。
今皆さんが使っているウェブ会議やチャットは、「感情の伝えやすさ」という点で面談に近く、スタンプやアイコンがつけられるので感情も乗せやすくなりました。でも、メールは話がこじれやすくて、電話は相手の時間を縛る。ウェブ会議とチャットで大体の仕事ができるから、もう古いメディアを使う理由がないですよね?

柘植 )正直、今やろうと思えばデジタルで何でもできますからね。

松本)ある大学が、メールで学生さんに案内を送ったところ読んでくれなかったと。それでLINEに飛ばすようにしたという話がありました。理にかなっているなと思いましたね。
メールは読みに行こうとしないと読まないし、読みに行くのも面倒くさい。そのへんSNSだと敷居が下がるし、コミュニケーションにもつながりやすく、いろんなところで情報の補足ができるんですよね。
じつは、メールや顔を合わせて話すという部分を変えてみると、今まで以上に仕事の効率が上がるのではと思います。


◆「社員がちゃんと働いているのか不安」問題

拓殖)効率関係でいうと、テレワークはもう効率がよすぎて、8時間でいいところを10時間も20時間も働いちゃうという人がいますよね。私もその1人ですが、総務や人事部からしたら「こういう人たちを出したくないな」と思うんですが、野崎さん、労務管理まわりで何か面白い例はありませんか?

野崎)“テレワークと勤怠の問題あるある”だと、「社員が本当にちゃんと仕事をしているのか?」というものが多いですね。そもそも、働きすぎちゃう人をどうコントロールするかという問題は、デジタル・アナログ以前から大企業に多い印象です。
「在宅勤務時は残業ナシ」というルールだけできてしまうと、「残業しなきゃいけない状況だったらどうするのか?」という部分は、「お前ら残業したって言うなよ」「定時で終わったことにしとけよ」と暗黙の了解になっているという話をよく聞きますね。

松本)ちょっとブラック企業ですね。「働き方改革」も一緒で「45時間以下になっているエビデンスをちゃんと取るには、どうすればいいですか?」と言われます。
しかしこれは、仕事のやり方を抜本的に変えないと解決しません。隠れ残業をやらざるを得なくなる人もいれば、全く働いてないのに8時間やったようにエビデンスをあげる人たちも出てきて、結果的には、従業員の人たちが二方向に不幸になっていくのかなと。要は、何もやらなくても給料がもらえる人と、やりすぎちゃって疲弊してやめていく人たちが出てくると、会社としてもかなり大きな課題だと思いますね。

優秀な人たちは、どんどん辞めていっちゃいますよね。世の中ここまで転換期を迎えて、今、自宅でみんな仕事をやるようになりました。今日の登壇者には、9時5時で仕事をしている人は一人もいないと思いますが、「なぜそもそも9時5時で仕事をしているのか?」を皆さん見直さなきゃいけないと思います。
9時5時という働き方は、もともと工場でライン作業をやる人たちのためにあったわけです。そこに管理職が張り付いて、ちゃんと動いているのかどうか、ちゃんと仕事をしているかどうか監視しなきゃいけなかった。でも、オフィスワークは、工場のようにルーチンワークがありませんよね。

柘植 )弊社の人間、夏に1ヵ月間失踪する人もたまにいるんですよ。「もう働きたくない、やだー」て消えて、毎年すごく胃が痛いです。
ただ、私が最近知ったのは、「遊びたかったら死ぬまで遊んで来い」と自由にやらせたほうが、社員は遊ぶことにもサボることにも飽きて、勝手に高い生産性で仕事をやってくれるようになるということです。
最初は、失踪した社員に毎日LINEスタンプ100個とか送っていましたけど、そんなことしなくても、逆にこっちが諦めたら勝手に仕事をしてくれて、「管理しない管理」も意外といいなぁと思いましたね。

弊社のクライアントに、「フルリモートワーカー」と言って、100%在宅で雇用する形態の会社があります。ただ、そこの管理手法は、ズームなどのテレビ会議ツールをつけて24時間監視する、というものだったんです。私は、パワハラや社員のプライバシーの問題で訴えられるぞと思っていたんです。
この前もニュースで、社員のPCにテレビカメラつけて、立った瞬間も全部ログに残って「この人離席しました」「働いています」ということが秒単位で管理されることを、お偉いさんたちが「これがテレワークだ! どや!」と言っていて、「いや、それやばくね?」と思いましたね。そんなことやったら社員の生産性もモチベーションも下がるし、辞める人も出るだろうなと思いました。
これに対して皆さんどう思われますか? 個人的には、働く人たちはもっと怒っていいんじゃないかという気がします。

安達)子供扱いですよね。もう高校生ぐらいになったら監視してなくても勉強する子はしますしね。

柘植 )なんかこのへん、野崎さんは、クラウドの勤怠管理とかされているので思うことありますか?

野崎)テレワーク時代の「勤怠管理システムに要求される事例」として、「どこにいてもスマホやPCから打刻できる」「各種申請もシステム上でできる」「勤怠データをリアルタイムで共有できる」などまでは普通だと思います。今、残業時間の上限を破れば罰則規定もあるので、社員がどれくらい残業をしているのかリアルタイムで見られます。
でも、「複数のITツールを連携させてアクティビティログを収集する」という部分から怪しくなります。このログから、誰が誰にどのくらいメールしているのか? どのファイルをどのくらい開いているのか? などがわかるようになります。すると、会社はそのデータと勤怠のデータを突き合わせて、「本当に仕事をしているのかどうか?」を確認するという話になるんです。

半年ぐらい前なら在宅勤務をしている人は一部だったので、「あなたは在宅でいいよね」などとまわりから言われて、本当はすごく真面目に働いているのにサボッてると思われるから、逆に「ちゃんとやってるから見てほしい」という社員からのニーズがあったんですね。
でも、PCカメラで自動撮影された画像が数分間隔で在社メンバーと共有されるシステムというところまでくると、勤怠管理とはあまり関係ないですよね。
会社の規模が大きくなればなるほど、人事部に管理思考の方が多くなります。人事は管理する仕事なので、問題が持ち込まれる部署でもあります。とはいえ、もし自分が採用されて入ろうという会社から、事前にこういうことをやっていると聞いたら、入社するのどうしようかなと思いますよね。

これは、性善説・性悪説という二分論の話ではないと思います。会社の風土もありますし。我々事業をやっている立場からしても、こういう話が出てきたときは「やめときましょう」とお話することが多いですね。でも、やっぱり社員を管理したいという声は多いです。とはいえ、人事の人も忙しくて、残業が多かったりするので、ログだけ取って見ていないという笑い話もあります。

松本)「管理職が全部チェックしなさい。それはあなたの管理責任だ」と言われちゃうと、管理職の人たちは仕事ができなくなっちゃいますね。だったら、管理職の人たちが次にやる手は「お前らを監視するためにオフィスに来なさい」としか言いようがないですから。
だから、在宅テレワークに本当に切り替えられるかどうかは、「管理に対する考え方」と「現場の人たちへの権限委譲」ではないかと思いますね。そうしないと、権限がない人たちからしたら、「成果を上げるか上げないかは、どうせ上の都合なんでしょ? 時間分働いていれば何をやっていても問題ないんでしょ?」という話になってしまいます。

西舘)コミュニケーションを円滑にするために、今その人が席にいるか確認したいという話は聞きますが、社員を縛り付けるためにやるのは、どうしてもいやな印象を受けますね。

野崎)弊社のシステムでも、打刻は打刻でして、PCのログオン・ログオフのデータを取ってきて、本当の勤務時間とログオン・ログオフの時刻を照らし合わせてギャップを見るという機能があります。リクエストがあって一部公開していますが、もともとは、労働時間の過少申告を会社が問題視して作られました。
会社は実態として残業を減らしていきたいけど、若干パワハラ気味のマネージャーがいる部署では、労働時間の過少報告があり得るんですよね。営業で「お前、成果出してないのにもう帰るのかよ」みたいな話はいまだにあります。人事部には見えないからと言って、現場任せにするのではなく、人事部もデータを見て、何か問題がありそうなら、マネージャーを呼んで話をします。

しかし、仕事をしていないのに帰る「労働時間を水増し」がないかチェックしようとする会社もあって、同じツールでも、そういった思想の違いがあります。会社の思想はとても重要です。同じ道具でも、いいこともできるし、悪いこともできる。なんでもそうだと思います。包丁で人を殺せるのと同じことですよね。

西舘)テレワークで「サービス残業をどう可視化するか」という問題は、性善説でログデータを使うのが大事、ということなんですね。

野崎)時間管理は、どんどんセルフマネージメントになっていくし、なっていくべきだと思います。ホワイトカラーなのに時間で給料もらっているというのは、欧米と比べても、ちょっと独特です。本当は、そこに一番問題があると我々も思っています。
とはいえ、「時間ではなく成果で評価すべき」という話だけだと、ブラック企業でサービス残業をしている人たちは減らないので、分けて考えないといけませんけど。


◆テレワーク時代でも必要なアナログなもの

柘植 )「サービス残業」の話でふと思いましたが、ブラック・ホワイト関係なく、優秀な人には仕事が集まる傾向がありますよね。それでもし「自分で頑張らなあかん、もっと俺はやらなあかん」と思って倒れちゃったということが起こると思います。特にテレワークだと、基本的に毎日の顔色とかが伺えないから、働き過ぎを回避するには、ログデータを取るメリットはあると思いました。
社員の負荷を分担するのは、上司とか経営者のお仕事ですし、仕事を分担させるためにも、ログは必要かと。松本さんとか安達さんはどう思いますか?

安達)僕は「一番必要なのはログですか?」と疑問に思っちゃいます。
大事なのは、社員の顔色や話したときの反応の速さや遅さとかじゃないかなと思うわけです。極論言っちゃうと、たくさん働いてもいい。でも、体調に異変をきたすようなオーバーワークはやめたほうがいいし、それは管理職として止めたほうがいいと思います。
だから、画面越しだと顔色が見づらいという問題はありますが、ログが欲しいと思ったことは正直ないんですよね。データじゃなくて、人間と人間の付き合いやコミュニケーションのほうが大事だと思います。

野崎)人事は、直接社員が見えないので、ログデータなどの客観的なもので見るしかない。でも、チーム単位で見ると、安達さんのおっしゃる通りだと僕も思います。だから、本来、働き過ぎは勤怠の問題ではないですよね。

松本)ジャストアイディアですが、人事の方がオンラインで定期的に面接をしてもいいのではないでしょうか。疲弊しているようであれば、ちょっとした会話の中でもニュアンスとして出てきます。上司よりも、相手を知らない第三者のほうがわかりやすいという気もするんです、カウンセラーみたいな人とか。
人事ができないなら、産業医による面接を定期的にオンラインで5分でも10分でもいいからやって「この人、最近ちょっと疲弊気味だけど、どうかな?」というフラグさえ立ててくれれば、後はどうにかなるという気がしますね。

データで難しいのは、「パソコンの前にずっと座って何かをしている」というデータが残っていても、何をやっているかがわからないということです。例えば、ファイルを作っていても、ファイル名は「お客様の納入データ」と見えていても、中身は「ギャンブルのオッズデータ」かもしれない。データは、いくらでも誤魔化しようがあります。唯一誤魔化せないのは、リアルな人だと思います。
完全にデジタル化するというのは、本当はあまり良くないと思っています。アナログでコミュニケーションを取ることは、絶対どこかで必要となるんですよ。

柘植 )アナログは100%必要ですよね。

松本)顔色を見る、ちょっと話を聞いてみる、ちょっとした相談に乗ってみるなどでもいいという気がします。それが、言いづらい社風や言う場所がないような会社だと、いろんな物を抱え込みすぎちゃって潰されてしまいます。

安達)半分笑い話ですけど、僕の昔のチームメンバーにすごい仕事好きな奴がいたんです。人事からも「ちょっと働きすぎだ」と頻繁に言われていて、僕もその彼に言いますが、彼からすると「働きすぎと言われることがストレスだ」と。「放っといてくれたほうがいい」という人もいるので、データを見ることは大事ですけど、データをそのまま運用につなげちゃいけないなと思います。
アナログとコミュニケーションと信頼関係があって、それでデータも見るぐらいにしないと間違っちゃいますよね。

先ほど、松本さんに「9時5時で働いてないですよね?」と言われたので言いにくかったのですが、僕は、6時にパチンと仕事を終えたらその後は、オンラインのビジネススクールで勉強しまくっています。
どちらも知的生産活動ですけど、僕の中では頭の中で完全に切り替わっているので、いいリフレッシュになっているんです。でもこれは、やっている本人にしかわからなくて、「そんなにずっとパソコンに向かっていて大丈夫?」と心配されますよね。
松本さんが仰っていたように、ログデータではなく顔色とかで判断したほうがいいと思います。


◆テレワークでも孤独を感じない「雑談の場」

安達)弊社は、インフォーマルコミュニケーション(世間話や雑談)を大事にしていて、トライアンドエラーでやっている事例があるので紹介したいです。
「ビフォーコロナ」では、会社のカフェテリアでランチが支給されて、みんなでご飯食べて、普段仕事で関わらないような人との会話を促進していました。また、会社の中に“CFO(Chief Fun Officer)”という役割の人がいて、面白い企画を考えます。ボランティアで、持ち回りでやるんですが、面白いビデオ撮って、世界中のボックスのCFOが集まり、どこの地域が一番面白いビデオを作ったか見せ合ったりします。“Coffee Chat”では、CFOが決めた年代も入社年次も違う3人のチームを作って、スタバのカードを配り、みんなでコーヒーを飲んでくるように勧めるんです。すると、仕事の話も出ますが、結構世間話だったりするんですよね。
あと、“Learning Fest”と言って、課題図書を決めて読んだ人たちで語り合う読書会の場や、“学びの場”と言って、1人が何でもいいから好きなテーマで1時間しゃべる場があります。自分が得意なことを他の社員に伝えるような場になるので、エンゲージメントが上がるんですね。あと“部活の場”もあります。要は「飲みニケーション」に頼っていないんです。

これらは、コロナになってできることとできないことがあります。さっきのカフェテリアでランチはできないので、バーチャルでそれぞれがお昼ご飯を持ってきてよもやま話をするランチタイムになりました。
また、チームメンバーとしゃべりたい人のために、朝9時にとりあえずズームを開けて、忙しかったら来なくてもいいという感じにしたり、“Coffee Chat”も“学びの場”も“部活の場”も全部オンラインでやってます。
こんな感じで、オンラインにシフトしてもできることもあるので、こういうインフォーマルコミュニケーションの場づくりは、テレワークになってもやるようにしていますね。

社外のイベントに行くと、「テレワークは日常会話や雑談が減るので、孤独感がありませんか?」ということが話題になるようですが、うちの社員は「孤独感はないですよ」と言いますね。
スラックに全社員入っているので、誰かが何かアホな話をつぶやいているのもつねに見ているし、アンケートをすれば回答率も50%あってエンゲージメントもすごく高いんです。

松本)雑談は重要ですよね。ボックスさんみたいに「コミュニケーションを取るための雑談なんだから、やり方なんてこだわらなくていい」という考え方は、ものすごくいいと思いますね。テレワーク時代に合ったデジタルの使い方をすれば、アナログ時代よりももっとよくなることが増えると思いますね。

安達)デジタルだからこそできることはありますよね。例えば、ズーム飲み会を何度かやりましたが、普通の飲み会だと、10人で飲み行っても4人の会話になるところが、ズーム飲み会だと10人の顔が同時に見られる。こういう「デジタルだからできること」に目を向けて、何を楽しむか、何をやるかがすごく大事だなと僕も思います。

野崎)当社もスラックを使って今ほぼフルリモートになっていますが、40代50代を中心に「やっぱりオフィスで仕事したい」という声が上がっています。
例えば、家族の理解を得るのがなかなか難しくて、家にいると母親がいろんな仕事を言いつけてくるとか、子供がいることの問題とか、そうじゃない人との間に見えない溝ができるわけですね。

うちは、全員ではありませんが、スラックに誰でも覗ける自分のチャンネルを持って、Twitterみたいなものを作りました。
それを見ると、同じような家庭環境の人が結構いることがわかって、親や家族に対して文句をぶちぶち言っていた人も、「自分だけじゃないんだな」と気づいて孤独感みたいなのがなくなり、前向きな人を見れば「自分もやっていけるかも」と思ったりするようです。
家族とちゃんと話をしようと思って「今は仕事だからこの時間は話しかけてこないで」と伝えてみたり、逆に、5〜8時は料理と一家団欒の時間として割り切って、そのかわり「8時以降は仕事をするので、話しかけないで」と家族に伝えるみたいなことをやるようになるんです。

すると、テレワークを始めて2〜3週間経ったタイミングで、最初はオフィスがいいと言っていた人も、「もうなんか慣れたなぁ」「これはこれでいいな」と、短期間でかなりポジティブになってきました。
先程のテクノロジーの変遷の話にあった、手紙から電話、メール、オンラインチャットの流れの中で、メールからチャットへのジャンプアップができない方は結構多いと思います。でも、スラックなどのオンラインチャットをどう活用するかが、今後、会社にとってすごく大事になってくると思いますね。

安達)仰る通り、メールから後のジャンプができてないんですよね。
メールまでは「一対一」がベースになっていますが、スラックは「オープン」がベースなので、大きな発想の転換が起こっていると思います。

松本)日本は9時5時で働く中テレワークをしているので、大抵の会社が規則に「仕事とプライベートを両立しないでくれ」「仕事中は仕事に集中してください」と書いていることが非常に多いんですね。
でも、今回のテレワーク中、家族から何かしら依頼をされたら、手伝う、食事を作る、洗濯をするなどしていたと思います。そこを、会社も制度をちゃんと変えておかないと、テレワークはうまくいかないです。
人と人とがいる限りは、何かしらのコミュニケーションや協力関係は発生するんです。「重要な会議だから犬を入れてくるな」じゃなくて、犬を膝の上に乗せながら重要な会議に出てもいいと、個人的には思います。でも、会社が「仕事中にペットの世話をしちゃいけない」というルールにしているとできないので、規則も変えないといけないし、意識も変えないといけないんです。

今、古いオフィスに残っているものを、このテレワーク時にどうするのか、という話も出てきます。例えば、会社にサーバーがあるから、ハンコ出社と同じで、オフィスに行かなきゃいけないということが起こります。そこを会社は解決しないといけない。そのへんはドコデモさんのほうが、いろいろ経験ノーハウがあると思います。


◆テレワーク時はアウトプットを多めに

西舘)続きのお話を聞きたいところですが、時間があっという間にすぎてしまったので、討論のほうは一旦ここで終了となります。
いろんな話が出てきて、もしかしたら参加者の方には「雑談しているだけなんじゃないか」と思われたかもしれませんが、こうやって何でも話せる関係性は大事ですね。
コメント欄でも、労働時間で評価される仕組みに疑問を感じている方が多く見られました。オフィスに行って帰ることも仕事とみなされていた古い価値観から時代は変わってきたので、人と人の関係作りや評価制度、働き方など、すべてを次の時代にアップデートしていくことが、今まさに求められていることだと思いますね。
今日ここにお集まりいただいた皆様が提供しているツールが、その手助けになると思うので、ぜひ参考にしてみてください。

拾っておきたいコメントが一つあるので、皆様にお答えいただきたいのですが、「能力のない人は生活できなくなるのですか?」とあります。
テレワークによって「働いた時間」ではなく「アウトプットされたもの」で評価される時代がくると思いますが、アウトプットするのが苦手な方は、やっぱりいますよね。そういう方はどうアプローチしていけばいいのか? アドバイスがあれば、ぜひ伺いたいです。

安達) 2つあります。1つは能力と成果は違いますね。能力があっても仕事をしなければ成果はゼロなので、僕は能力評価ではなくて、成果で評価するものだと思っています。

もう一つは、成果を出すためにはどうしたらいいか? について2つあります。仕事をする上でモチベーションはすごく大事なので、「どうしたら自分のモチベーションは上がるのか? どうやって上げるか?」を考えたほうがいいと思います。
もう一つは、テレワーク時は、いつもよりアウトプットや発信を多めにしたほうがいいと思います。人は、アウトプットが評価されると、モチベーションも上がります。リモートワークで危険なのは、1日中黙って仕事をしていると会社での存在が無になっちゃうということです。でも、アウトプットで相手からフィードバックが得られれば、モチベーションも上がって成果も上がるサイクルになっていくと思います。

西舘)仕事のソリューションになるような記事を見つけたら、つねにシェアするとか、そういうことから始めるのでもいいですよね?

安達)そうです。少しでもいいから人に影響を与えるということが、すごく大事だと思います。

西舘)オフィスにいれば、黙っていても話しかけてもらえるかもしれないけど、リモートワークになると、反応すらも獲得しに行かなきゃいけないということですね。

松本)自分からの発信、重要ですよね。セルフプロデュースじゃないですけど、上司から見たら、部下がやっていることの一個一個はわからないですから。私の上司は、私の活動を何で見ているかというとFacebookなんです。「講演してたね」「こんなことやってんだね」とか言ってきますが、上司が理解してくれるというのはものすごく重要だと思います。

西舘)それ、すごいですね。特に報告していないのに、上司がSNSを見にきているということですよね?

松本)そうです。目に付くところに自分の成果をちゃんと書くということは重要ですね。

野崎)マネージャー視点に立つと、社員の発信が活発になるような場を、オンライン上に作ることが必要だと思います。テレワークは、「コミュニケーションと業務のオンライン化&デジタル化」という話なので、すごく評価しやすい面もあります。
例えば、僕が今担当している部署は、東京、大阪、福岡、ベトナムのダナンの4つで、コロナ以前から、コミュニケーションをスラックに集約させていました。すると、マネージャーはスラックを見ていれば、今誰と誰がどんな話をしているのか、どんな問題が起きているのかを可視化できる。
だから、会社に行けない代用品としてのオンラインツールではなく、オンラインであるからこそ得られるメリットはすごく大きいと思います。
得られるものを最大限活用していく視点は、マネージャー層の人には持ってほしいですね。自己アピールやセルフプロデュース、発信にも得手不得手があるので、マネージャーは、パフォーマンス(成果)に寄りすぎないように、「しっかり自分も見ているよ」ということを部下に発信していくのがすごくいいと思います。

柘植 )多くの企業が、成果と生産性は、日中の時間に対して言われていますよね。弊社は、創業当時からテレワークをやっていますが、「成果が上がるなら、いつ働いてもいいよ」と言っています。個人にとって働きやすいなら、もうオフィスに来なくてもいいと思っているんです。
弊社のCTOが、夜型かつオフィスに来ないと仕事ができないタイプで、彼の出社時間18時なんです。18時に出社、24時帰宅で、端から見たらブラックですけど「労働時間」6時間あるかな? という感じですね。

安達)「ロンドン時間」ですね!

柘植 )あははは!うまい!

西舘)僕も夜型なので嬉しいですね。

柘植 )集中できると生産性は高くなるので、いつどう働くのかはあんまり気にしなくていいと思います。
じつは能力がないって思っているだけで、夜だとめちゃくちゃ生産性が上がるとか、カフェにしたら集中できるなどということがあります。以前、弊社に統合失調症のような人がいましたが、オフィスには来られないけど家で働いたらめちゃくちゃ生産性が高かったということがあったんですよね。そんなこともあって、会社は社員に「自由な働き方」を推奨して、働く環境は個人が選べるのが大事かなと個人的には思います。

西舘)「自由な働き方」というと「勝手なことしてる」とイメージする人もいますが「その人に合わせた働き方」ということをですね。

柘植 )そうですね。要するに、会社はその人の生産性が最大化できる関数を見つけてあげることが大事だと思っています。逆にいうと、そこまでしても成果が出ないんだったら、その人に合った職は違うところにあるんじゃないかと正直思っちゃいますね。


◆テレワークを定着させるために

西舘)最後に1テーマだけ。会社で在宅テレワークを定着させるために、まずやったほうがいいことや注意したいことを、それぞれ一言いただいてもいいですか? 例えば、仕事で困っているなら、上司にこういうことを伝えたほうがいいとか。

柘植 )2つあります。
まず1つ。会社が「テレワークいやだよ」と言っているなら、もう皆さんでボイコットしましょう! 日本の労働者みんな優しすぎる! もっと雇い主に対して厳しくいこう! と私は思います。自己主張をして、自分の身は自分で守って、そのかわりに生産性を上げていきましょう。私はそれが正しいと思います。なので、皆さん甘えずにどんどん戦って主張しましょう。その権利は皆さんにあるんですから。

もう1つは、テレワークのことがわからないんだったら、考える前に1回やってみたらいいんじゃないですか? ということです。最悪、オフィスにあるパソコンやUSBにデータを入れて持って帰っていいから、小さな仕事から始めてみたらいいと思います。やってみたら何とかなるんじゃないかと思っています。

安達)このコロナで、社員にリモートワーク環境を提供することは、会社の責任としてやるべきだと僕は思います。とはいえ、一気にジャンプアップできないのでお勧めしたいのは、「テレワークが全くできない」から「テレワークできるけどやりにくい」という次のステップに行く努力を会社としてしませんか? ということです。
社員も、会社が努力している姿を見ればわかってくれると思います。柘植さんが言うように、社員は会社が頑張ってくれているかどうかを見ましょう。この状況でも、社員にテレワーク環境を用意しないと言い張る会社は、本当に働き続けたい素晴らしい会社ですか? ということをご自身で判断したほうがいいと思います。そこで、会社を飛び出すという選択肢もあれば、「その点以外は素敵な会社だ」というのだったら残ればいいと思います。

野崎)私はクラウドのツールのベンダーでもあるので、若干ポジショントークっぽく聞こえるかもしれませんが、「うちの会社は、こういうツールを使って業務をやってます」というのを、面接の時にお伝えするようにしています。

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ここに載っているのは、ほとんどがクラウドのツールで、当社が今回、テレワークにスムーズに移行できたのは、このツールで業務がほぼ完結するからです。
これ以外にも、じつは今回たまたまドコデモさんのことを知って導入し、一部どうしてもテレワークが難しいというオンプレミスのツールが今まであったのですが、ドコデモさんのおかげでそこも移行できました。

柘植 )ありがとうございます。

野崎)これらのツールを使わなかったら、結局皆さんエクセル、ワード、メールなどで業務をやっていると思います。もし、勤怠はタイムカードでして、それをエクセルに転記して、集計させて、それを計算ソフトに手入力してみたいなことをやっているのであれば、その業務に特化したクラウドのツールがいっぱいあるので、そのメリットをぜひ感じてほしいです。初期投資額もすごく安くできるものばかりです。
経費の精算も、電車の経路を調べて、金額出して、エクセルに入力して、それをメールで送ってみたいなことが起こりますが、一回ツール入れちゃうと、そんなことやってられなくなります。すると、テレワークに対する抵抗感も、全社的に自然となくなると思います。

安達)いやー……素晴らしい! ポジショントーク、僕忘れていました! ありがとうございます!

野崎)全体的な話として自分の話をさせていただきました。

拓殖)最後、野崎さんが全部持っていってくれました。

西舘)でも、松本さんがさらにいいことを言ってくれると思います。お願いします。

松本)今のオフィス環境は、ここ30年ぐらい変わっていないと思います。私も、もう30年近くメールを使っていて、エクセル、ワード、パワーポイントというものも25年前と何も変わっていない。ここをもう一回考え直してみることが重要です。
アフターコロナが近々来るのか、1年後に来るのかはわかりません。でも、そうなったときに、どこにいても仕事ができる環境が絶対的に必要になってくると思います。そのためにも、今日ご参加いただいた皆さんには、SaaSサービスをぜひご検討いただければと思います。

西舘)さっき松本さんにご紹介いただいたSaaSサービスの話でいうと、無料期間があるもの、1ヵ月数百円のもの、1アカウントから使えるものなどもありますね。ズームなどのミーティングツールは大体タダですし。いろんなものを試してみて、いいものをどんどん当てはめて働き方をアップデートできたらいいなと思います。
一人で悩まずに、皆さんで解決していければいいですね。


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