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【続】【前代未聞】東北新幹線(はやぶさ+こまち)が高速走行中に分割(連結器が解放)-車両製造時に混入した金属片で(富士電機製コマンド)スイッチの端子間が短絡

併合作業(連結)が完了しない場合に再度分割(連結器を解放)させるために扱う(操作する)スイッチの端子部に金属片(ドリル加工時に発生する切屑?)が接触したそうです。

※ 上記写真のようなスイッチ富士電機(現在は子会社である富士電機機器制御)製のコマンドスイッチの端子間が金属片(ドリル加工時に発生する切屑?)で短絡したようです。


先日、東北新幹線で極めて稀な(前代未聞の)事故が発生して以来、原因の早期究明が待たれていましたが

本日、JR東日本から(下記に引用した通り)調査結果および暫定対策・恒久対策が発表されました。

東北新幹線古川~仙台間はやぶさ・こまち6号が走行中に
連結部が外れ停車した事象の調査結果と対策について


東北新幹線の車両分離、金属片でスイッチ誤作動と推定(日本経済新聞)
Shibata-Style Train Coupler

3.詳細調査及び追加点検結果

3-1.詳細調査

当該列車のE6系こまち号(後側編成)の詳細調査において、通常の分割併合作業に関わる回路などに異常は認められませんでしたが、併合作業が完了しない場合に再度分割させるために扱うスイッチの端子部付近に、金属片(切屑)が発見されました。スイッチの裏面周辺に他にも金属片があり、この金属片を用いて端子部に接触させる試験を実施したところ、連結器が分割する動作が再現されたので、以下の追加点検を実施しました。

なお、当該のE5系はやぶさ号(前側編成)では異常は認められませんでした。

3-3.追加点検結果

(1)点検内容

連結器を分割させるスイッチの端子部付近に金属片がないか点検を実施しました。

(2)対象車両

併合運転を行うE2、E3、E5、E6、E8系(全96編成)

(3)点検結果

9月26日(木)朝までに全編成の点検を終了しました。当該編成を除き、分割させるスイッチの端子部付近には金属片が付着していないことを確認しましたが、E6系全23編成中、当該編成の他の10編成において、スイッチの裏面周辺に金属片があり、除去しました。

なお、E2、E3、E5、E8系においては、金属片は認められませんでした。

4.推定原因

E6系こまち号の調査において発見された金属片により、E6系運転台に設置されている、併合作業が完了しない場合に再度分割させるために扱うスイッチの端子間が短絡しました。これにより、本来スイッチを扱うことで電気的につながる箇所が強制的につながり、連結器が外れたものと推定されます。

この金属片は、車両メーカーとの調査によると、車両の製造時に発生したものの一部が車体内部に残っていたものと推定されます。

5.対策

(1)暫定対策

① 対策内容

当該のスイッチから配線を取り外し、回路を無効化します。

② 対象車両

併合運転を行うE2、E3、E5、E6、E8系(全96編成)

③ 期限

E6系車両については、9月24日(火)より対策に着手しており、9月27日(金)までに完了する予定です。

その他のE2、E3、E5、E8系車両については、10月末日までに対策を実施します。

(2)恒久対策

連結器を分割させる回路が走行中に動作しない仕組みに見直します。

東北新幹線古川~仙台間はやぶさ・こまち6号が走行中に
連結部が外れ停車した事象の調査結果と対策について
穴あけ加工の基本を学ぶ
切りくずの特徴と穴の繰り広げ
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切りくずの特徴と穴の繰り広げ
発見された金属片(ドリル加工時に発生する切屑?)
誤作動したスイッチ(接点ユニットの周辺)

※ 製造メーカー(おそらく、富士電機(富士電機機器制御))と型番は非公開
誤作動したのは(おそらく)このようなスイッチ(富士コマンドスイッチ)
誤作動したのは(おそらく)このようなスイッチ(富士コマンドスイッチ)
誤作動したのは(おそらく)このようなスイッチ(富士コマンドスイッチ)
短絡したのは(おそらく)このような接点ユニット
短絡したのは(おそらく)このような接点ユニット
短絡したのは(おそらく)このような接点ユニット

残念ながら、JR東日本の発表資料には(おそらく)運転席(運転台周り)に備えられている当該スイッチの場所や配置に関する記述はありません。

以前の記事でもふれましたが

諺に「千丈の堤も蟻の一穴より崩れる」とあります。列車も、航空機も、発電所も、蟻の一穴から大きな事故が起きることをいま一度思い返しながら、身の回りを点検したいと思います。









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