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視点の自由研究No.130「視点_メンツ(面子)」

皆さんは、メンツという言葉を知っていますか?どうやら言葉的には麻雀のメンバーから来ているようです。メンツを揃えるなど人数を揃えるという意味合いもありながら、体面や面目などの意味としても使われます。今回は後半の意味合いでのメンツ、すなわち体面を考えてみたいと思います。

「古き時代」

もはや古き時代といっても過言ではないかもしれません。広告業は面子を重んじる文化がありました。広告代理店(もはやこの言葉自体にも時代を感じるようになりました)はクライアント対応などや、制作会社との対応において面子を気にしていた時代がありました。
制作会社としてはしっかりと対応したつもりでも、広告代理店側から見たときに丁寧さに欠けていると感じさせてしまったり、マメな連絡がないなどで扱いとしての尊重がなく、お叱りにつながったりと、本来業務にプラスしてメンツを保つという対応が求められることもありました。

まさに広告代理店としてのメンツ。

映像制作は、サービス業にカテゴライズされるタイプの仕事ですが、関わるスタッフには、クリエイタータイプの方も多くいます。レスポンスとしてクリエイターさんの連絡などには、制作会社側から見ても情報量などが足りないなと感じることも多いのですが、そうしたメンバーをコントロールし、クライアント対応していくことも求められることなのは今も変わっていないかもしれません。

「体面」

2024年の今、広告はデジタルが主戦場になりました。結果は如実に数字として現れ、クライアントと並走していくことが求められています。かつての業者的な意味合いからパートナーとしての活動に重きが置かれていると感じています。そうしたデジタルに慣れてきた世代は、映像制作スタッフもパートナーとして見てくれることも多くなりました。
映像などのコンテンツをデジタル上で運用するにあたり、業者的に扱っていては変化の対応に苦労してしまう。また時代の流れとしても下に扱うことへのパワハラ的な意味合いとしても業者扱いということに無理が出てきているのかもしれません。今の時代に求められるクリーンさと生き方を考えるとメンツというものはもはや自身の行動の足枷になりつつあるのかもしれません。

しかし、まだまだこうしたメンツを気にする方もいるのは間違いありません。最後にそんなメンツを振り翳してくる方への対応も考えておきたいと思います。

「バカになる」

個人的な対応としてやったことがあるのは「バカになる」ということ。メンツを出してくる相手にやってはいけないことは、こちらもメンツをかざすことです。確かに心中穏やかではいられませんが、ビジネスの流れ上、どうしても下にいる側は弱いのは間違いありません。こちらが正しくても、妥協点を速やかに見つける必要があります。
そんなとき、相手に対してバカ(なフリ)になることも一種の手になります。メンツを気にする人は、大抵プライドも高い。そのプライドの高さに対してこちらがさらに下に下がってしまうと呆れてしまう。この落差が相手に気持ちの余裕を生みます。一種の極論ではありますが、ケンカの回避には使えます。

緊急回避策ではありますが、皆さんの一助になれたら幸い。自分としてはメンツを振りかざすこと自体が、損になる時代であるということを感じる今日この頃です。


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