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青山美智子『月曜日の抹茶カフェ』


あらすじ

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。
その「マーブル・カフェ」が定休日の月曜日に、1度だけ「抹茶カフェ」を開くことに。

ツイていない携帯ショップ店員と愛想のない茶問屋の若旦那、妻を怒らせてしまった夫とランジェリーショップのデザイナー兼店主、恋人に別れを告げたばかりのシンガーと実家の祖母と折り合いが悪い紙芝居師、時代に取り残されたと感じている京都老舗和菓子屋の元女将と自分の名字と同じ名前の京菓子を買いにきたサラリーマン……。

この縁は、きっと宝物になる――。

人は知らず知らずのうちに、誰かの背中を押していることに気づく、
一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ12ヵ月の心癒やされるストーリー。

『木曜日にはココアを』のおなじみのメンバーも登場するシリーズ続編です。

本の総合カタログ「Books」出版書誌データベース


刺さった言葉

◎痛みを覚えることは、痛くないようにする方法も一緒に覚えることに等しかった

◎僕は思うんだけど、望み通り想定したままの事を手に入れたとしても、それだけじゃ夢が叶ったとは言えないんだよ。そんなふうに、どんどん自分の予想を超えた展開になって、それをちゃんとモノにしていくっていうのが、本当の夢を実現するってことなんじゃないかな

◎ノリの良さと運の良さは比例する


感想

12人の登場人物が、順番に主人公として入れ替わり物語が進んでいく連続短編集です。
その中でも一番印象に残っている話は『8.抜け巻き探し』ですねー。
脱サラした古本屋のおじいちゃんの話なんですが、奥様との関係が理想の夫婦なんです。お互いにやりたい事をやるために自立し合う。
お互いに寄りかかるんじゃなく、自分の力で足場をしっかり固め、自分の足で立つ。その上でお互いを気にかけるというのがこれからの夫婦にとって大切なんじゃないかなと思いました。
最後の奥様も言葉を聞いたおじいちゃんの反応が、思わずホロリでした。



全体的に、『今の自分より一皮剥けていこうよ!』というメッセージが込められている気がします。その事がスマホのアップデートで例えられていて適例だなと思いました。

学生の頃はある程度決まった進路があり、その上にいれば22歳くらいまでは人生が上手くいっているように感じるんですよね。
でもいざ社会人になってみると、何をやったら良いかわからない。

自分の好きなことがわからない。

自分の幸せがわからない。

そんな感覚私にも身に覚えがあります。
結婚して子供を産んでからは特に、子育てが終わったら自分に何が残るんだろうと思っています。
がむしゃらに子育てだけを頑張ってきたからこそ、そう感じるのだと思います。

だから私は自分の好きなこととして、本を読んだり感想をnoteにしたためる事ができて幸せだと感じています。
これからももっと自分のやりたい事をやっていこうと思っています。


そして最後に

切実にこんなオーナーがいるカフェを行きつけにしたい。

マスターじゃなくて老舗お茶屋の息子さんの方ね。


最後まで読んでくれてありがとうございました☻

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