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舞台「デカローグ5&6」を観てきたんだな

舞台「デカローグ5&6」

1&3に続いて観てまいりました。

5&6

十戒の「殺してはならない」に対応する、小川絵梨子演出の「デカローグ5 ある殺人に関する物語」

そして「姦淫してはならない」に対応する、上村聡史演出の「デカローグ6 ある愛に関する物語」

デカローグ6は正に、

ワタクシがキエスロフスキ作品と最初に出会った映画版の「愛に関する短いフィルム」です。

と言う事で、今回の舞台版、残念ながらコンプリートはしておりませんが、この2本だけは逃したくなかったので、観てまいったわけです。


先ずは

「デカローグ5 ある殺人に関する物語」。

今回は、社会に不満を持つ20歳の青年による無差別による殺人事件と死刑制度について。

主人公の若者の不満。貧困で、仕事もなく。どこに行く事もできない。

何か、今に日本を見ている気がしました。

日本にも死刑制度もありますしね。最近ではSNSによる私刑も…。罪には罰を。その最たるモノが死刑。

死刑制度にはどちらかと言えば賛同している…と言うのは、やはり殺人を犯す犯人や幼児に対する性犯罪者には重罪を望んでいるから。

ただ、この映画を観て感じたのは、刑を執行する人々、それは執行者のみならず裁判官、検事、弁護士と言った人々、彼らは本来その犯罪に関係していない、なのに巻き込まれ、場合によっては精神を病んでいく。この点は救済が必要だろうと思ったのだ。

さて舞台上。

相変わらず淡々と進みます、淡々とね。本日はカメラ録画もされております。

そして、ワタクシの後方から男性のいびき音が…。それも録音されてるんじゃない?と一瞬心配になるワタクシ…。


いびきも止み、舞台はクライマックスへ。

いや、いびきは舞台上じゃないけれど。

クライマックスはなかなかのショッキング!コレを舞台で表現するとは…。

この主人公、殺人事件を犯す前から、ビルの上から下の人や車にモノを落としたり、殺人事故になりかねない行為を繰り返しています。

コレまた迷惑YouTuberと変わらないような…。なので、舞台の結末を迷惑YouTuberを含めた若者に観てほしいな…って思いましたね。度を超えると何が待ち構えているかって…。

30年以上前に作られた作品であるけれど、

何とも現代社会の一部を切り取っている

と思わずにはいられなかった。


そして、ずっと何も言わずに見ているような見ていないような窓掃除や交通整理の青年。彼の存在に気付いたら、主人公は凶行に走らなかったのかな…。そんな事を思った。



次に

「デカローグ6 ある愛に関する物語」。


憧れの女性の部屋を望遠鏡で覗き続ける郵便局員と恋人を何人も持つ自称アーティスト。

映画版が公開された当時、この2人の恋愛をいたく気に入った年上の女性がいて、ワタクシには全く彼女の気持ちが理解できなかった。

その気持ちは正直今も変わらない。

ただ、主人公の女性は唯一愛した男性が外国に行ってしまって、きっと心が壊れてしまったのだろうと言う事は理解できる。壊れたからこそ、愛を信じず、性愛だけに走る。

その心を唯一癒す方法郵便局員のストーカーの様であるけれど、いや実際にストーカーだけど、性愛ではない純愛だったのだろう

女性と外国へ行ってしまった男性との間のスレ違いは、郵便局員のよるモノだったのかもしれないけれど、

女性と郵便局員のスレ違いも又、取り返す事はできないモノだった。

とても切ない。

だって、主人公の女性には今後、純愛を持つ人が現れないかもしれないじゃない…。大切に考えるべきだったんだろうな…って思っちゃうよねぇ。

切ない。



コレで、ワタクシの舞台「デカローグ」体験は終わりです。とてもわかりやすかったし、面白かったです。


7〜10はまだまだ続きます。是非とも観てほしいな。30年前に作られたストーリーでありながら、現代にも通じる問題を描いている本作シリーズ。多くの人に観てほしいな…特に若い世代にって思ってます。






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