これまでの遊戯王VRAINS(感想)

ソウルバーナー組が好きです。


ソウルバーナー

ハンドルネームには「自らの魂を燃やす熱血漢」だけでなく「相手の魂を焼き尽くす者」としての意味合いも込められていそうで、とても良い。

藤木遊作や草薙仁、スペクターがそれぞれ普通の感性を失ってしまった中で、ソウルバーナーだけは唯一まともな感性を保った生存者で、(やり場がないとはいえ)「正義」とか「怒り」とかを行使できるのは彼ひとりだけなのだと思うと本当に重い。

草薙(兄)は草薙(兄)で、遊作に近いスタンス――彼の場合、弟がまだ事件から抜け出せていないから無理もないが――で復讐のために全てを投げ出せてしまう人だし、本当に誰とも感情を共有できないんじゃないか?


不霊夢

穂村尊のデュエルを元に作られたAIが、穂村尊にとって最高の相棒になっている……きっとこれこそが、鴻上博士が本当にやりたかったことなんだろうなと思うと辛くなる。

ソウルバーナーとの相性と不霊夢自身の人格の複雑さに加えて、他人の心理への理解(ブラッドシェパード戦やウィンディ戦で披露した、パートナーとの会話を利用したブラフ、84話のデュエル後のフォローなど)も作中では描写されていて、ここまでやっておいて人格かどうかを問わせるのは本当にSF作品特有の闇だ。


不霊夢も不霊夢で、自分達の存在に対して誰とも分かちあえないスタンスを持っている。

ソウルバーナーと不霊夢は、それぞれ誰とも共有できない苦しみを抱えていて、それでもOP歌詞にあるように「未来を導く希望」は分かちあってるんだよなあ……。


イグニス

人類を敵視しているライトニングとウィンディ、既に"破壊"されたアース、そして人類を敵視こそしていないものの、掃除ロボットを勝手に改造して智恵を与えるAi……ハノイの騎士が彼らを根絶やしにしようとするのはわかる。

アクアはこの先の展開で"破壊"されてしまいそうな予感がする。

でも、不霊夢だけなら『イグニスはいずれ人類の脅威になる』という鴻上博士の計算は覆りうるんじゃないか? (そうなると当然、ハノイの騎士も不霊夢を抹殺する理由がなくなる)


メタな視点で話をするなら、"イグニス"という名前自体が炎を意味していたり、炎が人間の智恵の象徴として語られることもあったり、ウィンディを吸収したことで作品の重要ワードである風の属性とも関わりが強まったり――遊戯王VRAINSというアニメの主人公はPlaymakerでも、ロスト事件から始まった作中の一連の出来事の主人公はソウルバーナーと不霊夢の二人なのかもしれない。

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