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新メンバー|中野智裕

2022年6月1日付にて、新メンバー中野智裕さんがDNXにジョインしました。

中野さんは、大学時代から環境エネルギーを研究、新卒でマツダに入社し日本、そして米国へ赴任をされ、経営企画ポジションを担われました。その後Salesforceへ転職。Finance & Strategyの担当者として、グローバルなSaaSビジネスを学ばれ、投資先の一社でありSalesforceAppsのビジネスを展開しているチームスピリットにジョインされます。その後、チームスピリットの上場前後の時期に、広範なコーポレート業務を実行レイヤーからマネジメントまでご経験されてきました。今回、2社目のスタートアップHacobuを経て、ご自身のSaaSスタートアップの上場前後のご経験を活かすべくベンチャーキャピタル・DNXへ参画いただきました。

世界を代表するSaaS企業であるSalesforceでのご経験、そして日本でまだ数少なかったB2B SaaSスタートアップの上場前後を知る方ということで、投資先スタートアップにもたくさんの価値提供をして頂けることとチーム一同、大変期待し歓迎しています。

今回は、中野さんのこれまでのお仕事のお話について伺いました。


中野智裕
九州大学大学院総合理工学府卒業後、2006年にマツダへ新卒入社。北米向けセダン(Mazda6)の商品収益管理業務に従事。2009年にミシガン州のマツダとフォードのJV工場へ出向し、経営企画としてコスト企画管理等を担当。2012年にセールスフォース日本法人に転職、 Finance&Strategy担当としてSaaS事業及び組織の急成長に携わる。2016年に同社投資先のチームスピリットに入社、広範なコーポレート業務及びIPO/IR実務を担当し、上場後に取締役就任。同社退任後、2021年にHacobu入社、執行役員経営管理本部長としてコーポレート業務やガバナンス構築に従事。2022年にDNX Venturesに参画。

この度、DNXにジョインしました中野智裕です。

日米の自動車業界で学んで

学生時代は、環境エネルギーに関心を持って燃料電池用の水素精製に用いる触媒の研究をしつつ、時間を見つけては海外へ旅に出かけるなど、マイペースに過ごしました。研究や技術がビジネスにどう応用されるのか、経営やビジネスが内在する原理を理解したいと考え、新卒でマツダに入社しました。

マツダでは、北米市場向けセダンのPLコントローラーを担当しました。市場毎の販売計画や、コストや投資等の膨大な情報を分析し、稼げる商品になるように影響力を発揮する仕事で、商品開発のCFOのような役割でした。当時のマツダはFord傘下だったため、Ford出向者の合理的な意思決定や、ビジネスの狡猾さに触れたのも大きな学びでした。入社後に数年経ってミシガン州の工場に赴任しました。リーマンショック後の需要激減で工場を稼働出来ず、毎月数十億円の現金が無くなる状況でした。そんな中で、多くの人に支えられて製造コストや固定費改善に取り組みましたが、人間関係が交渉や協業のベースになり、ビジネスの信頼は具体的な貢献で作られるのは、国境を越えても同じだと思いました。ミシガン駐在時にクラウドの波を感じました。現地の友人達もモバイルでクラウドアプリやソーシャルメディアを使い、世界が大きく変化する気がしました。クラウドに携わりたい想いが強くなり、帰国後にSalesforceの日本法人に転職しました。

Salesforceで感じた
グローバルなSaaSビジネスの強い原理

Salesforceはグローバルな大手SaaS企業ですが、プロダクトのみならずオペレーションの細部から法務の整理、組織設計に至る会社の隅々に、SaaSの強みであるスケーラビリティの血が通っているような、強い原理を感じました。私はFinance & Strategy担当として、成長を大前提に計画策定し、その実現のためにビジネス支援する事でした。Wall Streetのコンセンサスに何が何でもピタリと着地させる強烈な経営コミットと緊張感を感じる仕事でした。またその頃、当時Salesforce Ventures日本代表だった倉林のDue Diligenceを支援する機会がありました。倉林が投資実行だけでなく、起業家のHard Thingsにも深く伴走し、起業家から学ぼうとする姿勢が心に残り、私もスタートアップの世界でも貢献出来るようになりたいと考え始めました。Salesforceの投資先であったチームスピリットの経営陣と、SaaS会計やKPIの意見交換をするようになり、当時は国内にSaaS上場企業は多くない中で、SalesforceAppsのビジネスで上場させるなら自分が適任ではと考えて、チームスピリットにジョインしました。

上場前後のSaaSスタートアップ、
嬉しいこともタフなことも味わった経験

チームスピリットでは、上場前後の各2年にかけて、広範なコーポレート業務を実行レイヤーからマネジメントまで経験しました。その後ジョインしたHacobuの日々も含めて、世の中のスタートアップ相応に嬉しい事もタフな出来事も味わったのではと思います。スタートアップでは、名刺も役に立たず、プロダクトも組織も不完全な一方で、普通ではない特別な水準のビジネス成長を期待されるので、見上げる山を登るのは大変だという気持ちになる事もありました。解決の方程式があれば知りたいところですが、社内外にファンを作り、特別な支援を得られる状況を作り出す事が、全ての補助線になると思いました。EXITとしての上場の準備も、自らも含む会社の魅力を磨いて、上場して欲しいと誰もが思う会社へと成熟させる過程の一部に他ならないと振り返っています。

SaaSスタートアップからVCへ、
挑戦する起業家を全力で支援

スタートアップでの経験や個人的にも起業家支援の機会を通じて、課題を見いだしリスクをとって挑戦する多くの起業家を、全力で支援するアプローチについて考え始めました。そんな折にDNXとご縁があり、他国と比べてまだ質と量ともに成長過程と思われる日本のスタートアップのエコシステム全体に寄与するプレイヤーとして、VCによるリスクマネー供給や起業家支援を通じた貢献の姿を志向するようになりました。DNXメンバーから感じられた、高いプロフェッショナリズムと、高潔さと義理人情を併せ持つ独特なカルチャーにも惹かれて、この度ジョインさせていただく事にいたしました。まだ日が浅いですが、多様なバックグラウンドを持つDNXメンバーが、全人格を駆使して、あの手この手で起業家の成功を支援して、起業家から学ぶ姿勢が、DNXの付加価値の源泉と思います。

最後に

私のプロフェッションは、「製造業/SaaS」「日系/外資系」「大企業/スタートアップ」等の各世界の言語に通じたリアルな事業会社の思考や実務経験にあると思います。SaaSはもちろんですが、世の中のレガシーをアップデートして痛みを解決する幅広い領域や、元来関心のある環境やエネルギー分野にも挑戦したいと思います。VCも投資家や起業家をファンにして選ばれる必要があります。駆け出しのベンチャーキャピタリストとして、皆さんのお役に立てる事を地道に増やし、DNXの多様性のピースの一つとして自分を活かし活かされる状況を作りたいと思います。これから何卒よろしくお願いいたします。

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