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追加投資|テックタッチ

この度DNX Ventures(以下、DNX)は、ノーコードのガイド・ナビゲーションツールを開発・提供するテックタッチ株式会社(以下、テックタッチ)の総額17.8億円のシリーズBラウンドをリードさせていただきました。DNXとしては、2019年のシードラウンド、2020年のシリーズAラウンドに続いて、3度目の出資となります。本ラウンドはDNX以外に、既存投資家としてDBJキャピタル株式会社およびArchetype Ventures、新規投資家として、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、NTTドコモ・ベンチャーズ、電通ベンチャーズ、Sony Innovation Fund、BRICKS FUND TOKYO(三菱地所株式会社)も参画しております。

今回の増資により、テックタッチの累計調達額は24億円となります。今回調達した資金で、更なる事業成長を目的とした、人材採用やマーケティング、海外進出などを進める予定です。

テックタッチが提供するノーコードのガイド・ナビゲーションツールとは?

テックタッチが提供するノーコードのガイド・ナビゲーションツールは、Web上のあらゆるシステムに入力ガイドを設置でき、正しくゴールまでナビゲーションすることで、対クライアントサポートや、対社内の問い合わせ対応といった工数負担を圧倒的に軽減するSaaSソリューションです。従来は人づてやマニュアルによって行っていたシステム教育を、テックタッチが提供するリアルタイムのガイド・ナビゲーションツールをベースとして行うことで、以下3つのことが実現できます。

  1. システムへの入力操作が分からないことで発生するミス、各種お問い合わせ対応、説明会の実施やマニュアル作成などの業務にかかる工数削減

  2. 従来のシステム教育では使いこなされなかったシステムが使いこなされる状態の実現

  3.  入力されるデータの精度向上

テックタッチが解決する課題とは?

テックタッチは前述のソリューションをもとに、主に以下3つの課題解決に注力しています。

1. 大手企業のDXにおける、ITシステム活用の障壁:

多くの大手企業において、DX実現を目的としてITシステム導入が行われていますが、こうしたシステム・オペレーションの急激な変化に従業員の方が対応できないために、「DXを目的に導入したシステムがその意図通りに使いこなされず、結果としてDXが進捗しない」という事態が日本の大企業で多発しています。その課題を、ノーコードでガイド・ナビゲーションを設置できるテックタッチが解決しており、実際多くの日本を代表する大企業がDX推進の文脈でテックタッチを導入しております。

2. 官公庁・自治体の、デジタル・ディバイドによる電子化への障壁:

政府は2021年12月より、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を掲げ、中央省庁・官公庁・自治体などにおけるデジタル化の推進を目指しております。また、自治体も、行政手続きの利便性向上や行政運営の簡素化・効率化、新型コロナウイルスの影響によるリモートワークの推進・不要不急の外出自粛・三密回避といった生活や働き方の変化による市民からのニーズの高まり等を受け、官公庁・各自治体が電子申請サービスの導入を始めています。しかし、システムでの行政手続きの電子化を進めるのみでは、システムの操作に不慣れなユーザーはその潮流に取り残される懸念があり、パブリックセクターにおいても単なるデジタル化・システム化だけでなく、そのシステム活用にあたっての障壁を取り払うことが重要となっております。テックタッチはそうしたパブリックセクターの課題を、ガイド・ナビゲーションを通して誰でも迷わずに操作できる環境を整備することで解決しています。その利便性を評価いただき、中央省庁、都道府県管轄のシステムへの導入が決定しています。

3. SaaS企業における、IT人材不足によるリソースの課題:

SaaS提供企業のカスタマーサクセスには、顧客からの多岐にわたるニーズに答えることが求められ、結果として、そのサポートはハイタッチになりがちです。ハイタッチなサポートを行うためには、多くのリソースが必要になりますが、カスタマーサクセスの採用は難しく、限られたリソースで顧客体験を最大化するためには、適所での業務効率化やカスタマーサクセスのテックタッチ化も重要です。テックタッチはそうしたSaaS提供企業に対して、コーディングに専門性を持たないビジネスサイドのカスタマーサクセス担当者でも簡単に設置できるガイド・ナビゲーションを提供することで、SaaS企業におけるカスタマーサクセスのクオリティ向上をサポートしております。

今回投資に至った経緯

DNXが今回、テックタッチへの投資を決定した理由・背景についてご紹介させてください。

1. 大企業を中心とする大きなトラクション

テックタッチはそのプロダクトをリリースしてから、大企業を中心に強い引き合いがあり、順調にトラクションを積み上げております。一般的に大企業は導入に際しての要求水準が高い場合も多いですが、テックタッチのプロダクトは、前述の通り多くの日本の大企業に活用いただいており、DX化を推進する大手企業にとって必要なソリューションとなっていることが投資の意思決定を大きく後押ししました。

2. 優秀な経営チーム

シード期よりご一緒させていただいている井無田CEOや日比野CTOの経験、スキル、人柄など含めたマネジメント・クオリティはDNXとしても十分に理解していたところ、シリーズA以降にカスタマーサクセス管掌の垣畑さん、CFO/事業開発管掌の中出さん、セールス管掌の西野さんなど、非常に優秀な経営メンバーが次々と加わり、盤石な経営体制へと進化を遂げられたことも非常にポジティブでした。

3. マーケットポテンシャル

国際的にみて業務効率が低いと一般的に言われる日本企業にとって、ITソリューションを通じたDX化の重要度は高まる一方です。特に新型コロナウイルスの影響もあり、業界や企業規模に関係なく、あらゆる場面でDX化が急務となっている一方で、日本のSaaS導入率は依然として低く、SaaSマーケットは今後も引き続き大きな成長が見込まれています。しかし、前述の通り、単純にITソリューションを導入するだけでは本当の意味でのDX化は進みませんし、特に日本のようなIT後進国では現場のITリテラシーの低さもあり、テックタッチのようなdigital adoption platformが果たす役割は大きいため、DX化の波と合わせてテックタッチへの需要も今後更に大きくなっていくものと考えております。

Techtouch 井無田CEOからのコメント

圧倒的な意思決定スピード、シード投資以降の信頼関係という2点から、DNX様にシリーズAに続いての連続のラウンドリードを取っていただきました。不透明性が高く、厳しい調達環境にあるにもかかわらず、本ラウンドにおいて多くの投資家様から出資をいただけたのは、連続リードの事実・安心感がもたらす影響が非常に大きかったと感じています。

DXの課題は非常に大きく、向き合いがいのある市場です。私たちは、これまで真摯に課題と向き合いつつ、しっかりと実績を上げ、多くの信頼を勝ち得てきました。今回の出資によって更にケイパビリティを高め、DXのど真ん中を支援できるよう、会社としても進化していきます。グローバルも含めた、次のステージへと歩を進めますので、ご支援よろしくお願いいたします。
ーーテックタッチ株式会社 代表取締役 井無田 仲


最後に

テックタッチの提供するプロダクトは、DXの根幹となる「ヒトがソフトウェアを使いこなす」ことに焦点を当てたアプリケーションとして、日本を代表する大企業を中心に高い評価を受けております。今回調達した資金をもとにプロダクトをさらに磨き込み、テックタッチが日本のDXを牽引する存在になることを期待しております。

(文・新田修平)


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