男爵
バートランド・メイヤー博士が著した古典的名著『オブジェクト指向入門』の見どころを紹介するマガジンです。モジュールの依存関係、抽象データ型、開放/閉鎖原則、契約による設計など、オブジェクト指向プログラミングに対する理解を一歩進めるために役立つ概念の数々を解説していきます。
前回はモジュール同士の依存関係、すなわち「顧客と供給者」の関係性について書きました。今回はオブジェクト指向プログラミングが促進するという「モジュール性」について…
前回、オブジェクト指向プログラミングの主な目的はソフトウェアの内的品質要因であるモジュール性を向上させることであると述べました。では「モジュール」とはいったい何…
『オブジェクト指向入門』の名を冠した、鈍器のような書籍があります。しかも「原則・コンセプト」編と「方法論・実践」編の二冊構成。入門書にしてこの厚さ。初心者に手に…
2020年10月26日 21:28
前回はモジュール同士の依存関係、すなわち「顧客と供給者」の関係性について書きました。今回はオブジェクト指向プログラミングが促進するという「モジュール性」について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。第一回で述べたとおり、モジュール性とはソフトウェアの内的品質要因の一つであり、拡張性と再利用性を総合したものです。モジュールの依存関係の話は、主に拡張性に関連の深い話でした。今回は再利用性について考え
2019年9月20日 09:53
前回、オブジェクト指向プログラミングの主な目的はソフトウェアの内的品質要因であるモジュール性を向上させることであると述べました。では「モジュール」とはいったい何のことでしょうか? おそらくその答えは、コンテキストによって異なると思います。この記事では、「モジュールとは、あるコードの塊である」として話を進めます。例えば一つの関数、一つクラス、一つのパッケージなどがモジュールに当たります。依存関係
2019年4月21日 12:01
『オブジェクト指向入門』の名を冠した、鈍器のような書籍があります。しかも「原則・コンセプト」編と「方法論・実践」編の二冊構成。入門書にしてこの厚さ。初心者に手に取ってもらうことを意図しているとは到底思えません。しかしその内容は、まさしくオブジェクト指向プログラミングに入門するために必要な理論や考察に満ちています。世に溢れるオブジェクト指向の入門書はたしかに取っつきやすいのですが、読み終えても「なん