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店のコンセプト&店への投資

誰かに見せるものではないけれど、
成功した後「ラッキーで当たったのではなく、昔からちゃんと考えていた」と言うことができる様にするための記録

1.コンセプト策定
2.継続的な店への投資
の2点はマスト

フードコーディネーター教本には、店舗開発で最初に行う事は「コンセプト作成」とある。
ラーメン店に限って私見を述べると、特に個人店ではコンセプトが定まっていないお店が少なくない気がする。
コンセプト作成と一口に言っても、大きく5つのコンセプトを作成しなければいけない。

「〇〇(お店)は△△(メニューや食材名)が売り」「◯◯(お店)では全メニュー旨い」とお店のカラーが商品で決められてしまうこともラーメンの場合多いと思う。
でも、これは5つあるコンセプトのうちの商品コンセプトにすぎない。

メニュー作り・味作りはもちろん大事だけれど、それらは「来店者が求める(以上の)顧客価値を提供する」言い換えると「来てよかったまた来たいと思える食体験空間(味含む)を提供する」ことの一部なんだよな。
食体験空間というからには内外装なども含まれる。
内外装の話に少し触れると、最初から自分の思う理想のお店を作ることなんて個人店発のラーメン屋には無理な話だと思う(主に予算面の問題)。もちろん、最初に出来る事は全部やるんだけれど、それで終わりのお店が圧倒的に多いんじゃないかな?
故障時やどうしても必要な時に対応する、みたいな。でもこれって場当たり的とも言える。

また、居抜き店舗だと必要最小限の手直しで開店しているケースも多い。それが居抜きの良いところでもあるんだけれど、
一方で自分が思い描く理想のお店から遠ざかっている可能性も極めて高い。
そこできちんと「店に投資」をすべきと僕は考える。
特に、味が安定しそれに伴い固定客がついて数字も安定してきたら、月々の売上(or最終利益)の◯%を毎月店舗投資に充てるべき(近々で使わないなら引当金計上)。
修繕費、調理設備への投資、内外装にかかる費用などかな。
店に毎月投資しているラーメン店ってそこまで多くないと思うけど、自分の理想の店を作り上げるためには必要だと思う。

お店(店主)の考え方次第なのでこればかりはなんとも言えないけれど、今、頭にパッと浮かんだラーメン店2軒は食体験空間としては非常に残念だった。
世間的にはそれなりに高い評価を受けている。
僕が感じた問題点(違和感)はというと…
1軒は綺麗なお店なんだけれど、店舗内が無機質で流れている音楽もちょっと合っていないと感じた。
もう1軒は写真で見るラーメンは非常にそそるのに、おそらく居抜きで内装費用を極力抑えたためかラーメンと空間の調和が取れていない印象を受ける。
(6/n)

ラーメンに限らず来店するお客さんのほとんどは、具体的な言葉で表現することもないし、ふとよぎった違和感の根っこは何かを考えることもないと思う。
その人が求めている(以上)の価値が提供されているか、味を含む食体験空間がその人にとって心地よいかどうかを無意識的に判断しているんじゃないかな。
それらがある人の基準値を上回っていればリピーターになってくれるのだと思う。
怖いのは、なんとなくちょっと違うな…と判断されて2度目の来店がなくなってしまうこと。
その理由がなんなのかわからないまま、間違った方向に労力をかけても間違ったままだから何も解決しない。

初めての開業(それも個人店)でめちゃくちゃ資本力のいる店を作る必要はない。また新規開業であれ既存店であれしっかりコンセプトを持って創意工夫すれば魅力的な食体験空間が出来ると思っている。流れるBGMがラジオでも構わないし、高級感のあるカウンターや店舗什器がなくても問題ない。
大事なのはコンセプトに沿って自分の理想とする店づくりが出来ているか(あるいはその過程にいるか)じゃないかな。
(**某大人気店で流れているinterFMはオシャレ感とホッと出来る感の塩梅が絶妙で店舗BGMとして全く問題ない)。

各店の店主様が自店に対してどのようなコンセプトを持っているかは分からないし、厳密なコンセプト作成をしていないかもしれない。
それは僕がまた行きたいなと思える食体験空間が出来たお店を今またパッと浮かんだだけ列挙すると…
あくまでも個人の感想
(敬称略、順不同)

1.麺処ほん田 本店(東十条時代)…厨房が蛍光灯ではないのでチープな印象にならない(これ大事)/決して広くは無く建物も新しくないけれど、暖色系ライトを上手に使っていて雰囲気があった/お店側とお客さんが作り上げるグルーヴ感・一体感があった(あれなんだろう、謎)/昼と夜で雰囲気変わるのも良い

2.麺所ほん田 本店(秋葉原)…「ラーメンが好きな人に食べてほしい特別な一杯」というコンセプトの元に内外装、器、味など全て調和がとれている

3.渡なべ…隠れ家的なお店で外観もおしゃれだけれど、気取った感じでもない/カウンターの厨房と座席の仕切り(?なんと呼ぶのだろう…)が低いので自然とラーメンに向き合える印象(スマホ操作とか出来なさそう、気のせいか?)

4.麺屋さくら井…駅から離れているけれど、高級感のある外装が隠れ家的な印象をもたらす/提供するラーメンもとても綺麗でマッチしている(もちろん旨い)

5.王道家直系 IEKEI TOKYO…内外装にハレの日感のようなものはないけれど、ラーメン屋にきた!みたいな感じがする&厨房の迫力はすごい

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