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【イベントレポ 前編】資生堂×DMM.make AKIBA×スタートアップ|ポストコロナ時代の美容業界。

なぜ開催したのか。

DMM.make AKIBA(以下、AKIBA)は2014年、合同会社DMM.comの事業として秋葉原に誕生した日本最大級のモノづくり施設を基盤とした課題解決型プラットフォームです。

6年目を迎え、現在600社/4,000名以上の会員の皆さんが活動中です。個人のクリエイター、スタートアップ、中小企業から大企業まで幅広い方が利用していて、日々プロダクト開発やプロトタイピングを行なっています。

▼AKIBAについて

コロナウイルス感染拡大で外出自粛が余儀無くされるという未曽有の事態に私たちAKIBAのメンバーも「これからどうなっていくのか?」と不安な気持ちになっていました。

そんな中、欧州最大のオープンイノベーションの祭典「La French Tech」でご一緒したことがあった資生堂のR&I(リサーチ&イノベーション)戦略部の皆さんと

「もっとオープンに皆さんとディスカッションできないかな?」

と、お話をしていたことが開催のきっかけでした。
スタートアップや一般の方を巻き込んで、誰も経験をしたことがない”ポストコロナ時代”について考えていこう。それから間も無く6月25日、資生堂とDMM.make AKIBAの共催でオンラインイベントを開催し、750名以上の方にご参加いただくことができました。

このnoteでは、前編・後編の2回に渡ってイベントレポートを書いていきます。


資生堂「fibona」について。

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「fibona(フィボナ)」は、「美のひらめきに出会う場」として一般のお客さま、スタートアップ、海外の研究機関と研究者が出会うオープンイノベーションのプロジェクトです。

イベントでは「fibona」プロジェクトリーダーの中西さんにご登壇いただき、資生堂のオープンイノベーションの取り組みについてお話いただきました。

ーーオープンイノベーションは会社の数だけ答えがある。

「大企業にいるとスタートアップの代表のように熱意のある人は社外にいると思いがちですが、実は社内にも熱意ある人や実際に取り組んでいる人はいます。資生堂にとって実はそれが一番の資産。

だからこそ、社内と社外のバランスをとりながら、どうしたらプログラムが単体で機能するだけでなく、社外のイノベーターや既存の社内の活動や仕組みにブリッジさせ、ビューティーイノベーションのためのエコシステムを形成できるか?ということを考えることが重要だと考えています。

▼fibonaについて


新型コロナウイルスが及ぼす美容業界への影響。

続いて中西さんから新型コロナウイルス感染拡大が及ぼす美容業界への影響についてお話いただきました。

ーー化粧品業界の社会的意義を再確認した。

「今回最も深く考えさせられたのは化粧品業界の社会的意義です。
普段は人々の美を実現するための商品を提供している資生堂ですが、手指消毒液を医療機関を中心に提供したり、厚生労働省から認証を受けた消毒液の処方を他企業にも広く開示したり、世の中の為に役立つことを最優先に活動しました。また、6月より最前線で活躍する医療従事者に向けてストレス緩和を目的にスキンケア商品の無償提供を開始しました。

LVMH、KOSE、ロレアル、花王など同業他社でも同様の取り組みを行なっています。今回に限らず近年、美容業界は環境対応、サステナビリティなどソーシャルグッドを叶えながら経済活動を行うことが当たり前になりつつあり、今回の新型コロナウイルスの影響でさらに加速することが予測されます。


ーーお客さまとの接点の持ち方が変化。

「美容業界に限ったことではありませんが、お客さまとの接点の持ち方が変化しました。ソーシャルディスタンスを保つために業界問わずeコマースの活用がさらに加速していくことが予想されます。

化粧品業界ではコロナ禍以前からその傾向があり、資生堂ではバーチャルでタッチアップできる「カラーシミュレーション」というアプリを導入しています。

また、中国ではKOL(Key Opinion Leader)が行なっていたライブコマースをメーカーの代表や開発者、美容部員が配信を始めるなどの取り組みが見られました。今後もテクノロジーの進化により、ECでの新たな顧客体験の提供が加速していくと考えられます。

化粧品においては、タッチアップの自粛が続いており、今後どのように肌悩みへの相談や商品の使い方などのコミュニケーションの価値を提供していくかが課題となります。

資生堂ではコロナ禍以前よりLINEでビューティーコンサルタントに相談できるサービスを提供しており、今後さらなる活用が期待されます。」


ーー人に会わなくなることで広がる美容行為とは。

「マスクをすることが当たり前の世の中になり、これまで日焼け止めを塗る習慣がなかった方が”マスク焼け”に悩んだり、湿気や摩擦による新たな肌トラブルが見られたりすることが考えられます。

一方で、マスクをしたままどのようにメイクを楽しむかマスクを外した特別な時にどのような変身ができるかなど、今後の新商品開発時のヒントになるかもしれません。

また、日本においては対面する機会が少なくなったり、マスクの着用が増えたりすることでチャレンジする美容行為が拡大する傾向にあるとされています。

中国においては3月8日に女王節という記念日がありますが、Tmall国際によると、脱毛器の売上が前年比1200%(12倍)という劇的な上昇を見せました。人に会わなくてもよい生活の中でどのような美容行為が行われるか、今後新たな選択肢が生まれるかもしれません。」


ーー美容と健康が交わるビューティーウェルネス。

「美容と健康が交わったサービスが増えてきていますが、コロナの影響でさらに加速したと考えています。特に家で楽しむコンテンツが増えてきています。

自宅で行う運動やヨガなどの美容・健康に関するコンテンツが多くYouTube等で配信されていたり、意識的に運動を始める人が増えていると感じています。

コロナで以前にも増して心身の美容と健康、いわゆるビューティーウェルネスへの注目が集まっていると考えています。この後のパネルディスカッションで色々とお話できるのを楽しみにしています。」

イベントの後半は【イベントレポ 後編】でまとめています。
こちらもぜひご覧ください!


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