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糖尿病は確かに怖い病気だけど、絶望しないで!!

私は46歳の糖尿病患者です。
父と弟も糖尿病を若年発症し、気をつけていたつもりでしたが20代で妊娠糖尿病になり、いつの間にか糖尿病に移行してしまいました。

37歳の時にとんでもなく体調が悪化して緊急入院したときには1型糖尿病を疑われましたが、その後の経過や父と弟がそうであることから「おそらく2型糖尿病でしょう」ということになり今に至ります。


28歳で次男を出産した後の糖尿病の検査でギリギリ正常値が出たので「生活に気をつけるように」としか言われず、定期的に検査を受けるようにという指示はありませんでした。

小さな子供2人を抱えて専業主婦をしていたので、母に子供を短時間預けてさっとジムで運動したり玄米食、脂質制限など自分なりに気をつけていたつもりだったのですが…

30代の専業主婦には健康診断を受ける機会がなく、やっと糖尿病と診断された時にはすでに糖尿病合併症がひととおり出揃っていました。

あれから9年、幸い目(糖尿病網膜症)も腎臓(糖尿病腎症)も神経(糖尿病神経障害)も改善傾向でなんとか元気に暮らしております。

さて、最近「糖尿病ってものすごく怖いんだな」と思わざるを得ない話題が続いていますね。

2024年4月26日放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』17話では、糖尿病と思われる症状に苦しんで43歳で亡くなった藤原道隆が描かれました。

また昨日は、元プロ野球選手の佐野慈紀さんが糖尿病からの感染が原因で右腕切断なさるという大変ショッキングなニュースが飛び込んできました。

立て続けにこんな話を聞いたら「糖尿病はなんて恐ろしい病気なんだ!」「糖尿病になったらもうおしまいだ」と思われる方もきっといらっしゃるでしょうね。

確かに糖尿病は決して甘く見てはいけない病気で、じつは糖尿病が原因で命を落とすこともあります。死ななくても失明したり人工透析になったり足を切断しなければいけない場合もあります。

でも「糖尿病になったら必ずそうなる」というわけではないんです。父は糖尿病になってから35年ぐらいは経過しているはずですが今でも元気です。

そして「人工透析になったり失明するような人はどうせ糖尿病と診断されても真面目に治療しないで好きなだけ食べていたんだろう」と決めつけるのはどうかおやめいただきたいと思います。

私はここ9年間で、主治医から言われたとおりに真面目にカロリー制限をして運動して薬もちゃんと飲んでいたのに片目を失明した方や人工透析を開始した方の話を聞きました。少なくとも彼らは真面目にやっていました。

じつは糖尿病合併症がある程度以上進行してしまうと、どんなに頑張っても進行を止められない場合があるとのこと。そして病院で指導される方法が必ずしも万人に最善とは限らないのですよね…糖尿病食事療法はまだまだ完成されたものではありませんから、残念ながら。

糖尿病は決して甘く見ず、さりとて糖尿病だからといって絶望する必要もなく。過去のことはどんなに悔やんでもどうしようもないのですから、これから出来ることをやっていきましょう!

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