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ナラティブソドワを遊ぼう

ナラティヴソドワとは?

どうも、DKPです。
今回はちょっと趣向を変えて、ソドワの拡張ルール的な遊び方を紹介したいと思います。その名も「ナラティブソドワ」!
最近、流行っているアレです。ただ、今回は厳密にナラティヴの定義や意味は考えず、ふんわりソドワをナラティヴに遊ぼうという提唱です。

念のため説明しておくと、「ナラティヴ(Narrative)」とは「物語」あるいは「語ること」という直訳の英単語です。昨今では積極的傾聴や物語論的分析という意味合いで使われることも多く、色んな意味に派生してます。
まぁ、つまり「いっぱい話を聞こう!」みたいなニュアンスです。

ナラティブソドワには以下のような特徴があります。
・GMはシナリオの用意が必要ない
・長期的・短期的なキャンペーンのように遊べる
・世界観やキャラクターを前面に押し出し、冒険を追いかけることが出来る

なお、ナラティブソドワは現在、模索中なので新しい知見やアップデートがあればこの記事を更新します。

遊び方

ざっくりと概要を紹介しましたので、ここからは具体的な遊び方を説明します。一応、ここに書くルールは例なので「ナラティヴソドワやってみたい!」という方は自分に合ったルールを作っていくとよいと思います。
「ナラティヴ」なのでルール自体もふんわりしていますが、これを大事にして遊ぶことを念頭に置いて下さい。勿論、遊びですから全員が楽しくなることも大切です。

ナラティヴソドワのルールは以下の3つ。

1.物語やキャラクターを重視しよう

2.質問とその答えを重視しよう

3.ワールドセットを活用しよう


①物語やキャラクターを重視しよう
ナラティヴソドワでは、物語やキャラクターを重視しています。
もちろん戦闘や迷宮などはありますが、通常のソドワと比べると少なくなりがちです。加えて、安易に判定に頼ることより、PLたちが頭を捻って問題を解決することが推奨されます。判定は成功するかしないかで状況が変わるような時に行わせるように心がけましょう。
またキャラクターはPLの単なる人形ではなく、ラクシアに生きる1人の人間です。PCは冒険をしている理由や、人生という背景があります。PLはキャラのファンになる、という意気込みで遊ぶことが良いでしょう。

②質問とその答えを重視しよう
ナラティヴソドワでは物語の主役はPC達です。
GMは描写の後によく「では、どうしますか?」と聞くようにしましょう。
この際に何をしたいのか、PLは積極的に答えてみて下さい。
GMから聞かれない際でも、やってみたいと思ったこと、語ってみたいと思ったことは積極的に喋ってみてください。
PLの皆さんが語らなければ、ナラティヴソドワは始まりません。
無理する必要はありませんが、質問とその答えを重視するようにしましょう。

③ワールドセットを活用しよう
GMはセッションを始める前に、舞台を決めないといけません。(もちろん、その場でPLたちと一緒に作るのはアリです)
この舞台のことをワールドセットと呼びます。
ワールドセットを共有することはナラティヴソドワの最低条件です。
もっとも楽なのは「ワールドセット:ラクシア」として基本ルールブックⅠの第四部を読むように指示することです。
GMはワールドセットとして、以下のような情報を渡しておきましょう。

・拠点となる都市
・接する人々
・脅威となっている魔物

以下に例として、「ワールドセット:グランゼールの入門街区」を提示します。

・舞台となる都市
迷宮王国グランゼール 小迷宮街区

迷宮都市グランゼールはディガット山脈の麓に位置し”魔剣の迷宮”を中心に存在する都市国家です。ある時、若者が地下大迷宮を発見し、1本の魔剣を持ち帰りました。それを礎に国家が出来上がり、若者は国王となりました。国王は巨大すぎる大迷宮を探索するため、冒険者を広く募り、それが迷宮都市グランゼールの始まりとなったのです。
現在のグランゼールは、人口3万人を超えたかなりの都市国家になっています。

小迷宮街区
小迷宮街区、今は入門街区と呼ばれるその地区はグランゼール外壁に面しており、正面門を抜けた位置にあります。表通りには宿屋やパン屋、冒険者ギルドが並んでいます。しかし裏通りは猥雑で街並みそのものが迷宮のようになっています。これは街中に急に”魔剣の迷宮”が発生することが原因であり、もはや区画整備を諦められたけ結果です。

しかし、現国王の手腕もあり、犯罪の温床やきな臭い話はなくなり、冒険者ギルド〈灯火の守り手〉により治安維持や教育が行き届くようになりました。これを持って古い名称である〈小迷宮地区〉ではなく〈入門街区〉と呼ばれるようになってきています。

・接する人々
ギルドマスター:レシェク
冒険者ギルド〈灯火の守り手〉のギルド長です。初老を迎える今も現役であり、ハルーラの神官戦士として時折、仕事をこなします。〈灯火の守り手〉の創設者であり、後進の冒険者育成のためにギルドを結成しました。6年前、前国王が崩御した後に「小迷宮街区」の状況改善と再開発を促進し、一気に「入門街区」として治安を良くしました。その反面、旧体制の〈桜下酔虎の宴〉や妓楼からの反感は強く、不穏な空気も漂っています。

冒険者:ヨハン
陽気な斥候剣士。ひらりひらりと攻撃を躱し、剣での一撃必殺を叩き込む、強力な冒険者です。シュトラウスと冒険者パーティ「ワルツの王」を結成しています。

冒険者:シュトラウス
音楽の才能に満ち溢れたバード。良く他の冒険者からは「なぜ音楽家にならなかったのか?」と聞かれています。ヨハンと冒険者パーティ「ワルツの王」を結成しています。

商人:コピッチ
ワイン業者。太って禿げているが、その手腕は確実です。

・脅威となる魔物
レッサードラゴン

最近、ディガット山脈側から下山してきたレッサードラゴンが営巣をしています。おそらく親元から巣立った個体でしょうが、ドラゴンはドラゴン。
このまま巣を育てさせるのは危険、かといって無策にドラゴンと戦えるものは少ない。国も難儀しており、調整してドラゴン退治のための準備を行っているようです。

キャラクター作成について

もしナラティヴソドワを始めようとする時、おおよそキャラクター作成が必要になってきます。
この時、一緒に遊ぶPL、GMと共に作成することを強くオススメします。キャラクターには必ず背景があります。ナラティヴソドワはそれを活かしてセッションを行えます。
もし背景を全く知らない場合でも遊ぶことはできますが、一緒に作った場合はより良く遊ぶことが出来ます。

情報の出し方

ナラティヴソドワでは従来のような情報の出し方以外にも、PLに質問させる、という方法が可能です。
例えば足跡追跡判定に成功したとします。
その場合「では、質問を2つまで行えます」とGMは言ってみましょう。
PLは具体的な例として以下のようなことが聞けます
・その足跡はどこに向かっていますか
・その足跡の大きさは
・足跡を観察している最中、私たちに危険はありますか?

現場の状況や、GMが想定もしていなかった痕跡などをPLは質問で明らかにできます。また、想定出目が低かった場合や、高かった場合は質問の数を増減させると良いでしょう。

この方法では、判定が無駄にならないという点で優れています。
しかし、従来と比べてGMが見せたい情報は見せれないため、PLを誘導したい場合は使わないといいでしょう。

その他、便利なオプション

①冒険の記録
ナラティヴソドワではシナリオを用意しません。しかし、PCたちの足跡から未知なる敵や見覚えのある人物が湧き上がってくることがあります。
簡単なもので構いません。PCたちが冒険してきた記録を付けましょう。
一番簡単なのは、各PLに「PCになった気分でセッション記録を書いて」ということでしょう。単なる記録だけではなく、PCからセッションがどう見えるのかを把握できます。

②秘密の設定
ナラティヴソドワでは、PCたちが主役となって物語を紡いでいきます。
しかし、それはGMが単なる舞台装置になることを意味しません。
GMはPCたちの設定や、語った物語から敵の設定や今後発生しうる深刻な問題を準備しておくことができます。これらの準備はセッションを楽しむためのものです。もし苦痛であれば用意しなくても遊ぶことができます。

③戦闘の簡略化
ナラティヴソドワでは、戦闘の過程は重要ではありません。
戦闘の結果や、PCがどのような選択をするのかが大事なのです。
そのため時間がないときは、中間戦闘や軽い戦闘を流すことをオススメします。ただし、リソースは減らすことも必要です。前衛PCのHPを「2d+魔物Lv」ほど減らしてみましょう。これでおおよそ整うはずです。
もし、リソース管理を重要視するのであれば、後衛のMPも「2d+魔物Lv」ほど減らしてみましょう。

具体例:リプレイ

以下にナラティブソドワを実際にプレイした時のリプレイを公開します。
参考までにご活用下さい。


参考文献

『ダンジョン・ワールド』
『スケルトンズ』
『ダイアレクト』
『ケダモノオペラ』

『TRPGのナラティブってどんなん?と考察した話……。♪』

アクセス:2024/03/07 21:02

TRPGでの「ナラティブ」-個人的見解-https://twitter.com/i/events/840630293769859072?s=20

アクセス:2024/03/07 21:00



TRPG。中でも特に『捏造ミステリーTRPG赤と黒』が非常に好きです。