山留計算せずに山留設計する方法-1.一般地盤の場合

施主さんから見積依頼で
設計図をもらって

見積の提出期限が近いとか
山留計算できる人がいない時

計算せずに山留明細を
作らないといけません。

何かの基準があるといいですよね。

今までの山留計算の実務経験から
アタリが作れているので
ご紹介します。

※前提
この記事では掘削落差1.5〜7.0m程度の
スケール感とし、
親杭横矢板か連続柱列壁(SMW)の
工法としてください。

基本パターン(一般地盤/自立)

基本パターンとは
一般的な地盤で、自立の場合です。

一般的な地盤:
掘削土のN値が5〜20程度(私の場合)
敷地に高低差なし(斜面でない)
自立:
山留支保工がない

まず、山留の施工長について

掘削落差と根入長は1:1とします。
施工長=掘削落差+値入長
=掘削落差の2倍です。

例えば掘削落差が3.0mなら
施工長は6.0mとなります。

次に、断面寸法(H鋼)について

掘削落差を0.5m刻みで整理し、
H鋼は細幅鋼とし、
ウェブ長と数字を合わせます。

意味がわからないと思うので
対応表にします。

掘削落差2.0m以下:H-200×100
掘削落差2.5m以下:H-250×125
掘削落差3.0m以下:H-300×150
掘削落差3.5m以下:H-350×175
掘削落差4.0m以下:H-400×200
掘削落差4.5m以下:H-450×200

おわかりいただけたでしょうか?

基本パターンでは掘削落差は
4.0mに原則留めてください。
攻めても4.5mまでが限界です。

ちなみに一般的な地盤では、
掘削落差1m程度なら
簡易山留で対応可能です。

次に、芯材間隔について

親杭横矢板なら1.3m
連続柱列壁なら0.9m
としてください。

ちなみに連続柱列壁は
ソイルは0.45mに打設しています。

一般的地盤/支保工の場合

掘削落差が4.0mを超える場合、
水平切梁1段を見込んでください。

掘削落差が7.0m程度から、
切梁を2段にしてください。

切梁を入れる場合の
山留の施工長は
掘削落差:根入長=1:0.8程度に
減じてOKです。

切梁を入れる場合の
断面寸法は2〜3ランク程度
ダウン可能です。
例:H-450×200→H-350×175

ただし最大でも
H-500×200までで十分です。
これを越えてもオーバースペックです。

また、基本的にはH-500×200を使わず
H-450×200までに留めましょう。

理由として、山留打設において
重機の削孔径は550mmが
基本なのですが、
550mmの孔に入る細幅鋼は
H-450×200が限界です。
(三平方の定理で計算するとわかります)

H-500×200だと削孔の錐を
重機に付け替えなければならず
余計な手間と時間を食います。

今回はここまでです。

次回以降に、一般的ではない地盤、
つまり軟弱地盤や硬い地盤、
高低差のある敷地の場合について
お話していきます。

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