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円の現在地~24年上期の振り返り~

正真正銘の最弱通貨
早いもので本日から2024年も下半期に入ります。というわけで、2024年上半期を終えたところでの円の現在地を整理しておきたいと思います。

結論から言えば、円の現在地は悲惨な状況と言わざるを得ません。今回のnoteでは対ドルの変化率に限らず、実効相場や他通貨の動向も踏まえながら、今の円がどういった場所に立たされているのかを示したいと思います。これは前回のnoteでも強調しましたが、ドル/円相場の話ばかりしても見えてこないものがあります。多くの方に読んで頂き反響もありました:

「隠れ円安」という言葉は基本的に「自分はドル円しか見ていませんでした」と告白する行為に等しいゆえ、そうならぬよう、まずは名目実効相場から現在地を知ることをお勧めしたいと思います。以下で簡単に説明します。

当該通貨の強弱を横並びで比較するにあたっては名目実効為替相場(NEER)の強弱を見るのが分かりやすいでしょう。「円安は隠れていた」と恥ずかしいことを言わぬためにも、元々存在する実効相場という便利な指標を使うと当該通貨の強弱をはっきり捉えることができます。

下図はG7、スイスといった主要通貨に中国、韓国、そして弱い通貨の代表格としてアルゼンチンやトルコも加えています。6月25日時点のNEERは円が▲8.7%と最弱、これにトルコリラ(▲7.8%)、アルゼンチンペソ(▲5.6%)、スイスフラン(▲3.5%)と続いています

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