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esports大会に必須な存在「オブザーバー」って知ってますか?
毎週どこかのチャンネルでesports大会が配信されるようになってきましたが、配信されているゲーム(試合)映像の裏側ってほとんど知られていないと思います。
とんでもない情報量の波を瞬時に整理して配信にのせる「オブザーバー」という異次元なクリエィティブのお話です。
この記事でわかること
・大会配信に必須の役割「オブザーバー」の仕事
・ライブでクリエィティブをするということ
試合を配信するということ
大会配信をするなかで、配信のハードル&クオリティを上げていることのひとつに参加人数があります。
たとえばvalorantだと5v5なので1試合に10人、Apexだと最大60人、Fortniteだと最大100人です。Fortniteの1試合がざっくり30分だとして30分(=1800秒) / 100人で1人あたり18秒しか配信できない計算です。無茶や。何もわからん。
大会配信を見ている方の多くは出場している選手のファンだと思います。でも、上記の通り18秒しか映りません。
そして起こる問題として
・いまAさんは誰と戦闘中なの
・どうしてBさんはココで戦闘してるの
・Cさんはいったいどこや
といったことが考えられます。
ところが、大会配信中に視聴者のかたでも、ぼんやりと「Aさんがどこにいて」「Bさんはアッチにいる」と、想像できていませんか(映るかどうかは別問題です)。これがオブザーバー様のチカラです。
事件は会議室でなく現場で起こっている
本題です。AとBが戦っているところ、Cが漁夫を狙っているということを伝える (=ストーリーがある)ように戦闘や移動、ファーミング、マップといった要素をライブで組み立てています。すごい。神の所業。以下、2例をもとに解説してみます。
事例1
画面左のトリオをA、右をBとします。
①まずAとB、それぞれの位置関係がわかります。
→Aトリオが高所を取れてるから有利っぽい
→あれ?Bじゃないところから射線通ってるからCもいる?
②Bが引いてファーミングをしている
→不利位置だから無理をせず引いたのかな
→すでにキルポも持ってるし無理しなかったんだ
ということがわかるようになっています。
事例2
次のシーンはこちら。最終盤でだれがビクロイを取るのかというところ。
①全体像を視聴者に伝える
→直前でストームの移動もあり、だれがドコにいるのか整理する
②有利ポジションの勝率が高いはず
→ハイポジションを取っている選手は誰だろう
→そこから誰を打ち下ろしているのだろう
③結末
→再度それぞれの選手の位置関係を把握
→結末!
となっています。
上記の例、どちらも共通しているのですが、戦闘が始まる前にかならず位置関係の把握ができる映像が入っています。そのおかげで誰が、どこで、どのように戦闘をするのかがわかりやすくなっているんですね。
サラッと書いてしまいましたが、事例のように流れでみることができるよう瞬時に判断をして、どこで、誰を、どのように映すのかを一瞬で決めてストーリー付けをして配信するという神業が大会の裏側で行われています。
もちろん大会はライブ配信なので、事前に誰がどこでどう戦闘するのかなんてわかりません。すべては現場で起こっているんです。
戦闘シーンだけが続くとNG?
結論から書くと絶対NGではないと思います。試合の終盤になればなるほど避けられないからです。ただし、事例2のようにできるだけ全体像がどうなっているのかは伝えられたほうがよいはずです。
では、なぜ戦闘シーンが連続することが好ましくないのかというと大会自体のストーリー性が薄まるからです。
大会に望む選手からすると、それまでの練習や経験を活かして戦っていますし、視聴者の方は応援している選手の努力や過程を知っていると思います。
戦闘シーンが連続していくと、そういった情報が少ないまま、大会配信が一種のキル集のようになってしまうことは大きなデメリットなんじゃないかなと。そして、視聴者側からするといったい何が起こっているのかわかりづらくなると思います。
配信に限らず動画って映し出されるすべてに意味がある(ないし意味が付与される)はずなので、云々っていうことを書こうと思いましたがそれだけで1本の記事になりそうなので割愛します。っていうか動画だけじゃなくて夜に出ているすべてに意味と意図があるはずです。
神視点と呼ばれる所以
見やすい (≒わかりやすい) 配信には必要不可欠な存在「オブザーバー」。ゲームタイトルや現場によっては神視点や観戦と呼ばれることもあります。
ゲーム自体の理解度+映像制作的なスキルが求められるハードな役割で、とんでもなくクリエィティヴィティの高いことを実行しています。
この記事を読んだあとにesports大会の観戦をすると自然に「オブザーバーすげぇ…」という感想が漏れることでしょう。
次回予告
というわけで配信映像にめちゃくちゃ関わるクリエィティブ屋さん「オブザーバー」のお話でした。
次回もきっとesportsにまつわる様々なクリエィティブの中のお話をすると思います。これってどうなん?ということがアレばコメントにください。ありがとうございました。
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