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本棚の整理~23年度冬~

去年の11月頃から集めてきた本達について、内容の相関や自分のなかでの解釈を整理したいので一度分類しようと思います。

書籍紹介

1.青の図鑑(2023 橋本道千代)
2.水彩画プロの裏技 (2002年 奥津国道)
3.ニッポン景観論 (2014年 アレックス・カー)
4.宮沢賢治選集 (1975年 宮沢賢治)
5.農民芸術概論綱要 (1975年 宮沢賢治)
6.メイドイントーキョー (2001年 貝島+黒田+塚本)
7.風景にさわる (2017年 長谷川浩己)
8.小さな風景からの学び (2014年 乾久美子)
9.as it is 写真集 (2020年 川内倫子)
10.Gift 写真集 (2009年 市橋織江)
11.まれ 写真集 (2015年 市橋織江)
12.なるようになる (2023年 養老孟司)

ジャンル分類

A. 視覚的快楽:写真集(1,2,8,9,10,11)
B.音声的快楽:詩集(4,7,8,9)、エッセイ(12)
C.知識・理論:色彩感覚(1,2,8,9,10)、思想(3,4,5,7)、建築分析(3,6,7,8)

それぞれの出会い、購入意図、読後感想

1.青の図鑑(2023 橋本道千代)
・蔦屋の図鑑コーナーで見つけたのが出会い。
・青色の洋服を着たかったので青系統のバリエーション・他色との合わせの参考書として購入。
・多色との混合によるバリエーションの多彩さに驚き、青色のベースカラーとしての器用さを感じた。また、トルコとかイスラム圏の文様や装飾との相性の良さから構造の複雑なものとの調和、統一感の演出に青色の単色性能の高さを再認識。1つの例としてアイヌの民族衣装もモノトーン地に青色の装飾が美しい。

2.水彩画プロの裏技 (2002年 奥津国道)
・ブックオフのアートコーナーで見つけたのが出会い。
・水彩画の絵はがきを書いてみたかったのでお手本として購入。
・読み物として美しい本。水彩画は景観や空間の全体的な雰囲気の表現に向いているなと改めて実感。実際に水差しつき筆ペンと絵の具を購入して街で撮った建物を描いてみたがあんまり良い出来にはならなそうな気(一朝一夕には上手くなれなそう)がした。逆に言うと着彩の前のデッサン力があまり意識されていないけど基礎力として非常に重要だと気付いた。

3.ニッポン景観論 (2014年 アレックス・カー)
・観光系の理論書を探していた時にネット検索で出会う。
・いかにもなタイトルに惹かれたのと、外人目線の論考は日本文化を捉え直す手がかりになるのではと思いamazonで購入。
・やや乱暴な語り口に聞こえた。自文化における景観概念のフレームを通して日本の景観を批評している気がした。彼は、観光地の下品な大文字看板についてや山肌をコンクリートで覆ってしまう土木行為に対して強烈に批判していた。自文化のアイデンティティの破壊だと語りコラージュまで作るほどの勢いに、日本国土の特性としての建築の代謝の速さや防災建築の必要性といった背景があるにしても、時代の要求への対応と土地のアイデンティティの保存のバランスについて改めて考え直したほうが良いかもしれないという気持ちになった。一方で、日本文化におけるアイデンティティは無形財産としてアイデンティティを形成しているのではとも思う。祭りや食事・コミュニケーションの作法など伝統の型や暗黙の知識・美意識が振る舞いとして観察される場面が多いことは外国人も分かっていることだろう。振る舞いとしての景観形成は日本文化の観察から学べる独自の現象かもしれない。
※ちなみに著者アレックス・カーは日本で空き家再生や地方創生に取り組んでいる活動家で、自分は応援している。

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