会社を潰された話②

会社設立が決まり、代行業者を探しているときに浅田くんが色々口出しをしてきた。
当初事務所は借りずに、神川くんの自宅で登記し、徐々に規模を拡大して行けば良いよ考えていたのだが、浅田くん曰く司法書士も不動産屋も什器屋にもコネがある、事務所は有った方が良い等色々探してくると、彼は歌舞伎町に物件を見つけて来ていた、正直事務所を借りるのにもコストがかかるので、あまり同意は出来なかったが、神川くんもそういうのに憧れているようだったので、承諾した。
承諾した理由は単純に歌舞伎町なら単純にみんなが集まりやすいというのもあるし、浅田くんも毎日神川くんに会いにいくにしても、家に行くより新宿の方が都合が良い感じだったので、話を聞くと家賃が10万円ほどだったので、まぁそれぐらいのコストなら良いかと。
後日賃貸物件の内見に行った時にも違和感はあった、ここも引き返せるポイントだったのかもしれない、ビルの管理事務所が直で貸している物件だったので、色々話を聞いていた時に浅田くんはその担当者になぜか食ってかかるのである、食ってかかるというより、知識のマウントを取りに行くという感じなんだけども、印象悪くすると貸してくれんぞと思っていたが、すぐ返事がもらえ、事務所への引越し作業が始まり、そこで登記が完了した。

事務所に色々持ち込んでさぁ仕入れから始めるかとなった時にまたここで浅田くんが、オフィス家具を揃えなければならないと言い出す、正直机やら棚やらはすでに神川くんの持ち物を使えば良いし、足りないものはホームセンターで買えば良いし、パソコンも何台も自分は余っているので、持ち込もうとしていた、が彼はオフィス家具、商品棚、電話、パソコン等の通販サイトを示して色々熱弁していた、正直オフィス向けの家具などつかれば良いのでそこまでコストかける必要もないだろうと思っていたんだけど、ある日事務所に行ってみたら全て社長の神川くんと買いにって業者に頼んでいたようで、こじんまりとした事務所が出来上がっていた。
形から入ることはないのになと思っていたが、この時点で設立一ヶ月ぐらい経過し、コストも色々発生して来ているので、早く商品の売買を始めなければならない、のになんかニヤニヤして他人事のような浅田くんが不思議に思えた。

ここまでが事務所へ引っ越しをした時の話

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