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タイムマシンに乗って、誤解を解いてあげたい。

先月、こんな試みを記事にしました。

1980年代に見ていた番組を、いま見返したら僕はどんな感想を抱くのか? 

前回は『仮面ライダースーパー1』の第1話について。ありがたいことに、記事を書いたあと……。

「ツッコミが面白くて見てみたくなっちゃいました😂」
「朝から笑わせてもらいました😆」
「めちゃくちゃ笑いながら読ませていただきました🤣🤣🤣」
「面白すぎて腹筋崩壊🤣🤣🤣🤣」

なんてコメントを頂きまして。

僕も書いていて楽しかったので、きょうは第2弾をお届けしようかと。取り上げるのは、1984年から放送していた学園ドラマ――。

『スクール☆ウォーズ~泣き虫先生の7年戦争~』です!

ラグビーの元日本代表が、荒廃しまくった川浜高校に赴任し、その熱血ぶりで生徒たちの心を変えていくストーリー。弱小だったラグビー部が、紆余曲折ありながら全国大会を目指していきます。

中でも有名なのは、初めての公式戦で109対0と惨敗したあと、主人公の滝沢賢治が控室で生徒たちを叱責する場面ではないでしょうか。

「相手も同じ高校生だ。同じ年、同じ背丈、頭の中だってそう変わらんだろう。それが何で109対0なんて差がつくんだ!」

「お前らゼロか! ゼロの人間なのか!!」
 
「何をやるのもいい加減にして、一生ゼロのまま終わるのか。それでいいのか。お前らそれでも男か! 悔しくないのかぁぁぁぁぁ!」

ゼロの人間だなんて、容赦ないですね。

で、賢治はそのあと生徒たちをひとりずつ殴っていくわけです。

この場面、僕は長年こう思っていました。

「試合を早々にあきらめる。終わったあとも悔しがらない。そんな生徒たちの目を覚まさせるために殴ったんだよな」

……と。

しかし今回、それがとんでもない誤解だということがわかったんです。

実は賢治が「悔しくないのかぁぁぁぁぁ!」と泣きながらに訴えたあと、生徒たちは次々と「悔しいです!」「勝ちたいです!」と本音を吐露していくんです。

本来なら、ここで問題は解決。殴る必要はありません。では、一体どうして殴ることになったのか。

「よぉーし、よく言った。オレが必ず勝たせてやる!」

「そのために、オレはこれからお前たちを殴る!」

?????

えーと、勝たせるために殴る……、とな? なんで?

さらに。

「殴られた痛みなど、3日で消える。だがな、今日の悔しさだけは忘れるなよ!」

3日で消えるなら、なおさら殴らなくてもいいのでは……?

そもそも。

実は賢治、第4話で生徒を殴った際に校長先生からお叱りを受け、もう二度と生徒は殴らないと誓っているんです。

それなのに、第6話で早くもその誓いを破り、なんと3人を殴ります。

で、この控室での説教シーンが第8話。校長先生をはじめ、教員、保護者、大勢の目の前でグーパンチ。

たかだか数話前の記憶がないのか?

そのとき、絶妙なタイミングでナレーションが入るわけです。

「それは賢治にとって、生徒との絆をより深めたいという思いから発した行為であった」

「これは暴力ではない。暴力だと呼ぶ者があれば、出るところへ出てもよい。賢治はそう思っていた」

……イヤ、暴力なのよ笑

で、実際に暴力と呼ぶ者がいて、教育委員会から呼び出しをくらうのよ笑

それでも、賢治は「殴ったことを後悔していません」と断言。さらにはこう言ってのけます。

「殴るしか方法がなかったんです」

なんという強気のコメント。決してそんなことはなかったのに!

しかし後日、学校に「厳重注意」の書類が届くと、賢治の心は簡単に揺らぎはじめるのです。

「自分のやり方は間違っていたのか」

その迷いは焦りとなり、焦りはいら立ちを生みました。生徒たちに八つ当たりする賢治。その賢治にうんざりして、練習をボイコットする生徒たち。

あぁぁぁぁぁ、もう……!

これまで、賢治って絶対正義のイメージを持っていたんですけど、もしもタイムマシンがあって、当時の僕に会えるなら誤解を解いてあげたいです。

教師だって人間なんだから、間違うこともあるんだよ、と。

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