DJB.

現代詩。抽象画。 統合失調症という病を持っています。 絵を描いたり、詩を書いたり、音…

DJB.

現代詩。抽象画。 統合失調症という病を持っています。 絵を描いたり、詩を書いたり、音楽を聴いたりします。 障害があってもできる仕事をしています。

最近の記事

      • ハーレムクラブでサムクックが

        人間であることに 疲れ果てたようなときは ブルースを処方する 薬剤師のいる 閉鎖病棟で たとえば、雨の日のケニードーハム。 とても、染み入る響き 金管楽器の花形は、 メッキが剥げている。 ハーレムクラブでサムクックが消灯を告げる とても、いかしてる コーンのサックスを小脇に抱えた コールマンが3度目の嘘をついた夜は 悲しくて涙を流せない とても、染み入る響き とても、いかしてる

        • スケアクロウ(詠み人知らずのブルース)

          みな同じことを繰り返してるようで 違うことをしているのだよ 例えば、 穴を掘るにしても、スープを作るにしても 毎回違ったやり方がある 四辻で説教を垂れるスケアクロウ 作者不詳の肖像を抱えているやつ 人の数だけそれぞれのブルースがある つまり、詠み人知らずというわけ 悲しみの数以上に人がいる 深夜のだれもいないスクランブル交差点で 僕は思わずブルースを口ずさんだ 歌詞のスペルも知らずに

          神戸にて(24年3月15日のスケッチ)

          風が強い日なのに、陽が射している。 目的地には同類が集まるが、 それぞれに、会話を交わすことはない。 ぼくはここに来るまで独りを感じなかったから 詩が書けずにいた 知らない町のビルの谷間で思った 孤独のないところに詩は生まれない。と、 知らない町なのにベンチが空いていたりして 無防備なのはこの町の風のせい ぼくはいまどこにも属していないから 詩を書こうとおもった。 もう一度、言う 孤独のないところに詩は生まれない。

          神戸にて(24年3月15日のスケッチ)

          読書の時間

          時はしんとしている チョコクロの食べかすがぼろぼろと落ちても 電子書籍のボタンを逆に押していて 批評性など微塵もない 活字の逸楽は損なわれることがない 日の光に詩が発生している 今日は、こんなに気分がいい およそ45分の滞在 むこうからマネキンが歩いてくる それはぶつからない イヤフォンの向こうで終礼の合図のように ざわめく音を聴くとき コートを羽織って サンマルクカフェの二階をあとにする

          読書の時間

          喰えない詩人の為のバラッド

          神ともつながってるのが詩人なら インスピレーションを得る代わりにパンに事欠いているのでしょう 喰えないことも分かりきって彷徨っているのですか 何処にも属さないのが詩人 霞を食って生きているのは最初から空腹を約束したから 十字路で悪魔に魂を売りたいですよ ボロは着てても心は透明であらなければ とてもつとまつません 占星術師が自らを占わないのと同じで 森羅万象を語るイタコに徹しているようで 詩人の血があるのならば それを宣言した以上誰もが詩人になれる その時あなたは

          喰えない詩人の為のバラッド

          ホワイト・リバー

          ホワイト・リバー

          パレット

          パレット

          窓のある部屋「未完成」

          窓のある部屋「未完成」

          十七歳の地図

          十七歳の地図

          70円で買った青の時代。

          夢の中で巨匠に、あなたには迷いがないのですと言ったら いつもより早く目覚めた。 キュビズムは死んだという言葉を言わずして死んだ 先生、おはよう御座います。 時を同じくして、彼は皆にお腹を見せましたよ。 私が生まれる前の話なのでよく知られていますよ。 フォービズムはまだかろうじて青騎士たちとともに 息をしているので、私もそこで生きて行けます。 マチスの塗り残した時代の証人のように 今日も日曜の糧をイエス基督の生涯を 視聴覚教室のスライド映写機で、銃声。 現代詩はラブホ

          70円で買った青の時代。

          空中遊園

          空中遊園

          日曜画家の1日

          日曜画家の1日

          2回目の日曜日

          2回目の日曜日

          五月の肖像

          硝子一枚 隔てた 向こうに 森の人 映るのは 悲しい目をした動物たち 五月に生まれ 五月に死ぬ 鳥は 羽を 切られ 飛び立とうともしない 五月に死に 五月に生まれる 笑うことはなくても 泣くことはできる 我々は 目撃する 彼らの涙を 野生の目で 五月に生まれ 五月に死ぬ

          五月の肖像