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【映画噺】 The Holdovers ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ 2024年6月21日公開

第96回アカデミー賞、第81回ゴールデングローブ賞受賞!

アカデミーでは助演女優賞、ゴールデングローブ賞では助演女優賞とミュージカル・コメディ部門の主演男優賞を受賞した作品。サイドウェイやファミリー・ツリーのアレクサンダー・ペイン監督の最新作です。「なんか、いい映画が見たいな。」と試写会へ。

Seacia Pavao / © 2024 FOCUS FEATURES LLC.

ワンポイント

おすすめ度:★★★★★(おひとり様、長い付き合いの友人や家族と是非。)
・じんわりとあったかく、ところどころ笑わせてくれるセンスも絶妙で、余韻も清々しい良作。見逃すには惜しい作品なのでタイミングを合わせてぜひ劇場で。


STORY

1970年、ボストン近郊。名門バートン校の生徒たちは、誰もが家族の待つ家に帰り、クリスマスと新年を過ごす。しかし、留まらざるを得ない者もいた。生真面目で融通が利かず、生徒からも教師仲間からも嫌われている古代史の教師ハナム。勉強はできるが反抗的で家族に難ありの生徒アンガス。ベトナム戦争でひとり息子カーティスを失ったばかりの料理長メアリー。雪に閉ざされた学校で、反発し合いながらも、孤独な彼らの魂は寄り添い合ってゆく――。

巧みなストーリーテリング、映像の美しさも高く評価され、アカデミー賞をはじめ、数多くの俳優賞、作品賞、脚本賞を受賞。『サイドウェイ』と『ファミリー・ツリー』で二度のアカデミー賞®脚色賞に輝く名匠アレクサンダー・ペイン監督最新作は、日常から生まれる心の機微を繊細に紡ぎ出す。まさにペインの真骨頂だ。日本でリメイクもされた『サイドウェイ』主演の名優ポール・ジアマッティとの再タッグは映画ファンが胸を高鳴らせ、ゴールデングローブ賞で主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を見事受賞。さらに、本年度のアカデミー賞®助演女優賞のほか、全米の映画賞を総なめにしているダヴァイン・ジョイ・ランドルフが、息子を失ったメアリーの孤独を言葉少なに体現し、新人のドミニク・セッサが家族との複雑な関係を繊細に演じ、印象を残す。ペインの丁寧な演出と3人の名演が見事に融合し、小さな心のひだの動きが刻まれた、普遍的な傑作ドラマの金字塔が誕生した。

公式サイト、プレスより


感想

ポスターやチラシを見る限り昨今の多様性も意識したキャスティングではあるものの、それがごく自然で、こんな先生・カフェテリア(寮の食堂)のお姉さん、寮生たち、ほんまにいそうやなーとすんなり作品に入っていけます。1970年、ボストン郊外という設定です。

私は寮生活を経験したことがありませんが、名門校で寮制のところは多いですよね。ボストン近郊だとハーバード、MIT、ボストン大学と超優秀なところばかり。
進学もそこを狙う子達ばかりなのでしょう。とはいえ、中高生はまだまだ多感な時期。主人公の一人アンガスは家族と過ごすクリスマス休暇をウキウキを隠せずにいたのに、お母さんが突然電話をしてきて「悪いんだけど帰ってこないで。新しいお父さんと新婚旅行に出たいのよ。」と言われてしまいます。ひどい話や。皆それぞれに地元に帰って家族と過ごすのがアメリカのクリスマスなのに寮に残れって。でも理由はそれぞれだけど残る生徒もいて、そのおもりというか、監視役を引き受けたのが同僚にも生徒にも嫌われている古代史教師のハナム。さらにそこにはベトナム戦争でひとり息子を亡くした料理長のメアリーも。なんやかんやわいわいと過ごすと思いきや、寮に残った生徒の一人がボンボンで、ヘリコプターでパパがお迎え。残った生徒も希望制で一緒にバケーションへ便乗していってしまいます。もちろん保護者の許可がいるわけだけど、今みたいに携帯がないからね、アンガスのママや新パパとは連絡が取れず、アンガス、先生、メアリーという何とも関係の薄い3人で年末年始を迎えることになるんです。

ここから、それぞれの過去とか、家族とか、心の傷とか、健康とか、もういろんなことが明らかになっていきます。先生、生徒、学校のシェフという関係性の垣根を超えて、心を寄せたりぶつかったり。

「あぁ、あの人が助けてくれたんだ。」と気づく時も気づかない時もあるだろうけど、全然違う立ち位置だからこそ見えることもあるわけで、3人の関係性がずっと続くわけではないかもしれないけれど、それぞれの存在が心の中に生きて、強く未来を歩んでいけるんだろうと思わせてくれるような作品でした。

本国アメリカの批評サイトでも高評価。

是非どうぞ!おすすめです。


The Holdovers ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
6月21日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー!

 

クレジット
監督:アレクサンダー・ペイン
脚本:デヴィッド・ヘミングソン
出演:ポール・ジアマッティ、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、ドミニク・セッサ
133分/1.66:1/2023/アメリカ 日本語字幕:松浦美奈
配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画

 

予告編


公式サイト


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