書楼弔堂 炎昼:京極夏彦:リアルもファンタジーも

年間、文庫本で、小説ばかり、約150冊を読み続けているGGが、今年は読んだ本の読書感想文を書いていこうかと

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「書楼弔堂 炎昼」(009/2020年)

シリーズ第二弾ですね。明治の偉人たちが次々と訪れる書店(=書楼)のお話です。今回はお嬢様「塔子さん」の生き様と共に物語は年月を重ねていきます。

本作品に登場するスターたち、豪華絢爛、田山花袋、平塚らいてう、乃木将軍!そしてトリを飾るのは、なんと…いちおうココはネタバレ無しにしておきます。なぜ、彼には売るべき本が無かったのか、その謎は読後の愉しみとして取っておきましょう。

ページを開けば、作品の中だと書楼に立ち入れば、そこはリアルなのかファンタジーなのか、よく分からない曖昧な世界です。そもそも、リアルはファンタジーの源であり、ファンタジーはリアルの延長線上にあるってことを、本作品では「幽霊」というものを使って、滔々と語っています。そして、それは同じく「文字」「言葉」という呪術にも当て嵌まるのではないでしょうか。

言葉という音を、文字は紙に固定するだけのことです。言葉ですら、その場所によって適当に作られただけです。雪の降らない国・地域には雪という言葉はありません。なんか、そう思うと、実にいい加減なものに、皆、支配されているんだな~って思います。

でも、支配されたいんだな、これが。もっともっと、文字を読みたい、言葉が欲しい。その先の目的は知らないけど。


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