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潜航せよ:福田和代:ちょいリアル、このクーデター

「潜航せよ」(18/2022年)

本作品の前段「迎撃せよ」を読んだのが2014年2月でした。流石に覚えていなかったけど、全く問題ないのでご安心を。それよりも次の「生還せよ」の方が気になります。

原子力潜水艦ものなんですけど、なんと中華人民共和国のクーデターが絡むという、スケールMAX系な物語です。2013年作品ですが、実に的を得ているかと。あと数年後にかの国でクーデターとか、それもチョットだけやってあえなく失敗とか、あり得る、妙にリアルです。流石に原水を巻き込むまではいかないかと思いますが、陸軍先行ならばワンチャン有でしょ。

主人公、安濃は、当然のごとく、全く関係ないのにクーデターに巻き込まれていきます。最初の巻き込まれ方があまりにもスムーズで唸ってしまいました。舞台は対馬、そう対馬だからこそのリアリティです。

今回、安濃は原水に乗り込むことはありません。海の中では別の物語が展開します。クーデター派による原水ジャックに直面した艦長の軍人としての凛々しさは国籍を越えた美しさに溢れていて素敵でした。

安濃の脱出する展開はハリウッド的なエンタテインメントであり、それも良しとしましょう。しかし、次回作以降、彼はどういう立ち回りをするのか、気になります。更にハリウッド化が進むのでしょうか?



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