アンマーとぼくら:有川ひろ:破天荒、どう思う?

「アンマーとぼくら」(111/2020年)

「浩」から「ひろ」に変わってから初読です。本作、単行本の時は「浩」だったんですね。デビュー時の自衛隊三部作のころは、完全に男性かと勘違いしていたのが懐かしい。戦闘モノは男性が書くという情けない先入観をぶち破ってくれた有川、大好きな作家の一人です。

で、簡単に言えば親子モノ。母(アンマー)と息子の物語です。でも、なぜ「ぼくら」なのか。それは母の夫、つまり息子の父の存在が大きくかかわってくるからなのです。

で、父、まあ問題児です(正確に書くなら「問題大人」なのでしょうか)。この父に嫌悪感を待つ方の本書レビューは酷いものです。で、それは当然かと思います。なので、本作品は読まないでください(笑)

主人公、息子は小学生のころに母を亡くし、その後、すぐに父は再婚して義母が出来ました。そして、父も死んでしまいました。このアンマーは義母なんですが、結局、この話は、死んでしまった父を中心とした義母と息子の物語なのです。

この父、良い日本語で言えば「破天荒」です。破天荒な人を表面的に把握し、苦手な人は、本作品、読まない方がよいかも。その裏に隠れる何に惹かれる人は、読んだ方が良いです。この父に、やられちゃいます、きっと。

息子は、実に真っ直ぐに育っているので安心できます。母も義母も「美人」設定、うなずけます。美男美女は、自分の事を美男美女と扱わない人に惹かれるものなのです。

沖縄がメインの舞台。義母と父は沖縄に住んでました。北海道がサブ。母と父が住んでいました。実に映像化に向いている作品です。妄想キャスティングするならば、父は誰かな、、、敢えての堺雅人でいかが!?



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