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約束:石田衣良:小学高学年から高校生に是非

「約束」(83/2021年)

直接的に厳しい、辛い現実がテーマの短編集です。親友の死とか、子供が事故で歩行不能になってしまったとか、父の突然の死とか、滅多に発生しないものの、隕石に当たるよりは、年末ジャンボに当たるよりは確率の高い悲劇をテーマにしています。

もちろん、石田衣良なので、ちゃんと読者に希望を残してくれるので安心して読めます。登場人物に少年少女も多いので、小学校高学年から高校生が読むと、様々な思いがこみ上げてくるのではないでしょうか。決してキレイごとだけではないので。

「約束」「青いエグジット」「天国のベル」「冬のライダー」「夕日へと続く道」「ひとり桜」「ハートストーン」とありますが、やっぱ親友ものの「約束」が一番熱くて、とっても素直で、良いかな。自分には小学生のころ、そんな存在はいなかったから単純にオジサンとして羨ましいだけなのかもしれないけれど、大事な人が目の前で死んでしまうというショッキングな物語を上手にまとめてくれています。

それにしても石田作品は映像化したくなるものが多いです。登場人物の姿がすくっと立ち上がるからかな。適度な説明もあって親切だから、すぐに目の前で(頭の中で)ドラマが展開します。妄想キャステイングするならば、今回の中だと「青いエグジット」の少年を、是非、道枝君(なにわ男子)にやって欲しいです。超絶演技難しそうだけど、彼なら出来る!


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