あやかし草紙-三島屋変調百物語 伍之続:宮部みゆき:もう感謝の気持ちしかない

「あやかし草紙-三島屋変調百物語 伍之続」(080/2020年)

無事に嫁いでくれましたね。いや、本当に良かった。おちか、おめでとう!そして、第一期完結、ありがとうございました。やっぱ、宮部は圧倒的に面白いです、他の追随を許さない。いつも読ませていただいて感謝です。

江戸の三島屋、今回も行き所のない「怪奇現象」を話すために、様々は人たちがやってくる。自分の中に留めておくには荷が重すぎるので、そのはけ口を求めてやってくる。そして、訳アリのおちかが受け止める。今回からは従弟の富次郎も本格参戦。そして最大のディフェンス、お勝も大活躍です。

全部で5つのエピソード。どれも面白過ぎますが、お気に入りはスケールも大きく最もドラマチックな展開の「だんまり姫」かな。主人公・おせいが素晴しい。宮部の人間描写力が爆発(もちろん良い方向に)してます。漁村の女とお姫様の交流が、実にいいんだよね。そして、幽霊である「殿」との会話もたまらない。全ての謎を解き明かすためにパワフルに動き回る様もほれぼれします。

宮部が凄いのって、物語が凄いのに、更にそこに出てくる人物の、物語とは直接関係ない部分の書き込みの凄さなのかな。それっって、個人的にはハリーポッターと通じるところがあります。そもそものミステリ的な構成が面白いのに、更に面白い。頭の中を宮部の書いた「人」たちが縦横無尽に動き回る。でも、最後はちゃんと落とし前を付けてくれる。

あー、宮部、最高!そして、富次郎、頑張れぃ!!




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